19日のラ・リーガ第18節、アトレティコ・マドリーは本拠地シビタス・メトロポリターノでのヘタフェ戦を3-3のドローで終えた。
シメオネ監督率いるアトレティコが今年2月からメトロポリターノで重ねてきた連勝数は20。同じくシメオネ監督率いるチームが2012年5月〜2013年2月に成し遂げたクラブ記録に並んでいる彼らは、このヘタフェ戦に勝利すれば120年のクラブ史における最高到達地点を更新できる。
ちなみにヘタフェは、メトロポリターノから最後に勝ち点を持ち帰ったチームであり、それと同時にシメオネ・アトレティコとの全23試合で一度も勝利のないチームだ(アトレティコの19勝4分け)。
GKオブラク、DFマルコス・ジョレンテ、サビッチ、ヴィツェル、エルモーソ、ロドリゴ・リケルメ、MFデ・ポール、コケ、サムエル・リーノ(ロドリゴと同時起用!)、FWメンフィス、グリーズマンを先発で起用したアトレティコは、ボールこそ保持するもののヘタフェの堅守速攻に苦戦。すると38分、サビッチがマタに対する肘打ちで2枚目のイエローカードを提示されて数的不利に陥った。
10人でのプレーを強いられたアトレティコ。シメオネ監督はメンフィスをアスピリクエタに代えて右CBを補充し、M・ジョレンテを右ウィングバックから右インサイドハーフ、ロドリゴを右ウィングバック、リーノを左ウィングバックとする5-3-1にシステムを変更している。
そして数的不利の逆境の中にいるチームは、44分に先制点を記録した。右サイドのロドリゴがクロスを送り、ファーにフリーで走り込んできたグリーズマンが滑り込みながら左足でネットを揺らしている。
1点リードで試合を折り返したアトレティコだったが、逆境はまだ続いた。ヘタフェの反撃に遭ったホームチームは53分、グリーンウッドのシュートをオブラクが弾き、このこぼれ球をマジョラルに押し込まれて同点に追いつかれる。1-1で引き分けたヘタフェ戦後に始まった連勝記録が、次のヘタフェ戦で1-1で途絶える……そんなことが人々の頭によぎった。
しかしながらアトレティコは、やはり苦しみを乗り越えて輝くチームなのかもしれない。ヘタフェに攻め込まれていた彼らは、63分のワンプレーで勝ち越しゴールを獲得。M・ジョレンテがディエゴ・リコのマークを振り切り、バナナの軌道を描くクロスをペナルティーエリア内に送ると、最終ラインを抜け出したモラタが地面に叩きつけるヘディングシュートでネットを揺らしている。
アトレティコはさらに66分、ペナルティーエリア内のエルモーソがダミアン・スアレスのファウルを誘発したとしてPKを獲得する。このPKを蹴ったのは……グリーズマン。背番号7が左足で、枠内右に蹴ったボールはGKソリアの手に当たったものの、威力を失うことなくネットを揺らした。
グリーズマンはこのゴールでアトレティコでの通算得点数を173に伸ばして、歴代得点ランク1位故ルイス・アラゴネス氏に並んだ。メトロポリターノはグリーズマンを称え、そして、アラゴネス氏のチャントを高らかに響かせていた。
2点のリードを得たアトレティコだったが、まだドラマは終わらなかった……。87分にオスカルがヘタフェの2点目を決めると、93分にはD・スアレスのクロスがロドリゴのハンドを誘発。ヘタフェがPKを獲得し、キッカーのマジョラルに再びオブラクを破り、スコアは3-3の同点となった。結局、試合は3-3のドローで終了のホイッスル。アトレティコの連勝は、クラブ記録タイの20でストップした。かつての愛称「プパス(悲運)」を思い起こさせる内容ではあったが、シメオネ監督は終了直後、ピッチ上の選手たちに対して拍手を送ってその健闘を称えている。
前節アスレティック・ビルバオ戦の敗北に続き、2試合連続で勝利を逃した3位アトレティコは、勝ち点を35までしか伸ばせず。首位ジローナ(勝ち点44)、2位レアル・マドリー(勝ち点42)、4位バルセロナ(勝ち点35)、5位アスレティック(勝ち点32)に差を広げられる、または縮められる可能性をつくってしまった。ただ年末には第4節延期分、メトロポリターノでのセビージャ戦が控えており、その試合の勝ち点3は獲り逃したくないところだ。




