アトレティコ・マドリーは17日にラ・リーガ第32節、本拠地ワンダ・メトロポリターノでのエスパニョール戦に臨み、2-1の勝利を飾った。
ミッドウィーク、マンチェスター・シティを追い詰めながらもファーストレグの1点ビハインドに泣く形で、チャンピオンズリーグの冒険を準々決勝で終えたアトレティコ。ここからはシメオネ監督が「14試合のリーグ戦」と発言してから6連勝し、シティ戦の合間に行われた前節マジョルカ戦で、7試合ぶり黒星を喫したラ・リーガに集中しなくてはならない。ちなみに、普段は現地時間21時から開始されることが多いアトレティコの試合だがこの日は16時15分開始で、子供たちが招待されるディア・デ・ニーニョ(子供の日)に指定された。
GKオブラク、DFヴルサリコ、サビッチ、フェリペ、ロディ、MFマルコス・ジョレンテ、コケ、コンドグビア、ロディ、FWアンヘル・コレア、ジョアン・フェリックスが先発して、5/4バックの変則システムでプレーするアトレティコ。前半は5バックのエスパニョールを相手に、ガチガチの、子供たちが退屈しそうな極めて手堅い試合を強いられることになる。
中盤での潰し合いとなった最初の45分間で、目立ったチャンスは二つのみ。まず6分、エスパニョールがCKからカブレラがヘディングシュートでゴールをうかがったが、これはオブラクがパンチングでブロック。対するアトレティコは35分、ロングボール一本からジョアン・フェリックスがペナルティーエリア内左に侵入。だが、シュートは枠の上へ外れた。結局、前半はスコアレスのまま終了。シメオネ監督はハーフタイム、レマル(負傷)をカラスコ、J・フェリックスをグリーズマン、ヴルサリコをクーニャに代えた。
迎えた後半、アトレティコはより積極的にエスパニョールのゴールに迫っていく。それに伴い51分には守備で綻びを見せ、ダルデルのシュートを許してしまったが、これはオブラクのビッグセーブにより難を逃れる。そして子供たちに供する先制点を決めたのは、0-1とされそうだったピンチの直後、52分のことだった。クーニャのスルーパスからカラスコがペナルティーエリア内に侵入。アライクス・ビダルを切り返してでかわして右足でボールを叩くと、GKディエゴ・ロペスの反応むなしく枠内に収まっている。
シメオネ監督は58分に4枚目の交代カードを切り、ロディとの交代でヘイニウドを投入。69分にはロングボールからラウール・デ・トーマス(RDT)のシュートを許したが、オブラクが平然とさらなるビッグセーブを見せて、失点を防いでいる。
そして71分、大きな物議を醸しそうな疑惑の判定が生まれてしまう……。ダルデルのシュートがフェリペに当たり、跳ね返ったボールがコンドグビアの手に触れた。するとフィゲラ・バスケス主審はコンドグビアに2枚目のイエローカードを提示して退場させ、さらに抗議をしていたわけでもない(ピッチを離れることをとまどっていたコンドグビアに近づいていた)シメオネ監督の元にも駆け寄ってイエローカードを出している。
強烈な指笛が吹かれるスタジアムで、エスパニョールのペナルティーエリア手前からのフリーキック。RDTが蹴ったボールは一度オブラクが止めたものの、ポストに当たってから枠内に転がり、スコアは1-1に戻る。子供が大勢いるスタンドからは、さらなる指笛でもってコンドグビアの退場判定に抗議をしている。
10人となったアトレティコは、それでもあきらめずにゴールを目指したが、やはり11人のエスパニョールを崩し切るのは難しい。しかしながら97分には、今度はエスパニョールのRDTのハンドが取られてアトレティコのPKに! これをキッカーのカラスコがしっかりと決め切った直後に、試合は終了のホイッスル。アトレティコは数的不利などの逆境にあっても、あきらめなければ報われることだってあると、今日スタジアムにやって来た子供たちに教えている。
2試合ぶり勝利のアトレティコは、勝ち点を60として2位バルセロナ、3位セビージャと暫定で並んでいる。




