アルゼンチンのレジェンドは先週カンプ・ノウに感傷的な別れを告げ、人生で初めてバルセロナ以外のクラブでプレーすることになった。
この移籍はメッシにとって小さな一歩かもしれないが、パリ・サンジェルマン(PSG)にとっては大きな飛躍となりそうだ。6度バロンドールに輝いたレジェンドを獲得し、今夏の移籍市場での補強戦略は大成功に終わった。バルサを退団したネイマールを2億2200億ユーロ(約288億円)で獲得した2017年以上のインパクトがあるのは間違いない。
批評家がメッシの今後を批判するネタが一つあるとするならば、メッシがバルサ以外で活躍する姿を誰も見たことがないということだ。メッシがおよそ20年前に爆発的な活躍を見せて以来、バルサではメッシが最大限活躍できるように調整されてきたのだ。
夏にはアルゼンチン代表をコパ・アメリカ優勝に導いたことで代表キャリアでも成功を収めたメッシは、今度は自身の評価に対する最後の議論に終止符を打とうとしている。
もちろん、リーグ・アン優勝だけでは成功とは言えないだろう。PSGをCL初優勝に導かなくてはならない。
それでは、目標実現のためにマウリシオ・ポチェッティーノ監督はメッシをどう起用するのだろうか?可能なオプションを3つ提示した。
■4-2-3-1の10番
Playing Surfaceポチェッティーノは4-2-3-1を好んで採用することで知られる。ここ最近何年にも渡っていくつものトップクラブで使われてきたシステムだ。
メッシの背番号は30に決まったが、このシステムでは10番の役割を担うことになるだろう。ネイマールに左サイドを支配させ、アンヘル・ディ・マリアを右サイドに置いて攻撃陣をけん引することになる。
そうすると、キリアン・ムバッペは最前線のタスクを負うことになる。
前線のオールスターメンバーの後ろに陣取るのはジョルジニオ・ワイナルドゥムとマルコ・ヴェッラッティ。今シーズンは守備面で恐ろしく忙しくなりそうだ。
アクラフ・ハキミは右サイドでタスクをこなし、サイドバックの位置から幅広い役割を担うことになる。フアン・ベルナトはおそらく左サイドで攻撃参加を抑えつつプレーするように要求されるだろう。
■流動的な4-3-3
Playing Surfaceポチェッティーノにとって少し守備的なオプションと考えられているのが4-3-3だ。この布陣ではディ・マリアが犠牲になってしまう。
このシステムでは守備陣に要求されるカバー範囲が広くなるため、走力・守備力に秀でたイドリッサ・ゲイェが中盤に配置されるだろう。4-2-3-1の陣形にはない純粋なアンカーとしての役割を担うことになる。
このフォーメーションでは前線3人のフレキシブル性を強く押し出すことができる。
メッシとムバッペは試合の状況に応じて役割を変えられる選手だ。例えばムバッペにワイドのスペースを与えることで、持ち前のスピードを引き出すことも可能となる。
もちろんメッシは密集したスペースでプレーすることに何の問題もない。中央でプレーすれば有効なプレーができるのは間違いないだろう。
■3-4-1-2の最前線
Playing Surface上で挙げたシステムに少々変化を加えたのがこちらのフォーメーション。3バックを採用し、プレスネル・キンペンベをセルヒオ・ラモスとマルキーニョスとともに配置。より守備面でのカバーができるようにした。
一方、ハキミとベルナトの両者には攻撃の自由を与えることができる。実際、この二人にはメッシとムバッペの形成するFW陣にパスを供給する仕事が期待されるはずだ。
この陣形では、10番の役割を担うのはネイマール。
PSGの前線に3人が揃えば、対戦相手は攻撃陣の脅威に備えるためコンパクトにブロックを作る守備を余儀なくされるはずだ。そうすれば、ハキミの周囲にスペースが生まれることになり、右サイドを切り開くことができる。
このフォーメーションはすでにポチェッティーノにとって最高の陣形だと考えられている。間違いなく攻撃と守備のバランスを最も取りやすい形だからだ。