Granit Xhaka Arsenal 2021 2022Getty Images

「悪夢」を経験したジャカが語る、アーセナルファンへの悲痛な思い「今までと同じと装うことはできないけど…」

悪夢

アーセナルMFグラニト・ジャカは、物議を醸した2019年10月のクリスタル・パレス戦を振り返った。

2016年にボルシアMGからアーセナルに加入したジャカ。これまでに公式戦242試合に出場、2度のFAカップ制覇に貢献、一時キャプテンを任されるなどチームで最も信頼を集める選手の1人である。しかし、2019年10月のクリスタル・パレス戦では交代の際に大ブーイングを浴び、それに悪態をつくなど大きな問題に。その後主将を剥奪されていた。

その後は何度か退団が噂されたジャカだが、今季も残留。公式戦22試合に出場し、プレミアリーグトップ4争いを繰り広げるチームを支えている。昨年8月にはアーセナルと2024年までの新契約を締結したスイス代表は、『Players' Tribune』の中で2019年のクリスタル・パレス戦を振り返った。

「荷物は積め終わった。パスポートも引っ張り出した。『アーセナルでのキャリアは終わった。もう終わりだ』。他のクラブとの契約書があって、妻と話し合い、去ることを決断した。ミケル(アルテタ)に別れを告げ、飛行機に乗るつもりだった。それが2019年12月のこと。その2カ月前……何があったかはご存知だろう。色々言われたけど、今ようやく整理する時が来たようだ」

「あの日は事態が一線を越えてしまった。今でも目を閉じれば、(ブーイングを浴びせた人の)顔や怒りを思い出す。ブーイングを耳にして、ようやく動き始めることができた。一部の人だけではなかったし、本当に多くの人がそうしていた。ショックだった。あんな経験をしたことはなかった」

「嫌わているわけではない、それとは違った。あれは憎しみだ。純粋な憎しみ」

「そうだ、僕はアーセナルのキャプテンだった。でも、1人の人間なんだ。だから1人の人間として、傷ついて、反応したんだ。言い返したり、耳を抑えたり、シャツを投げつけたり。僕がしたのは間違ったことか? そうだね。でももし明日同じことが起きたら、違うことができるだろうか? 正直なところ、わからない」

「僕は感情的な男なんだ。あのレベルの憎しみと無礼を感じたくはない。今でも、負けたときにはトンネルまでの最後の数メートルを歩きたくないんだ。顔がわかるから、同じ人が座っているから。今はひたすら頭を下げている。かつてあんな悪夢を経験した。もう、2度と経験したくない」

アーセナルへの愛情を口に

人生における最悪の経験を綴ったジャカ。当時は本当に退団まであと一歩だったとしつつ、「ミケルがいかに僕が彼のプランにおいて重要かを話してくれた。彼の温かさが好きだった。正直で、まっすぐだった。この人なら信用できると思った。僕は決断を下す際には多くの時間をかけるんだけど、その日はルールを破った。『OK』。妻や両親にも告げたよ」とミケル・アルテタ監督との会話が残留を決めたとも明かしている。

「今、僕は絶対に正しい決断をしたと思っている。でも、ファンとの関係が今までと同じであるように装うことはできない。あの瞬間は、いつも僕の心の中にあるんだ。割れたガラスのようなもので、つなぎ合わせることはできても、ヒビは入ったままだ」

「僕はもっと良い関係を築きたい。もっと理解し合いたい。それがこの話をした理由だ。僕ら選手が恵まれていることは理解しているつもりだけど、僕らの生活にも困難があると理解してほしいんだ」

そしてその上で、アーセナルへの愛情を語っている。

「僕はもうアーセナルのキャプテンじゃない。でも、腕章がなくたってキャプテンのようなふるまいは約束できる。チームメイトやスタッフからも尊敬を感じるし、本当に感謝している。常に若手を助け、自分たちのパフォーマンスにも責任を持つつもりだ」

「アーセナルは今でも、僕の心の中に100%ある。僕の挑戦は、僕に対する意見を変えることではなくて、チームを助けること。(ファンとは)決して親友にはなれないかもしれないけど、お互いに尊敬の念を持って接することができればと思う。僕がピッチ上で何をするにも、それは正しい感情からくるものだと知ってほしい。タックルに遅れたら、それはアーセナルのために戦っているから。キレてしまったとしたら、クラブを思っているからなんだ」

「もちろん、フットボールでは未来を予測することなんてできない。でも、いくつかわかっていることもある。今季が終わったら、契約は後2年だ」

「僕はこのクラブを今でも愛している。ミケルが素晴らしいチームを作ってくれると信じている。そして、僕はここでなにか特別なことを成し遂げたい」

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