フランス代表FWアントニー・マルシャルの代理人は、マンチェスター・ユナイテッドで今シーズンわずか公式戦10試合しか出場していない同選手が、この冬にオールド・トラッフォードを離れることを望んでいると主張している。
その願いを成就させるための状況は、クラブ内で整いつつあるかもしれない。
■指揮官は慰留に消極的
ラルフ・ラングニック監督はマンチェスター・Uで指揮を執って2週間足らずだが、すでに退団を望むマルシャルが試合に出る隙がないことは明らかだ。他の選手についても、クラブにいたくないのであればわざわざ残留するよう説得することはない、というラングニック監督のメッセージは明確となっている。
例えば、移籍の噂があるポール・ポグバはラングニック監督と連絡を取った3日後に太もものケガのためにドバイでリハビリを受けに行っていた。ラングニック監督は、ポグバはマンチェスターで回復に努めるべきだと考えており、まだサインしていないポグバの新契約についての議論に入ることにすら興味はなかった。
そのメッセージは、マルシャルの耳にも届いていることだろう。マルシャルの代理人フィリップ・ランボリー氏は、『スカイスポーツ』に対し、彼のクライアントが1月にマンチェスター・Uからの退団を希望していることを明かした。
「アントニーは1月にクラブを去ることを希望している」とランボリー氏は語った。「彼はただプレーすることが必要なんだ。彼は1月に残ることを望んでいない。私はすぐにクラブと話をするつもりだ」と選手の胸中を代弁している。
現段階では、マルシャルから正式な移籍希望は提出されておらず、ラングニック監督は彼が本当に残留を望んでいるかどうか、選手を追いかけることには興味がないようだ。
■序列低下で悪循環
(C)Getty imagesマルシャルは膝の痛みを理由としてラングニック監督が指揮を執る3試合には出場していないが、全体的に見ても元モナコFWが7月のプレシーズントレーニングに着手したときに信じていたものとはほど遠いシーズンとなっている。
ほとんど笑顔を見せないと言われるマルシャル。それはクラブの社内ソーシャルメディアチームでさえTwitterでジョークとして使っているほどだ。にもかかわらず、情報筋は『GOAL』に対し、夏のプレシーズンではいつもよりリラックスし、幸せそうな姿を見せたと話した。
しかし、夏の移籍市場の後半にクリスティアーノ・ロナウドがクラブに復帰することが決定。マルシャルはこのポルトガル代表FWの復帰が自身のトップチームでのプレーのチャンスにどのような影響を与えるか、まったく想像できない不安があるままシーズンに突入したようだ。
今シーズンはここまで、全コンペティションで10試合しか出場しておらず、そのうち先発出場はわずか4試合。C・ロナウド、ジェイドン・サンチョ、メイソン・グリーンウッド、マーカス・ラッシュフォード、エディンソン・カバーニが彼より上位に位置し、ラングニック監督は10代のアンソニー・エランガとアマッド・ディアロにも機会を与えることを熱望している状況だ。
特にワールドカップ(W杯)まで1年を切った今、フランス代表ディディエ・デシャン監督が2022年カタールW杯でマルシャル選ぶことは現状厳しいだろう。
■退団は適切なオファー次第か
しかし、これほどまでに序列を落としたのは誰のせいだろうか。マルシャルの一貫性のなさは、コーチやサポーターの不満の種になっている。情報筋によると、ユナイテッドのスタッフの中にはトレーニングセッションと試合の両方で「オンとオフの切り替え」が激しいことを気にしている者もいるという。
マルシャルが爆発する可能性を信じている人は多いが、現在26歳。2019-20シーズンは全試合で23ゴールを挙げるなど好調だったものの、昨シーズンはケガにも悩まされ、36試合に出場してわずか7ゴールに終わった。オレ・グンナー・スールシャール前監督のもとでも彼がファーストチョイスとして考慮されなかったのも不思議ではない。
現在の問題は、誰が彼を買いたがるかということだ。2019年にマルシャルは2024年までの新契約にサインし、さらに1年のオプションが付帯。クラブは彼を安値で手放したくはないだろう。
近年、マンチェスター・Uが選手と高額な長期契約を結び、余剰人員となった選手や移籍を希望する選手を売却するのに苦労するのはよくあることで、マルシャルもそのパターンに従うことになりそうだ。
ラングニック監督はすでに、冬のマーケットが開けば何人かの選手にはレンタル移籍を受け入れると明言している。一方、代理人を通じてクラブにいたくないことを明らかにしている選手に対して適切なオファーがあれば、耳を傾けることもできるだろう。
ラングニック監督は先週、「選手がここに残りたがっていることを確認する必要がある」と退団の噂がある選手たちについて述べ、以下のように続けた。
「もしまだ十分な試合出場時間が得られていないのであれば、選手と個別に話をし、レンタルが理に適っているかどうかを確認することには意味があるかもしれない。しかし、今はまだそのことを話すには早すぎる」
マルシャルはクリスマスの願いを叶えることができるかもしれない。もし彼が本当に退団を望み、適正な価格で合意したならば、彼が退団することを心配する者はマンチェスター・Uにほとんどいないだろう。
文=Charlotte Duncker/GOAL


