アメリカの著名ジャーナリスト、グラント・ウォール氏がカタール・ワールドカップ(W杯)の取材中に亡くなった。享年は48歳。
ウォール氏は現地時間2022年12月9日のカタールW杯準々決勝、オランダvsアルゼンチンの取材中に死去。ルサイル・スタジアムで取材していたが、複数の報告によれば延長戦の最中に医療上の緊急事態となり、心肺蘇生が必要な状態だったとのことだ。
アメリカサッカー連盟(USSF)はこの悲劇に際して以下の声明を発した。
「グラント・ウォールを喪ったことを知り、アメリカのサッカー関係者全員が心を痛めている。サッカーとジャーナリズムについて最高の見識を備えるファンたちは、試合やその主人公であるチーム、選手、コーチ、そしてサッカーを他のスポーツとは異なった存在にする大勢の登場人物について、洞察力に富んだ興味深いストーリーを知るために常にグラントが頼りになることを分かっていた。
ここアメリカにおいて、グラントのサッカーへの情熱やスポーツ界全体における知名度を高めようとする取り組みは、美しいゲームに対する私たちの関心と敬意を集めるのに大きな貢献を果たしていた」
続けて「グラントはサッカーを生涯の仕事とした。彼と彼の著作物がもはや私たちの手から零れ落ちたことに打ちのめされている」とし、その悲しみの大きさを強調している。
また、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長も哀悼の意を示した。
「著名なスポーツジャーナリストのグラント・ウォール氏が取材中に亡くなったことを知り、信じられないほどの悲しみを覚えている。彼のサッカーへの愛情は計り知れず、彼の報道は世界中の試合を追うすべての人々に惜しまれるだろう。FIFAとサッカー界を代表し、最も困難な渦中にいる彼の妻セリーヌ、彼の家族、そして彼の友人たちに心からお悔やみを申し上げたい」
ウォール氏は男子と女子で合計してW杯8大会での取材を経験。2011年にはFIFA会長にも立候補した。2007年にデイヴィッド・ベッカム氏がMLSサッカーに参戦したことに関する著作「The Beckham Experiment」を書き上げたことで、作家としても知られていた。
