フランス代表FWキリアン・エンバぺがカタール・ワールドカップ決勝アルゼンチン戦のハーフタイム中にチームメイトたちに向けて発した言葉が明かされている。フランス『TF1』が放映したドキュメンタリー『メルシー、レ・ブルー』(『ありがとう、レ・ブルー』)の中で、ドレッシングルームでのその場面がとらえられていた。
W杯2大会連続で決勝進出果たしたフランス。前半はリオネル・メッシ、アンヘル・ディ・マリアのゴールでアルゼンチンに先行され、シュートも0本と圧倒的な劣勢が続いたが、終盤のエンバぺの2ゴールで追いつく劇的展開に。延長戦では再びのメッシ弾で勝ち越されるも、118分にエンバぺがPKを沈め、56年ぶり史上2人目となる決勝でのハットトリックを記録してPK戦へ突入。守護神エミリアーノ・マルティネスの大活躍もあってそのPK戦を4-2で制したアルゼンチンが36年ぶり3度目の優勝を達成した一方で、フランスは連覇を逃している。
結局PK戦の末敗れたとは言え、フランスは前半の歴史的低パフォーマンスからの巻き返しに成功。ハーフタイム前にオリヴィエ・ジルーとウスマン・デンベレの代わりにランダル・コロ・ムアニとマルクス・テュラムを投入したディディエ・デシャン監督の采配が実ったとも見られるが、エンバぺがハーフタイム中に入れた喝もチームを蘇らせる一因となったのかもしれない。
エンバぺはドレッシングルームで、ユニフォームを脱ぎ捨てながら呆然とした表情のチームメイトたちに向けて「これ以上酷いプレーを見せるのは不可能だ!これはワールドカップのファイナルだ!」と激怒。「みんな、これはワールドカップ、一生一度の試合だ!これ以上酷いプレーをすることはできない」と声を上げ、次のように続けた。
「ピッチに戻ったら今まで通りあいつらにバカにされながらプレーするか、それともインテンシティを少し持ち込んで、デュエルに入って別の姿を見せるかだ。これはワールドカップ・ファイナルだ!僕らは2点ビハインドを追っている。カムバックできるはずだ!」
続けて控えGKのスティーブ・マトンドも、「試合を引っくり返したことがあるし、それをできる。でも別の姿勢でピッチに行かなければいけない」と発すると、デシャン監督は「怒らずに君たちに言いたい。何が違うか知っているか?相手はファッキン・ワールドカップ・ファイナルをプレーしているが、我々はそうしていない!」と怒鳴っていた。
なおドキュメンタリーでは、決勝戦までは主に29歳DFラファエル・ヴァランや36歳FWジルー、実際主将を務める35歳GKウーゴ・ロリスと経験豊富な3人がチームをけん引していたことが判明。だが、アルゼンチン戦前半の低調なプレーに堪忍袋の緒が切れた23歳エンバぺはここに来てついにピッチ外でのリーダーとしての一面を見せた。
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