明治安田生命J1リーグは23日に第9節が行われ、名古屋グランパスと湘南ベルマーレが対戦した。
直近の公式戦9試合負けなし(7勝2分け)、さらにリーグ最少失点(3)と見事な戦いを続ける名古屋。勝てば4年ぶりの単独首位に浮上するチャンスを手にした状況で、豊田スタジアムでの一戦に臨んだ。前線にはマテウス、ユンカー、永井謙佑が並んでいる。一方こちらも公式戦6試合無敗(2勝4分け)の湘南では、5ゴールを奪う町野修斗らが先発している。
序盤は中盤での攻防が続き、両チームともにシュートシーンを作れない時間が続く。名古屋は23分に右サイドを突破してクロスを送ったが、ユンカーには合わず。さらに27分、飛び出したマテウスのクロスに永井謙佑が合わせたが、シュートはGKソン・ボムグンの正面に飛んでいる。それでも、名古屋が徐々に際どいチャンスを作っていく。一方の湘南も29分、ゴール前でのパスワークから右へ展開して最後は阿部浩之が押し込んだが、オフサイドの判定でゴールは無効に。さらに31分、一瞬の隙きを突いた永井謙佑が飛び出してビッグチャンスを作るも、ここもオフサイド。30分前後から両者決定機を作り始める。
しかし湘南は39分、負傷でタリクが担架でピッチを後に。山田直輝と交代となった。すると41分、ついに試合が動く。ショートカウンターからユンカーが飛び出してゴール前で時間を作り左へ展開。入ってきたクロスに自ら飛び込んで合わせたが、ここはGKに弾かれる。それでもユンカーが粘ってボールが溢れると、最後は走り込んできた森下龍矢が押し込んだ。名古屋が大きな先制点を手にし、前半を折り返す。
リードする名古屋は後半開始早々、永井謙佑のスピードを生かして一気にチャンスを作る。そして50分、マテウスのショートCKからファーの稲垣祥が折り返し、最後は中谷進之介が頭で押し込んだ。デザインされたプレーでリードを2点に広げる。
しかし55分、湘南も反撃。左サイドから入ったクロスは弾かれたが、こぼれ球を拾ってボックス右へ展開。山田直輝が切り返しで2人をかわし、シュートを流し込んでいる。勢いに乗る湘南は58分にも決定機を作ったが、ラストパスはわずかに合わず。しかし、その直後に名古屋もマテウスがビッグチャンスを作り、62分にもDFラインの背後を取ったマテウスのクロスにユンカーが合わせてネットを揺らしたが、ここはオフサイドに。試合はオープンな展開になる。
すると75分、試合を大きく左右する出来事が発生。名古屋はマテウスのシュートが相手DFに当ってコースが変わり、ネットを揺らして追加点を奪ったかに思われた。しかし、その直前に山田直輝が名古屋のボックス内で接触して倒れたシーンがVARオンフィールドレビューの対象となり、さかのぼって判定が覆ることに。主審はPKを指示し、マテウスのゴールも無効となる。そして町野修斗が冷静にPKを沈め、湘南が同点に追いついた。
その後は両者最後まで勝ち越しを目指したが、追加点は生まれず。試合は2-2で終了した。
この結果、名古屋は公式戦10試合負けなしに。しかし1ポイントの獲得にとどまり、勝ち点18で首位のヴィッセル神戸(勝ち点19)を追い抜くチャンスを逃した。
