20221030_PO(C)Getty images

【プレビュー】J1昇格へのラストサバイバル|し烈上位争い繰り広げたJ2勢、参入POで携える武器は?

 3年ぶりに激闘必至のトーナメントが帰ってくる。

 明治安田生命J1リーグへの昇格に向けた最後の希望となるJ1参入プレーオフ。長いシーズンを戦った末に3位から6位に入ったJ2の精鋭たちと、J1を16位で終えたチームが、来季のJ1に出場できる最後のひと枠をかけてしのぎを削る。ここからの戦いは勝つか負けるか(引き分けの場合は上位チームが勝利)。互いの意地と意地がぶつかり合うビックマッチが幕を開ける。【文=林遼平】

■ロアッソ熊本 vs 大分トリニータ

20221030_Kumamoto(C)Getty images

 最後に待つJ1チームとの戦いを目指し、J2の4チームがプレーオフ1回戦を迎える中、4位のロアッソ熊本のホーム、えがお健康スタジアムではバトル・オブ・九州が行われる。対戦相手は5位の大分トリニータ。リーグ戦の時から激しい戦いを繰り広げた両者が相対する。

 3年目の指揮となる大木武監督のもとクラブ史上最高順位となる4位でシーズンを終えた熊本の強みは、なんと言ってもショートパスを中心とした攻撃的サッカーだ。近い距離感でボールを巧みに動かしながら前進していくことはもちろん、前線からの積極的なプレスやコンビネーションを駆使した崩しなど、積み上げてきた力を随所で発揮してきた。

 チーム全体がハードワークを欠かさない一体感を持ったサッカーは、今回の大分戦でも求められることになる。ボールを主体的に動かしていき、相手のプレスを外しながら敵陣に侵入していきたい。ゴールを奪うために必要なのはエース髙橋利樹の活躍。ここぞの勝負強さを発揮して勝利をもぎ取りにいく。

 一方、今季から下平隆宏監督が指揮を執る大分もボールを保持しながら攻め込むスタイルが特徴。主将でボランチの一角を務める下田北斗を軸にテンポ良くボールを動かしながら攻撃を仕掛けていく。

 気がかりなのは、シーズン中盤は圧倒的な力を見せていたものの、ラスト2試合は良いところなく敗れていること。これまでの積極性が少しばかり影を薄め、迫力ある攻撃を仕掛けられなかったことは改善する必要がある。引き分けではダメだということを考えれば、得点が必要になるため前線の奮起に期待したい。

■ファジアーノ岡山 vs モンテディオ山形

20221030_Yamagata(C)Getty images

 もう一方の試合では、惜しくも自動昇格にあと一歩届かなかった3位のファジアーノ岡山と、最終節に大逆転で6位を確保したモンテディオ山形が激突する。4月の直接対決で前代未聞の判定ミスにより再試合となったことで、今季4度目の対戦となる。次なるステージに進むのはどちらになるか注目だ。

 クラブ史上最多勝点により3位でシーズンを終えた岡山は、経験豊富な木山隆之監督のもと年間を通してさまざまなシステムを使いこなしながら勝利を積み重ねてきた。素早く敵陣に侵入し、そこから攻守に積極的な仕掛けを見せていくサッカーは、十分な戦力を抱えていることもあり対戦相手や状況によって形が変化。その上で選手たちが冷静に対応し、相手を攻略していく様は試合を重ねるごとに凄みを増していった。

 チームとしてはこの流れを自信を持って継続していくことが必須。終盤戦、敗戦が増えた中で、自分たちのペースに持っていけなかったところがある。守備の要であるヨルディ・バイスを中心に、堅実に試合を進めながら相手の隙を突いていきたい。

 対する山形は最高の形でプレーオフに進出したと言っていいだろう。最終節を迎えた時点で6位の徳島ヴォルティスと勝点差が開いていた中、ピーター・クラモフスキー監督が標榜するアタッキングフットボールで立ち上がりから相手の守備を打開。リズム良くボールを動かし、先手を奪っていたことが逆転劇につながった。

 この勢いをプレーオフに生かさないのはもったいない。順位が下であることを考えても引き分けでは上にいくことができない。シーズン中も見せたアグレッシブなサッカーで敵陣を強襲し、後半戦大活躍だったディサロ燦シルヴァーノが得点を奪うことで勝利を手繰り寄せたい。

▶【dポイントが貯まる・使える】ドコモスポーツくじでWINNER予想!今なら1口200円のクーポンをプレゼント

広告

ENJOYED THIS STORY?

Add GOAL.com as a preferred source on Google to see more of our reporting

0