■ブンデスリーガ第13節 ドルトムント 4-4 シャルケ
ドルトムント:オーバメヤン(12分)、OG(18分)、ゲッツェ(20分)、ゲレイロ(25分)
シャルケ:ブルグシュタラー(61分)、アリ(65分)、カリジューリ(86分)、ナウド(90+4分)
ブンデスリーガは25日に第13節の試合が行われ、ドルトムントとシャルケが対戦。伝統の「ルールダービー」は、4-4でドローに終わった。
151回目を迎えた、同じルール地方に本拠を置くチーム同士による「ルールダービー」。今季初の顔合わせは、ドルトムントの本拠地「シグナル・イドゥナ・パルク」で行われた。
10月に入ってからの5試合では1分4敗と未勝利のドルトムント。ライバルとの大一番で奮起をはかりたいところだが、ダービーを得意とするMF香川真司はベンチスタートに。また、前の試合で負傷交代していたGKロマン・ビュルキがこの試合に間に合わず、今季限りで引退を明言している37歳の大ベテランGKロマン・ヴァイデンフェラーがゴールマウスを守ることとなった。
一方、リーグ戦6試合負け無しで、ドルトムントに3ポイント差をつけ2位のシャルケは、前節と同じスターティングメンバーとなっている。
ドルトムントサポーターの発煙筒で煙が立ち込めるなか始まった伝統の一戦は開始1分、シャルケにいきなりチャンス。セカンドボールを奪うと、コノプリャンカがシュートを放った。これは枠を外れた。さらに、開始わずか3分でシャルケMFマッケニーがイエローカードを受けるなど、ダービーらしく激しい立ち上がりとなった。
開幕から4-3-3のシステムを使用してきたが、この試合では主将のシュメルツァーを左CBで起用する3-4-2-1で臨んだドルトムント。すると12分に先制に成功する。オーバメヤンのクロスが流れたところをプリシッチがダイレクトで折り返す。中でシャヒンはシュートしきれなかったが、こぼれ球をオーバメヤンが押し込んだ。エースの先制弾で、ドルトムントサポーターは熱狂に包まれる。
ドルトムントは、再開直後にまたもオーバメヤンが決定機を迎えるなど畳み掛ける。すると18分に追加点が生まれる。右サイドでFKを得ると、シャヒンのクロスをスタンブリがさわったボールが枠に収まり、オウンゴールでホームチームが2点をリードする。
大歓声の後押しを受けるドルトムントは、試合を決めにかかりる。20分には3点目。自陣からロングカウンターを発動すると、オーバメヤンが右サイドからクロスを上げる。このボールに、エリア内に飛び込んだのはゲッツェ。背番号10が頭でネットを揺らした。
サポーターとともに完全にシャルケを飲み込んだドルトムントは、25分に4点目。ゴール前でオーバメヤンがゲッツェとのワンツーからシュートを放つ。これは相手DFにブロックされたが、浮いたボールをゲレイロがダイレクトボレー。見事なシュートで、試合を決定づけるゴールが生まれた。
4失点を喫したシャルケは、33分に早くも2枚替え。アリとゴレツカを投入し、テデスコ監督は状況の打開を図る。しかし、決定機を作るには至らず、ドルトムントが4点を手にして前半を折り返す。
後半開始から、シャルケはカードを貰っていたケーラーを下げてナスタシッチを投入し、45分を残して交代カードを使い切った。悪夢のような前半を終え、落ち着いて後半に入ったアウェイチームは、49分にはゴレツカがフリーでヘッドを放つなど、徐々にゴールに近づいていく。
すると53分、少し距離のある位置で得たFKから、ナウドがヘディングでネットを揺らす。シャルケが1点を返したかに思われたが、ビデオ判定の結果ゴールは無効となった。
冷や汗をかいたドルトムントだが、56分にビッグチャンス。GKフェアマンにプレッシャーを掛けたオーバメヤンが、ボールを奪い切る。しかし押し込むことはできなかった。その直後にカウンターからカリジューリに決定機を許したが、ここは大ベテランGKヴァイデンフェラーが防いでいる。
後半良い入りをみせていたシャルケは、61分にようやく正真正銘の1点を返す。スタンブリが自陣からロングパスを送ると、飛び出したブルグシュタラーがそのまま頭で狙う。ループ気味のシュートがネットを揺らし、チームに希望をもたらす得点を挙げた。
息を吹き返したシャルケは65分に追加点。高い位置でボールを奪うと、左サイドでコノプリャンカがクロスを送る。待っていたアリが、トラップから落ち着いてゴールを破った。絶体絶命に追い込まれていたシャルケが、2点差まで詰め寄った。
さらにその2分後にも、ブルグシュタラーが決定機を迎えるなど、シャルケは一気に畳み掛ける。慌てたドルトムントのボス監督は、ヤルモレンコに替えてバルトラを投入。4バックにシステムを変更し、守備の安定を図る。
しかし、ドルトムントは72分に退場者を出してしまう。警告を受けていたオーバメヤンがアリにレイトチャージを仕掛け、2枚目のイエローカードで退場となった。これで与えたFKから決定機を許したが、ここはヴァイデンフェラーがスーパーセーブで凌ぐ。だが、ゲッツェが負傷し自ら交代を要求。カストロと交代する。前半は圧倒していたホームチームに暗雲が立ち込める。
諦めないシャルケは86分、ついに1点差まで詰め寄る。右サイドの連携から、カリジューリがエリア内にカットイン。2人を交わし、そのまま左足でゴールを奪った。勝負はわからなくなる。
頻発した小競り合いやビデオ判定により、アディショナルタイムは7分と長めに。するとついにシャルケに同点弾が生まれた。94分、CKにナウドが頭で競り勝ち、豪快にネットを揺らした。楽勝ムードの漂っていたドルトムントだが、最悪の展開となってしまう。
結局、試合はこのまま終了。ドルトムントは4点のリードを失い、ホームで勝ち切ることができなかった。試合後には、両チーム入り乱れての乱闘が発生するなど、後味の悪い試合となった。




