hot stadium(C)Getty Images

北中米W杯は暑さ問題が深刻か「正午から午後6時までを避けるように言う」

北中米で開催されるFIFAワールドカップ(W杯)2026では、暑さが懸念されているようだ。29日、イギリス『BBC』が伝えた。

カナダ、アメリカ、メキシコの3か国を舞台に2026年の6月から7月まで行われる2026年のW杯。具体的なキックオフの日時は発表されていないが、国際サッカー連盟(FIFA)は暑さのリスクが最も高く、室内にエアコンがない会場で午後の試合を避けるように要請されているようだ。

『BBC』はベルファストのクイーンズ大学が主導した研究を紹介。20年間の気象データを用いて、熱と湿度を組み合わせた熱中症のリスクを表す「湿球黒点温度」(WBGT)を用いて分析された、開催スタジアムが平均的な夏にどれほど暑くなるかを示したデータによれば、試合が行われる4つの都市では、WBGTが危険な閾値となる32℃に達する可能性があると分かった。

研究を率いた気候科学者のドナル・ムラン博士は、ダラス、ヒューストン、マイアミで6月と7月の80%以上が28℃を超えることなどから「ほとんどの場所では早朝か夕方遅くが最適だろう」と『BBC』に説明した。

「もしも私がFIFAにメッセージを伝えるとしたら、正午から午後6時までを避けるように言うだろう。そうすれば、猛暑のリスクは大幅に減るだろう」

2022年にカタールで開催された前回のワールドカップでは、気温が40度を超えるドーハの気候から選手とファンを守るため、6月と7月から11月と12月に大会の期間が変更されるなど、暑さ対策は重要な課題だ。

報告書によると、2026年大会では「一部のサッカー統括団体が試合の延期を勧告するレベル」の試合が行われる恐れがあるという。

ムラン博士は、マイアミとモンテレイにはエアコン付きのスタジアムがないため「最も大きなリスクをもたらす可能性がある」と警告。また報告書では、カンザスシティ、ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアでも午後の試合を避けるよう提案している。

最も暑い開催都市であるダラスとヒューストンにはエアコンがあるが、午後に試合が行われれば観客にもリスクがあるという。博士は「彼らは猛烈な暑さの中に戻ることになるので、選手や審判員だけでなく観客にも危険がある」と猛暑の中で大会が行われる可能性に警鐘を鳴らした。

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