BVB ビジネスレセプションは毎年各地で開催され、日本での実施は4回目を迎える。今回は、テーマを「プロサッカーにおけるサステナビリティ」に設定。会場となったJFAサッカー文化創造拠点「blue-ing!」には、国内外のパートナー企業、主要メディア、多分野の専門家らが集結し、サッカーを通じた社会的価値創出について多角的な議論が交わされた。
日本サッカー協会(JFA)からは、髙埜尚人・経営企画部長が登壇し、JFAが推進するサステナビリティ活動「アスパス!」を紹介。「誰一人取り残さないサッカー界」の実現に向けた取り組みを説明し、環境、人権、健康、教育、地域の5領域を重点テーマに掲げ、気候変動対策からユース育成、地域連携まで全国的に広がる活動を紹介した。
また、BVBは、独電力大手のエネルギーパートナーであるRWE社とともに、本拠地シグナル・イドゥナ・パークの屋根上に、計11,132枚・総発電容量5メガワット(MWp)超の太陽光パネルを完成させたことを発表した。この設備は「スタジアム一体型として世界最大発電量」として公式に世界記録として認定されており、年間約1,700トンのCO₂削減が可能になるという。さらに、日照の少ない時間帯でも安定供給を可能にするエネルギー貯蔵システムの整備も進めており、クラブのイベント運営やスタジアム運用における新たな国際基準を提示するものとなった。
ブンデスリーガを運営するドイツサッカーリーグ(DFL)東アジア統括のTomoi Kouchi氏、持続可能な水ソリューションを提供する世界的企業WILO AMEAのDaniel Jun氏、BVBのMarieke Philippi氏によるパネルディスカッションも実施された。DFLはサステナビリティに関する全領域で、社会的弱者支援、ダイバーシティ推進、健康支援、環境責任の強化など広範な取り組みを進めており、サッカーバリューチェーン全体で社会的価値と企業価値を高める戦略を紹介した。
また、BVBとWILO社による長年の協働事例も取り上げられた。安全な水へのアクセス向上、資源効率化、気候変動に強い地域づくり、スポーツを通じた教育支援など、欧州・中東・アジアで広がる共同プロジェクトが紹介され、目的を共有するパートナーシップが測定可能な社会的インパクトを生むモデルケースとして注目を集めた。
イベントにはBVBレジェンドの元韓国代表MFのパク・チュホ氏も来場、参加者と交流を深めた。
今回のレセプションでの内容は、クラブが打ち出すサステナビリティ戦略が新たな段階に入ったことを象徴する取り組みとなった。このプレゼンテーションにより、BVBは国際連携を強化しながら、スポーツの力で社会と地球にポジティブな変化をもたらす未来を目指す姿勢を改めて示した形になる。同クラブは今後も、国内外のパートナーと協力し、持続可能なサッカーの実現に向けた取り組みを加速していく方針だ。


