ロサンゼルス・ギャラクシーのDF山根視来が、羽田空港で取材に応じた。
2024年に川崎フロンターレからメジャーリーグ・サッカー(MLS)のロサンゼルス・ギャラクシーに完全移籍し、初の海外挑戦を決断した31歳の山根。1年目から公式戦41試合に出場し、ウェスタン・カンファレンス2位入りで年間王者を決めるMLSカップへの出場に貢献すると、チームは10年ぶり6度目の全米制覇に輝いた。
そんな山根はオフシーズンの間は日本に帰国。しかし、オフシーズンの生活について問われると、インフルエンザを発症したことを明かした。その結果、12月14日に開催された川崎F時代の先輩である中村憲剛氏の引退試合に参加できず。「みんなに会いたかったな」と吐露するも、それでも「あとは比較的会いたい人にも会えたし。 家族ともいろいろ行きましたし。憲剛さんのやつぐらいですかね。見たかったなっていう」と休息期間を振り返った。
来年2026年には北中米ワールドカップ(W杯)が開催される。日本代表はアジア最終予選で現在、5勝1分けと無敗。2位のオーストラリア代表に勝ち点差9をつけており、すでに本大会への出場に王手。来年3月にホームで行われる第7節でバーレーン代表に勝利すれば、8大会連続となるW杯出場が決定する状況だ。
そして、本大会への出場となれば、重要なのがベースキャンプ地の選定。アメリカで1年間戦った山根はベースキャンプ地に適した場所について問われると、「麻也くんもテレビかなんかで言ってましたよね。でも、そういう話もするので、やっぱりいろんな大会の失敗とか成功を踏まえた上でっていう。 あの人ももう(W杯に)3回行ってるし、(ブラジル大会での失敗も)聞きました。W杯は厳しいコンディションの中でやらなきゃいけないので、真ん中らへんにいるのが1番良いんじゃないかなと思います」と回答した。
「真ん中からだったらどっちも多分2時間半ぐらいで行けるので。端にしてしまうと、移動に5時間かかって時差も3時間あったりするので。(気候も)真ん中が一番きついので、その中でやった方が。ブラジルは(ベースキャンプは)良い場所から(試合会場は)熱い場所に行って結構しんどかったと聞いたので」
初の海外でのプレーを経験した山根はMLSで「いろんな人種がいて、いろいろなサッカー観があるというのは理解できるようになった」と語る。「よく言う。本当、試合で結果を残すために練習は、悪い言い方するとちょっとぐだる時もあるし、僕は日本人なのでそういうのはすごく嫌いなんですけど、そこを求めたところで仕方がない。でも彼らは試合で結果を残すしっていうところの中で、どっちが大事なんだろうっていう」と海外の選手たちとの違いについて触れた。
「日本人はあんまりそうやってしまうと試合で力出せない民族なのかなって、なんとなく思うんですよね。もう彼らはそれでも試合になるとテンションぶち上げて、すごい熱量でプレーしてるんで、もうそれは1つの形だと思います。それを受け入れるみたいなことはできるようになったかなと思います」
また、川崎F時代からの変化も口に。「フロンターレである程度、自分のキャリアを築いて、信頼のおけるチームメイトがいて、『こうなったらこうでしょ』っていう固定概念とか、ピッチの外でも当たり前のように自分がプレーに集中しやすいような環境を作ってくれる人たちがいたりとかっていうのに頼っているというか、 これがなくなった時にどうなるんだろうっていうのは常にやっぱ思っていて。それを今ぶち壊せて、フラットな状態になって、自分の中ですごい真っ白な状態にも戻れたかなと思います。それはなんか1番嬉しいところかもしれないです。サッカーにおいても、 私生活においても、なんか先入観みたいなのはないっていうのは」と31歳になった現在も多くを吸収している様子を見せた。
その後、山根は今後についても言及。「代表に入りたいし、サッカーももっと上手くなりたい。サッカーをやっている間はそれは変わらないかなと思います」と2022年のカタールW杯以来の日本代表復帰にも意気込んだ。
(取材:林遼平、文:Ao Sato)