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17歳の新星アレクサンダー・イサクは、ドルトムントで輝くことができるのか/コラム

アレクサンダー・イサクは、冬に推定1000万ユーロ(約12億円)でスウェーデンのクラブAIKソルナからボルシア・ドルトムントへ移籍した。この17歳になったばかりのFWは、スウェーデンが生んだズラタン・イブラヒモビッチ以来の“最高の才能”だと目されているのだ。もちろんドルトムントも彼を使い捨てにするつもりはなく、貴重な才能であるがゆえに慎重に育てようとしているようだ。

ビョルン・ウェストレムは子供の頃からイサクを知っている。現在AIKソルナのスポーツディレクターである彼は、これまでにもAIKで監督、アシスタントコーチ、スカウトを務め、その間ずっとイサクをそばで見守ってきた。ウェストレムが『Goal』のインタビューに応え、イサクの可能性について語ってくれた。

■5歳でAIKソルナに

――アレクサンダー・イサクのような才能はざらに見つかるものではありませんよね。
「その通りだよ。でも、イサクのキャリアは彼が5歳の時にAIKソルナで始まったんだ。幼い頃から彼をそばで見られたことは、我々にとってとても幸運なことだね。彼がうちのクラブでサッカーを学んだことをとても誇りに思っているよ」

――現在のイサクの一番の強みは何ですか?
「自分のことを良く知っていて、決断力があるところかな。もちろんテクニックも優れているけどね」

――彼はどんなタイプの選手ですか?
「非常にダイナミックで、どんな局面でも常に解決策を見出すことのできる選手だよ。それにフィニッシュが素晴らしいね。イサクは現代的なタイプのFWだね」

――イサクを他の選手と比べるとしたら、どの選手を挙げますか?
「我々のクラブでプレーしているヘノク・ゴイトムだね。イサクの手本ともなっていたんだ」

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ビョルン・ウェストレム(右)はアレクサンダー・イサクをその手本となったヘノク・ゴイトム(左)と比較する

■知的なはにかみ屋

――イサクは非常に成熟した選手だと言われています。
「そうだね、彼はまだ若いけれど、ベテラン選手のような考え方をするんだ。非常に知的で先のことを考えることができる選手だよ」

――ピッチの外ではどうですか?
「とても社交的で、たくさんの友人を持っているんじゃないかな。でも声高に自分を主張するタイプではないね。どちらかと言うと、はにかみ屋だね」

――ユース時代も含めるとイサクはAIKソルナに12年間所属しました。ピッチの上で、それからピッチの外で、彼はどのような成長を遂げましたか?
「選手としても、そして人間としても、とても成熟したよ。どんな課題もたやすくこなしているように見えるからね。それはピッチの上でも外でも同じさ」

――あなたは彼がいつかヨーロッパのビッグクラブに移籍すると思っていましたか?
「イサクはずっと非常に大きなポテンシャルを持っていたんだ。だからいつかはビッグクラブに移籍するとは思っていたけど、こんなに早く立派な選手に成長するなんて我々の予想をはるかに超えていたよ。彼を素晴らしい選手に育て上げることができて、我々は非常に誇らしく思っているよ」

――彼が成長できる道へ進むべく、あなたは何か手助けをしたのですか?
「いろいろな交渉に携わって話をまとめ、最良の監督を選ぶことに集中したよ。契約を結ぶのは私の権限だからね。そういう面で私はイサクの成長の力になれるよう努めてきたさ。それにクラブ全体としても我々は常に彼の意見を尊重するようにしてきたよ。もちろん、それは他の選手たち全員に対しても同じことだけどね」

■ビッグクラブからのオファー

――イサクはまだ17歳という年齢にも関わらず、多くのビッグクラブから声が掛かりました。彼に何か変化はありましたか?
「いや、全くないね。彼は今でも昔から知ってるアレクサンダー・イサクのままだよ」

――いろいろなビッグクラブからオファーがあった時、あなた自身はどう思いましたか?
「ビッグクラブから興味を持たれるほどの選手を育てることができたことを誇りに思ったね」

――ビッグクラブとの話し合いはスムーズでしたか?
「どのクラブとも非常にいい話し合いができたよ。それも私の仕事の一部だからね。心配とかそういう類のことは全く感じなかったね。彼の未来のことを想うと、とても楽しい気分にさえなったさ」

――レアルマドリードとの話し合が順調に進んでいたかのように見えましたが、なぜイサクはドルトムントに行くことに決めたのですか?
「イサクは自分にとって一番賢明な選択をしただけさ。彼は自分を伸ばすのに最高の環境はドルトムントにあると思ったんだ。ドルトムントで成長を遂げた選手はたくさんいるからね」

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DFBポカールでデビューを飾ったイサク

■いつかきっとドルトムントのレギュラーになる

――あなたとしては、イサクにまだAIKソルナに残っていて欲しいという想いもあったのではないですか?
「こんなチャンスは、ひょっとしたら一生にたった一度しかやって来ないかもしれないんだ。彼が一歩を踏み出したいと思ったその気持ちを尊重したい想いのほうが強かったよ」

――ですが、彼はまだ17歳です。時期尚早であるとは思いませんでしたか?
「正直に言うと、留まるべきか移籍するべきかどちらが良かったなんて誰にも分からないだろう。ただ、イサクがドルトムントで大きな可能性を手に入れたということを私は自分のことのように喜んでいる、これだけは確かに言えることさ」

――では、ドルトムントへ行ったことは正しい決断だったと?
「判断を下すのはまだ早いよ。でもドルトムントは間違いなくイサクをより偉大な選手へと育てあげてくれるはずだ。長い時間で見据えたプランがあるんじゃないかな」

――この先、イサクはどのように成長すると見込んでいますか?
「彼はいつかドルトムントのレギュラー選手になると私は確信しているよ。彼は期待に応えることができる選手さ。彼には大きな才能が備わっているからね」

――イサクは次世代のスター候補の第5位に選ばれています。これは彼が大きく成長した証ですね。
「その結果をとても嬉しく思っているよ。彼の成長に貢献できたことは我々の誇りでもあるからね」

長年所属したAIKソルナからドルトムントへ移籍したことは、まだ若いイサクにとってほんの少しのステップに過ぎない。なぜなら、これから彼はより大きな舞台へと飛躍していくべき選手であるからだ。

取材・文=シュテファン・デューリング/Stefan Döring

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