駒井善成が語る恩師との絆…札幌移籍の理由と躍進への決意【J1注目選手:北海道コンサドーレ札幌編】

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国や地域を問わず、ある監督が仕事の場を移す際、過去に指導をしてきた選手に声をかけて新天地でも共に戦うというケースは多々ある。プロサッカーの世界では一般的な出来事と言っていいだろう。もちろん、ファン心理に立てば賛否両論があるだろうし、それもまた一般的である。好む好まざるに関わらずそうした出来事は起きるわけで、現実として受け入れる以外に方法はないのかもしれない。

やはり、結果を出さなければ解任というバッドエンドがシーズン途中でも起きるのが監督業だ。その部分で言えば選手よりもシビアな立場と言えるかもしれない。それ故、プレーの特徴やメンタリティを熟知した選手を連れて新たな職場へ移ることへのメリットや安心感は計り知れないのだろう。

今季から北海道コンサドーレ札幌の指揮官に前浦和レッズ監督のミハイロ・ペトロヴィッチ氏が就任した。そして先述のケースのように、昨年まで浦和で指導をしたMF駒井善成を期限付き移籍で獲得している。サイドから独力でドリブル突破を図れる駒井は、サイドアタックが肝となるペトロヴィッチ監督のプレースタイルを確立する上でキーマンを担えるし、選手個々に戦術を浸透させる上でもスポークスマンとしての活躍も期待できる。

ただし、である。この駒井の札幌への加入に関しては、単なる一戦力としての移籍とはニュアンスが大きく異なるように感じる。いや、ニュアンスというよりも、選手の想いの強さが間違いなく異なっている。「ミシャさん(ペトロヴィッチ監督の愛称)のためにも、札幌の力になりたい」と新たに背番号14を背負う男は気持ちを込めて言葉にする。

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■恩師との出会い、飛躍、そして別れ

駒井とペトロヴィッチ監督が出会ったのは2016年のことだった。J2やJ3の試合にも徹底して目を通す指揮官が、自らのサッカーをより醸造させるための補強としてJ2の京都から浦和に迎え入れたのだ。駒井本人は「ミシャさんは実績もなにもない自分をJ2から浦和というビッグクラブに引き上げてくれた。無名な僕とも、日本代表クラスの選手たちとまったく変わらず接してくれた。監督としてもそうだし、人間としても魅力を感じた」と振り返る。

京都時代の駒井はドリブラーとしての能力を発揮していたが、得点を量産していたわけではなく、失礼な表現になるかもしれないが“玄人好み”のアタッカーだった。それが浦和というアジア屈指のクラブに戦いの場を移し、埼玉スタジアムの大観衆の前で躍動をしてその名を広く知らしめるようになった。

必ずしも常にスタートリストに名を連ね続けていたわけではないが、攻撃のギアを上げたいようなタイミングで、ペトロヴィッチ監督はいつも駒井をアウトサイドのポジションに送り出していた。安易な表現かもしれないが、まさに“ミシャチルドレン”として、真っ赤なサポーターを幾度となく沸かせてきたのだ。

しかしながら、そうした日々にもひとまずのフィナーレが訪れる。昨年7月末、思うように白星を重ねることができず、ペトロヴィッチ監督が契約解除で浦和を離れることとなってしまったのだ。ビッグクラブへ引き上げられた駒井だったが、ビッグクラブだからこその厳しくシビアな別れだったとも言えるのかもしれない。

残念ながらペトロヴィッチ監督が浦和を去って新体制となって以降、駒井の出場機会は減少していく。だが、そこでも支えとなったのはペトロヴィッチ監督だった。「僕の状況を気にしてくれて、人づてにメッセージをくれたんです。その気持ちが本当に嬉しかった」と感謝を口にする。

そして昨年秋、ペトロヴィッチ監督が札幌からのオファーを受諾すると、ほどなくして駒井に声がかかった。もちろん浦和というクラブに対しても大きな感謝の気持ちはあるが、その道筋を作ってくれた指揮官への気持ちも変わらずに強いままだった。「ミシャさんの気持ちをより一層強く感じた」と、迷うことなく北の大地へ足を進めた。

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■「ミシャさんのため」は「札幌のため」

駒井はここまでプロとして18得点を挙げているが、意外にもペトロヴィッチ監督のもとでプレーしている期間にゴールを奪うことはできていない。「一生懸命に力を尽くしたい」と意気込む札幌では、なんとか恩師のためのシュートを叩き込みたいところだろう。

プロサッカーの世界では、もちろん高い技術力やフィジカルが要求されるが、それらをしっかりと発揮するにはやはりモチベーションがなければ果たせない。今季のそれを駒井は「ミシャさんのために」と強く発している。そして、ペトロヴィッチ監督が「札幌のために全力を尽くす」と熱く語っているとあって、駒井自身も「ミシャさんのために力を尽くすということは、札幌のために力を尽くすということ」と力強く同調する。

“恩師”であるペトロヴィッチ監督は今季の目標として「札幌というチーム、クラブを昨季よりも前進させること」と口にする。それをサポートするかのように、きっと駒井も推進力のあるドリブルでボールを前進させ、ゴールを狙い続けることで札幌の前進に一役も二役も買うことだろう。

文=斉藤宏則

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