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首位・FC東京の原動力。橋本拳人は“なにくそ根性”でベネズエラ戦の屈辱をパワーに変える

 明治安田生命J1リーグ第31節終了時点で首位を走っているFC東京だが、横浜F・マリノスとの勝ち点差は「1」、鹿島アントラーズとの勝ち点差は「3」と、まだまだ優勝争いは熾烈だ。アウェイ8連戦のラスト3試合を3連勝で切り抜け、良い流れのなかチームは23日の第32節・湘南ベルマーレ戦で味の素スタジアムに帰って来る。

■飛躍する橋本拳人が原動力に

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 シーズン残り3節の今、FC東京はクラブ初の優勝争いを繰り広げている。シーズンを通じて上位にいる原動力のひとつは、まぎれもなくMF橋本拳人の飛躍だろう。今年3月に日本代表に初選出されると、デビュー戦となったボリビア代表戦で印象的なパフォーマンスを残す。その試合は、MF南野拓実やMF柴崎岳らをベンチに置く戦力発掘の色合いが強いものだったが、9月に行われたキリンチャレンジカップ・パラグアイ代表戦で初めて主力組に割って入り、MF柴崎岳の横で堂々としたプレーを披露した。

 所属チームで積み重ねた結果が代表につながり、代表での成長がまたチームに還元される。パラグアイ戦で得た収穫について、当人はこう語っている。

「(吉田)麻也さんや(長友)佑都くんは常に声をかけてくれますし、その指示の質もすごく高く、本当に的確に指示をしてくれる。タイミングや内容も今まであまり聞いたことがないような指示をたくさんしてもらい、すごく成長できていると思います」

 海外組のベテランから受けた刺激は、戦術理解の面で、そしてプレー面でも影響を与えている。

「相手をつかみに行くタイミング、僕が見えていないところを的確に素早く指示してくれます。早めにポジションを取ることで相手からボールを奪えるシーンも何度かあった」

 実際に、FC東京の試合では、予測して動くことで幾度も相手のカウンターの出どころをつぶす橋本の姿が目立つ。これまでも守備面に長所のあった選手だが、昨季と比較するとその強度やスピードはギアが数段階上がったかのように高まっている。同時に、相手に寄せられても慌てない落ち着きと、縦に展開するパスの精度も向上した。素早いボール奪取から繰り出されるFW永井謙佑やFWディエゴ・オリヴェイラへのパス供給は、FC東京が携える強力な武器だ。

■ベネズエラ戦、「不甲斐ない」試合

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 今季ここまで着実に歩を進めてきた橋本だが、19日にパナソニックスタジアム吹田で行われたキリンチャレンジカップ・ベネズエラ戦は違った。日本代表は1-4と大敗。監督、選手、全員が肩を落とし、多くの批判にさらされた。先発出場した橋本にとっては特に悪夢のような展開だったことだろう。

 4-4-2を採用してスタートさせた前半、これまでの主力とは異なる選手が多く起用されたせいか、連係面はチグハグに。最前線に並べられたFW鈴木武蔵とFW浅野拓磨もプレスを開始するタイミングを決めかねているように見て取れ、そこに連動して中盤やディフェンスラインをコンパクトに保つことも困難だった。出足の速い守備を得意とする橋本だが、チェックに行く位置は定まらない。ボールを奪取できたとしても、味方の位置取りはセットされておらず、パスの出しどころを探しているうちに相手に囲まれてしまう。そして、瞬く間の4失点。

 慣れ親しんだ4-2-3-1に変更してやや落ち着きを取り戻した後半、橋本は65分にMF山口蛍と交代した。すると、その山口が攻守に強度を高め、一矢報いる得点まで挙げた。

 FC東京が良い流れで戦いを続け、優勝争いの最終局面に突入するタイミングで最悪の試合を経験してしまった橋本。試合後には「前半、本当に不甲斐ないゲームだった」と悔しさを露わにしている。

 ともすれば、自信を失いかねない一戦だった。だが、下を向いている時間はない。試合の翌日、橋本は自身のインスタグラムにこうメッセージを投稿した。

「不甲斐ない。悔しい。力不足。この思いはピッチで晴らす!!」

 試合後のミックスゾーンに続き、「不甲斐ない」という言葉をここでも使った。自身の実力が足りなかったことは分かっている。しかし、それにとらわれている場合ではない。悔しい思いを忘れるわけではなく、“なにくそ根性”をエネルギーにする。

 ピッチで味わった屈辱はピッチで晴らす。代表活動に初めて参加し、好パフォーマンスを見せるも屈辱を味わった今シーズン。激動のなかで描く成長曲線をさらに伸ばすためのチャンスは、目の前にある。リーグ戦ラスト3試合、まずは9試合ぶりの味スタで。橋本拳人は優勝を懸けて戦い続ける。

◎FC東京残り3節の日程
11月23日(土)第32節:vs 湘南(味スタ)
11月30日(土)第33節:vs 浦和(味スタ)
12月7日(土)第34節:vs 横浜FM(日産ス)

文=上村迪助(Goal編集部)

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