U-22日本代表は28日、トランスコスモススタジアム長崎でキリンチャレンジカップ・U-22ジャマイカ戦に臨む。いわば東京五輪世代の第2集団と言えるこの長崎組は強化の中でどう位置付けられているのか?【文=川端暁彦】
■べストオーダーを組めないのならば
29人——。
この数字が端的に示す事実がある。森保一監督は2019年の日本代表の活動に合計78人の選手を招集しているが、そのうちの29人は1997年1月1日以降に生まれた選手だった。つまり、東京五輪世代の選手が約3分の1以上を占めていることになる。
今年6月のコパ・アメリカ、そして先日のEAFF(東アジアサッカー連盟)E-1選手権はいずれも過半数を五輪世代が占める編成で臨んでおり、「A代表に引き上げながら五輪世代を鍛える」という方向性が明確だ。
これはA代表と五輪代表を兼任する監督ならではの方策であると同時に、海外組が殆どを占めるようになったA代表において、大会に向けてベストオーダーを組むことが難しくなってきているための対応策という一面もある。メンバーが揃わないのであれば、五輪世代を鍛えるためにその場を使うという方向性である。
これは「鍛える」ということと同時に「試す」という意味もある。五輪本番で当たるのが「A代表レベルの相手」と想定している森保監督にしてみれば、コパ・アメリカやE-1選手権などの真剣勝負の場において「A代表」相手に個々の選手がどこまでできるのかを見られる意味は大きい。彼らがクオリティを見せ付けてA代表へそのまま定着してくれればそれでもいいし、逆に課題を痛感してくれるならそれもまた良しなのだ。
今回の五輪世代を取材しながら興味深く感じるのはまさにこの部分で、五輪代表チームに選ばれた選手たちがまるで満足感や安心感を見せないことだ。五輪世代の選手たちがA代表へとしていく中で、五輪代表に選ばれることはむしろ「とどまっている」ような感覚を残している。
従来型の「五輪代表に定着したい」と願う選手よりも、「五輪代表にとどまってしまっている」という思いが勝っているわけだ。これは兼任監督のメリットを活かし、A代表と五輪代表のシームレスな強化に努めてきた一つの成果だろう。このチームの若武者たちはお腹いっぱいになることなく、飢えさせられている。
A代表と五輪代表の日程が重なってしまうため、五輪代表の強化がおろそかになるのではないか。そんな声もあるのだが、そもそも森保監督にしても日本サッカー協会にしても、「五輪代表の強化」を単独で分けて考えていないことは明らか。それは29人という数字が示す通りだ。コパ・アメリカでもそうだったが、「A代表レベル」を突き付けられた若い選手たちの中には、ちょっと面白いくらいにマインドが変化する者も出てくる。それは五輪への伸びしろとなると同時に、五輪以降への投資にもなっているのは間違いない。
■欧州組とて当確ではない

言ってみれば、A代表のサテライトチームとしてU-22代表を運用している形であり、「A代表」が東京五輪に出るという言い方もできる。実際に指揮官もそうした発言を過去にしているが、来年7月までにA代表へ入っていないような選手たちが東京五輪に出る可能性は薄いのだ。何しろ、五輪の枠は18人。オーバーエイジの3人を入れて考えると、五輪世代の枠は15人。そしてA代表に呼ばれている選手たちはすでに29人いるのだ。
そう考えていくと、28日に長崎で行われるキリンチャレンジカップ、U-22ジャマイカ代表戦の位置付けも見えてくる。中山雄太、前田大然、安部裕葵のような“A代表経験者の欧州組”とて別に五輪当確ではないし、まだA代表へ食い込んだ経験のないような選手たちにとっては生き残りへ向けて危機感を持って臨む戦いとなる。
この長崎に集まったU-22代表の延長線上にそのまま東京五輪の舞台が用意されていると思っている者は一人もいまい。ここから五輪に行けるのは片手の指に入る数がいるかといったくらいというのが現実的な見込みで、選手たちもそれをよく分かっている。その上で、この場で何を見せられるか。ありがちなアピール合戦を求める監督でないので、チームが勝つために何を出せるかどうか。
この長崎の地で個々人が抱くのは従来型の「俺を五輪代表に選べ」ではなく、「早く俺をA代表へ引き上げろ」ということ。結果的に、それは東京五輪への道ともなる。
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