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FIFA U-17ワールドカップ

「集大成」見せファイナリストを目指すU-17日本代表、決勝Tで対戦するチームと可能性は?

12:05 JST 2017/10/17
2017-10-17-u17japan-Takefusa Kubo
U-17日本代表FW久保建英は決勝トーナメントに向けて「集大成」という言葉を口にした。グループステージ突破という最低限の目標を達成したものの、狙うのはあくまでも「ファイナリスト」だ。対戦する可能性のあるチームを紹介しつつ、今後を見てみよう。

第1戦はホンジュラスに6-1の大勝、第2戦はフランスにスコア以上の内容差で1点差負け、第3戦はニューカレドニアに控え組中心のオーダーで引き分け。FIFA U-17ワールドカップに臨んでいるU-17日本代表は、1勝1分け1敗の成績でグループステージを突破した。最低限のノルマに掲げていたラインを越えられたという安堵感も多少ある一方で、やはり強かったのは試合内容、特にホンジュラスとの初戦を除いた2試合への不満である。

その要因は攻守両面の要所で顔を出した消極性や、ミスを引きずってしまうようなプレー、さらに試合中の戦術的修正がうまくできなかったことなど多岐にわたったが、総じて言えば「今までやってきたことをできたかどうか」という一点に尽きる。要所で強気になれることがこのチームの良さだったし、ミスした張本人が取り返しにいけるメンタリティもあった。試合中に戦い方を柔軟に変えられることもチームとしてずっと取り組んできたものだ。FW久保建英(FC東京U-18)が語った決勝トーナメントへの思いは、彼らの総意に近いモノだろう。

「自分たちはこういう相手とやるために今までやってきたつもりなので、今日まで試してきたことを、自分たちの集大成ではないですけど、今までやってきたものを出せるようにしたい」

良くも悪くも「負けられない戦い」という意識が先行していたグループステージから、言ってみれば「当たって砕けろ」と思える決勝トーナメントの戦いに切り替わる。ここからが本番であるし、元よりグループステージを通過点として準備してきたチームでもある。言ってみれば、「ここから本気出す」というやつである。

この手の国際大会で、グループステージの内容が悪かったチームがトーナメントで躍進する、あるいはその逆になるパターンは珍しくない。実際、ラウンド16の初日となった16日の試合では、グループを3位通過したアメリカがグループ全勝突破のパラグアイに5-0の圧勝を収めて準々決勝進出を決めた。日本の相手はグループステージを全勝で抜けてきた欧州の伝統国イングランドであるが、彼らの機運が上昇したままかどうかは別の話だ。

トーナメントの全体観も見ておこう。取らぬ狸の皮算用だが、もしもイングランドに勝った場合、日本の相手は先ほど話に出てきたアメリカだ。「黄金世代」とも言われているこのチームは、U-20のエースストライカーでもあったジョシュア・サージェントがキャプテンを務める。ブレーメンへの加入も決まっているこの17歳に加え、ラウンド16ではここまで眠れる獅子だった10番のティム・ウェアも3得点と爆発。かつてACミランのエースとしてバロンドールも獲得した“リベリアの怪人”ジョージ・ウェア氏の息子が、アメリカでその才能を開花させつつあることにも要注目だ。日本のこの世代とは過去何度も対戦しているので互いの手の内は分かり合っているが、8月に行われた直近の対戦では日本が4-0と勝利しており、心理面ではアドバンテージもあるかもしれない。

その後、準決勝で待っているのは、ラウンド16でコロンビアに圧勝したドイツか、大会直前にレアル・マドリー移籍内定のエースFWヴィニシウス・ジュニオールを失いながらも快進撃を見せる王国・ブラジルだろう。ドイツは初戦で大敗するなどインドの環境面への適応が不安視されていたが、しっかり立て直してきたようだ。

そして決勝で待つ相手は、ネームバリューから言えばフランスとスペインの勝者になりそうだが、個人的な感触ではマリかガーナを推す。もともとU-17世代ではアフリカ勢が好成績を残してきた歴史があり、実際に今回のマリとガーナは非常に強力なチームに仕上がっている。各ポジションに好選手がいて穴のないマリと、“トンデモ”プレーを見せる攻撃陣を擁するガーナはどちらもファイナリストになるだけの戦力がある。またメキシコが誇る天才肌のFWライネスのタレント性は紛れもなくホンモノで、彼の調子次第で躍進もありそうだ。

いずれにしても、本当の勝負はここから。グループステージの内容で決勝トーナメントのスコアにプラスアルファが働くわけではなく、まさしくフラットな横一線でのスタートだ。変にグループステージの内容を引きずらず、前向きなマインドで戦い抜けるかどうか。チームが目標として掲げてきた「ファイナリスト」を達成するためにまず必要なのは、そうした開き直りにも近いメンタリティだろう。可能性は十分にある。どうせやるなら、世界の列強が集った夢舞台を存分に味わい、楽しみ尽くしてもらいたい。

文=川端暁彦