2019-09-27-kakitani_yoichiro

鋭さを取り戻しつつある柿谷曜一朗。20代最後の大阪ダービーに懸ける「本気」

 ダービーは特別な一戦だ。28日、明治安田生命J1リーグ第27節・セレッソ大阪vsガンバ大阪がヤンマースタジアム長居で行われる。4連勝で6位のC大阪が12位・G大阪をホームに迎える一戦。ロティーナ監督の下、目標であるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場圏を目指すC大阪。大一番ともいえるダービーを制するカギを握るのは、桜の誇りを誰よりも知る背番号8柿谷曜一朗しかいないだろう。(文=元川悦子)

■C大阪は8試合G大阪に勝てていない

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「勝ち点3は同じだが、観客と同じく特別な試合だと思っている」

 ロティーナ監督が気合を入れる通り、28日の大阪ダービーは、セレッソ大阪にとって非常に重要性の高い一戦だ。現在の順位は6位。目標であるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得を視野に入れると、3位にいる横浜F・マリノスとの勝ち点差「5」をここから少しでも詰めていかなければならない。終盤の追撃態勢を加速させる意味でも、勝利は不可欠と言っていい。

 リーグ戦での対戦成績を見ると、ここ8試合は3分5敗とG大阪に未勝利。直近の今年5月18日のアウェイ戦も、倉田秋の一撃で0-1の苦杯を喫している。「プレッシャーや懸かってくるものも特別ですが、そういう試合をモノにすればチームとしてもっと成長できるし、上にも食らいつける」と語気を強めたのは奥埜博亮だ。

 主将の清武弘嗣が負傷離脱する今、チームをけん引すべきは誰か? それは、清武の代わりにキャプテンマークを巻く柿谷曜一朗しかいないだろう。

 ロティーナ監督のポジショナルプレーという高度な戦術の下、不慣れな左サイドの仕事をどうこなすべきか苦悩しているものの、18日の天皇杯4回戦・サガン鳥栖戦では途中出場し、4月5日のJ1第6節・川崎フロンターレ戦以来の公式戦ゴールをゲット。片山瑛一のロングスローを田中亜土夢が折り返したところに滑り込むラッキーな形ではあったが、本来のゴール前の鋭さを着実に取り戻しつつあるのは確かだろう。

「ロティーナ監督の左サイドはしっかりとしたやり方があって、自分の体と頭が迷うときが正直ある。ここまでは試合中にディフェンスのことばかり考えてたところがあったけど、試合を重ねて取るべきポジションやタイミングを身に着けて、チームとして得点が増えていけば、もっと楽な戦いができると思います」と今はとにかく前向きだ。

 迎える宿敵・ガンバとの大一番。3歳からセレッソで育った生え抜きは、その重みを誰よりもよく理解している。

「ダービーっていうのはどんなときも大事。肝心なのは誰がヒーローになるかですね」

 背番号8がヒーローになれば、チームは確実に盛り上がる。その自覚は強まる一方だ。

■自分自身も良かったときがあった

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 今季のチームは得点力不足に苦しんでいる。ここまでの総得点数は「29」と下から数えたほうが早い。5点を挙げているブルーノ・メンデス、奥埜、水沼宏太の3人がチーム最高得点者で、頭抜けた点取り屋がいない。2013年にシーズン21点を挙げ、得点ランク3位を記録した柿谷にしてみれば、今季1得点という数字を含めてもどかしさを覚えているに違いない。

「アタッカーは結果が求められる。自分自身も良かったときがあった。そのときの感覚を取り戻せるように準備したい」

 試合に出られず苦しんでいた8月、柿谷はそう語っている。面白いようにゴールを重ねていたころからすでに6年の月日が経過した。この間、環境の変化やケガ、監督の起用法などさまざまな要因が重なり、コンスタントな活躍が叶わないままここまで来てしまった。

 今夏には移籍話も浮上し、その胸中は揺れ動いたという。しかし、「自分はもう1回、このクラブでしっかり出直したい」と残留を決断。ロティーナサッカーの理解を深め、フィジカルコンディションを上げ、得点感覚を研ぎ澄ますべく、努力を続けてきた。

 来年1月には30歳の大台を迎えるため、焦燥感にかられることもあるだろう。しかしながら、今季のJ1では、33歳の興梠慎三(浦和)や30歳の永井謙佑(FC東京)といった30代のストライカーがゴールを量産している。大久保嘉人(ジュビロ磐田)や佐藤寿人(ジェフユナイテッド千葉)といった先輩FWも、30歳を超えてから円熟味を増した。柿谷にとってもここからが本当の勝負なのかもしれない。その自覚はある。

「自分が20点以上取っていたときは、ボールがつねに自分のところに転がってきていた。全部決めていたら60点くらい取れてたんじゃないかな」と苦笑しつつも、神妙な面持ちでこう続けた。

「監督が変わればサッカーも変わる。そういう中でもコンスタントに結果を残せる興梠さんとか嘉人さん、寿人さんは本物の点取屋。ホンマ、一握りの選手だけやと思う。僕もそういう選手にちょっとでも近づけるようになりたい。そのために頑張っていきます」

 今回は20代ラストの大阪ダービーとなる。ここでゴールという結果を残せるか? 2012年3月17日以来となる9試合ぶりのダービー勝利に導くことができれば、彼自身もセレッソの流れも大きく変わる。

 そんな柿谷曜一朗のまばゆいばかりの輝きを今、多くの人々が待ち望んでいる。

文=元川悦子

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