日本代表MF遠藤航がブンデスリーガ2部シュトゥットガルトで、昨秋に大きな転機を迎えるきっかけをつくったのは、やはり元ドイツ代表FWの同僚マリオ・ゴメスだったようだ。ドイツ誌『キッカー』が伝えている。
遠藤は昨夏に買い取りオプション付きのレンタルでベルギーのシント=トロイデンからシュトゥットガルトに加入。ティム・ワルター前監督は、シーズン開幕直前の獲得やインターナショナルウィーク毎の不在などを理由に挙げ、スヴェン・ミスリンタートSD(スポーツディレクター)が主導で獲得した遠藤をなかなか起用しなかった。
しかし、同監督は昨年11月3日に行われた第12節ディナモ・ドレスデン戦の終盤にようやく遠藤を投入。3週間後の第14節カールスルーエ戦以降は公式戦全13試合でフル出場と、ウィンターブレイク中に就任したペレグリーノ・マタラッツォ新監督の下でも中心的な存在となっている。
遠藤がシュトゥットガルトで定位置を確保した主な理由は、ドレスデン戦でアディショナルタイムを含めて約5分間と限られた出場時間で決定機をつくり出し、初先発のカールスルーエとのダービーでは中盤でほとんどのデュエルや空中戦を制するなど、その実力をしっかりと示したからだろう。しかし4日発売の『キッカー』に掲載されているM・ゴメスの特集記事では、そのきっかけをつくったのが、このベテランFWだったことが改めて取り上げられている。
「ゴメスの意見には、チームメイトや責任者の誰もが耳を預ける。ティム・ワルターが求めていた前がかりでリスクを冒すプレースタイルによって結果が出なくなったとき、彼がそれまで注目されていなかったワタル・エンドウの名を挙げて、それが最終的に彼の起用につながった。日本人選手を『うちのベストプレーヤーの1人』と評価する34歳FWの声がしっかりと届いたのだ。それ以来、エンドウ抜きのチームはもはや想像すらできなくなった」
シント=トロイデンは先日、シュトゥットガルトが遠藤の買い取りオプションを行使したことを正式に発表した。以前、ロッカールームではM・ゴメスの隣の席だと明かしていた遠藤だが、そのベテランFWの高い評価と強い発言力がなければ、完全移籍には至っていなかったかもしれない。
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