決勝の悪夢から2週間――。川崎フロンターレにとっては今季残された最後のタイトルに望みをつなぐため、絶対に勝たなければいけない試合だった。
明治安田生命J1リーグ第32節が18日に行われ、川崎Fはホームでガンバ大阪と対戦。DFエウシーニョが挙げた1点を守りきり、川崎Fが公式戦4試合ぶりの勝利を収めた。
川崎Fは4日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ決勝で、クラブ史上初のタイトルにあと一歩と迫りながら、セレッソ大阪に0-2で敗れた。幾度となく苦汁をなめてきた川崎Fの選手たちにとって、優勝を逃した悔しさは計り知れなかった。主将のFW小林悠は「チームメイトもそうですけど、自分自身もすごく悔しさが残っていた。翌週が明けてからも、自分がキャプテンだけど、自分でも元気がないなと思いながら練習やっていたので、正直人のことに気を配る余裕がなかった。自分を切り替えるのにいっぱいいっぱいだった」と苦しい思いで過ごした2週間を振り返る。
リーグ戦でも、一試合消化の多い首位・鹿島アントラーズに勝ち点7差をつけられる厳しい状況に立たされているが、逆転優勝を目指すためには下を向いてばかりいられなかった。「みんな日に日に顔つきも変わってきましたし、(残りの試合を)勝つことでしか望みはつながらないので、そこに向けて選手全員がしっかり練習に取り組んでくれました。だからこそ今日の勝利につながった」と選手たちが気持ちを切り替え、この試合に向けて準備をした成果が勝利につながった。
ゴールこそCKから生まれたものだったが、試合内容ではG大阪を圧倒。小林も「結果はちょっとあれでしたが」と前置きしつつ、「すごくやっていてフロンターレらしいというか、強いフロンターレが見せられたんじゃないか」と自信を取り戻せたという。
リーグ戦も残すところあと2試合。逆転優勝は鹿島の結果次第と他力ではあるが、「(逆転優勝を)信じることだと思いますね。勝つこと、チームとしてやるべきことをしっかり全員がやるということだけ」と、モチベーションを高く保っている。「本当にこのメンバーでやれるのも残り日数少ないですし、1日1日大切にしながら次の試合に向けてまた準備したいと思います」。
川崎フロンターレは再びどん底から這い上がろうとしている。逆転優勝を信じて最後の最後まで突き進むことができれば、逆転優勝の可能性は見えてくるかもしれない。
