JリーグYBCルヴァンカップ決勝でクラブ初のカップ戦タイトルを獲得し、続く明治安田生命J1リーグで2連勝。川崎フロンターレはリーグ3連覇へ希望をつないだ。加速する勢いと示した“地力”、それはどこに依拠するのか? 必勝を期して臨む9日の第31節・鹿島アントラーズ戦を前に、その粘り強さをひも解く。【取材・文=飯尾篤史】
■選手層の厚さと勝負強さ

これが、3年連続タイトルを掴み獲ったチームの地力というものか。
10月26日のルヴァンカップ決勝で北海道コンサドーレ札幌を下したJリーグ王者の川崎フロンターレが勢いをそのままに、11月2日にサンフレッチェ広島を、5日に浦和レッズを叩き、リーグ戦での勝ち点を「54」まで伸ばした。
首位の鹿島アントラーズと2位のFC東京は勝ち点59、3位の横浜F・マリノスは勝ち点58。しかも、上位3チームが残り4試合なのに対し、川崎は残り3試合と、消化試合が1試合多いため、「(逆転優勝は)ほとんど厳しい状況」と小林悠も認めている。しかし、「それでも可能性がある限り、最後までやり抜きたいと思っています」と、キャプテンは力強く語った。
小林の、川崎の選手たちの、諦めない気持ちを強くさせているのは、ルヴァンカップにおける奇跡的な戴冠に他ならない。延長戦に入って退場者を出し、逆転ゴールを奪われながらも追いつき、PK戦の末にタイトルを手繰り寄せた。小林が言う。
「あの勝ち方は、自分たちだけじゃなく、夢を持った子どもたちにも、最後まで諦めないことの大切さを教えることができたゲーム。だから、リーグ戦でも諦めずにやっていきたい」
それにしても、ここに来てあらためて思うのは、川崎の選手層の厚さと勝負強さだ。
広島戦では家長昭博、車屋紳太郎、谷口彰悟が出場停止。さらに大島僚太が途中交代で、中村憲剛が負傷のためピッチから去ったあとに追いつかれながらも、しっかり勝ち切った。
浦和戦でも、相手がACL決勝を睨んでメンバーを大きく変えていたものの、中村が欠場、広島戦での勝利の立役者である登里享平と奈良竜樹を起用せず、小林、大島、阿部浩之がベンチスタートだったが、2−0の完勝を飾った。
■誰が出ても「同じ」ではない

「誰が出ても、力強くやれるようになってきたと思いますね」
そう胸を張ったのは、副キャプテンの谷口彰悟である。ただし、谷口は「誰が出ても同じサッカーができるようになってきた」とは決して口にしなかった。
むしろ、出場する選手によってサッカーが変わる。選手の個性を生かしたサッカーができるようになってきた――。そこに進化の跡がある、と谷口は説明する。
「今季はACLもあって、メンバーを入れ替えながら戦ってきて、苦しい時期もあったんですけど、ようやく一人ひとりの良さを生かせるようになってきた。これまでは、フロンターレはこうじゃなきゃいけない、フロンターレのサッカーはこうだ、っていう想いが強かったんですけど、少しずつ柔軟になってきて、こういうのもありだよね、この人のこの強さを生かそうよ、という風に柔軟に戦えるようになってきた」
さらに谷口が、チームの未来を見据えて続ける。
「一人ひとりの引き出しも増えてきているし、いろんなサッカーができるようになってきたことは、今シーズンもそうですけど、来シーズンにも繋がる強みだと思うので、チームが少しずつ変わってきている証かな、って思います」
実は3日前の広島戦のあと、登里も同じようなことを言っていた。
「今季の序盤は(レアンドロ・)ダミアンとか、新しい選手が入ってきて、これまでやってきたサッカーとのギャップから、彼らを生かすのに苦労した。でも、今は使い分けというか、縦に速いサッカーをするときもあれば、ボールを握るときもあれば、ロングボールでシンプルにダミアンを生かすときもある。一人ひとりのストロングを意識したサッカーができるようになってきたと思いますね」
川崎の次節の相手は首位の鹿島、その次は3位の横浜との対戦が控えている。「今日の僕らの勝利は上位チームにとってプレッシャーになるだろうし、直接対決も残っている。とにかく全部勝つことで希望が持てると思う」と小林は力を込めた。
3年連続タイトルをつかんだことによる自信、チームとして戦い方の幅が広がってきたことへの手応え、そして、もちろん、左膝前十字靭帯損傷の大怪我を負った“バンディエラ”に勝利を届けたいという想いを胸に、2連覇中のJ1王者が奇跡の逆転優勝に向けて、ギアを一気に上げてきた。
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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です

