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Neymar Emre Can PSG Dortmund 11032020Getty

逆境はねのけたPSG。その中心にいたのは涙のネイマールだった…

新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して、無観客で行われたチャンピオンズリーグ、ラウンド16セカンドレグのパリ・サンジェルマン(PSG)対ドルトムント戦。

ボールを蹴る音と、選手同士やベンチからの掛け声だけが響くスタジアムで、PSGは2-0と勝利を収め、合計スコア3-2で、準々決勝進出を決めた。

パス数もシュート数もドルトムントが上回り、クロスはPSGの10本に対して倍以上の24本と、一見ドルトムントはチャンスを得ていたが、その相手に対し、集中を切らさず、巧みにコントロールする我慢の試合を90分やりきってPSGが勝利をつかんだ。この試合の採点で各メディアが最高得点をつけたのは、センターバックでコンビを組んだプレスニル・キンペンベとマルキーニョスだった。

しかし、この勝負に挑むに際し、「1点を先にとれば勝てる」という精神的なアドバンテージを第1戦でもたらし、セカンドレグでも彼にしては珍しいヘディングで貴重な先制点を奪ってみせたのは、ネイマールだ。

■見せたのはPSGのために戦う“姿勢”

Neymar Emre Can PSG Dortmund 11032020Getty

2月1日のリーグ戦で肋骨を痛め、一時は第1戦への出場も危ぶまれた。約2週間のブランクを経て強行出場したが、「リズムがつかめなかった」と納得いかない面持ちだった。

そしてこの第2戦でも、開始間もなく、マッツ・フンメルスと接触してピッチに倒れた。一瞬、「また今年もケガか…」という嫌な予感が漂ったが、肩に手当を受けてプレーに戻ると、エースらしく、その20分後に先制点を決めてみせた。

夏にはバルセロナに復帰したいという意思を表し、さらに、自分がこれまでのキャリアで最も印象に残っている試合に、PSGサポーターにとって屈辱中の屈辱ともいえる、2017年の『カンプノウの悲劇』を挙げ、彼らの怒りに油を注いだ。

復帰後は気持ちを入れ替え、国内戦で得点、アシストを重ねて勝利に貢献するも、サポーターたちは「真価が試されるのはチャンピオンズリーグ。許されるのはそこで決定的な仕事をしてからだ」と厳しかった。

PSGはこれまで、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントファーストレグで敗れたあと、次ラウンドへ勝ち抜けられたことはない。しかもサポーターの声援というホームの利がない、まさに背水の陣だった。

その中での価値ある逆転勝利に、試合後ネイマールは、誰もいないスタンドの階段に腰掛けて、頭を沈めて泣いた。

試合に勝ったうれしさと、敗退していたら容赦なかったであろうサポーターからの批判を免れた安堵が混ざり合ったものだったのか。

その姿はアンチ・ネイマールの主張に傾きがちなフランスメディアにも響き、パリの地元紙である『パリジャン』紙は、「攻撃面ではそれほど良くないチョイスをする場面もあったが、なにより象徴的だったのは、彼の懸命さだ」と、ネイマールの、PSGの勝利のために挑んだ“姿勢”を賞賛した。

先制点だけでなく、前半のアディショナルタイムにフアン・ベルナトが決めた追加点にも絡み、この試合で誰よりも多くデュエルを制した。89分にはエムレ・ジャンをピッチから締め出した。彼の戦いぶりは、ビッグマッチを数多く経験した選手のそれだった。

■涙の意味

Neymar PSG Paris Saint-Germain 2019-20Getty Images

メディアはネイマールについて『パーティー好き』や『素行が悪い』、『傲然だ』などと、プレー以外の部分をことさら強調しているが、ピッチ上で与える影響を忘れてはいけない。実際彼は、技術的な面がずば抜けているだけでなく、「こいつがいればオレたちは強い」と、チームメイトたちに絶対的な信頼を与えることができる、希少な選手だ。

それに、陽気で性格もいい。その証拠に、彼はチームメイトから愛されている。夏の移籍話が破談になって残留が決まったときも、キリアン・ムバッペは「またネイマールと一緒にやれるのがうれしい」と心底喜んだ。ネイマールも、ドルトムント戦で先制点を決めたあと、一目散にベンチめがけて駆け出し、ムバッペに抱きついて喜びを分かち合った。

サポーターを激怒させた先の発言や、女の子に訴えられるような軽率な行動の数々が、分別ある28歳のものだとみれば、悪意を持つ人もいるだろう。

しかしネイマールという選手は、サッカーには桁違いに秀でているが、サッカー好きの少年のまま、年齢だけ積み重ねたような人物で、深く考えて行動するタイプではない。それでは困るといえばそれまでだが、スポーツ界に限らず、芸術家、研究者など、傑出した人はどこか奇人だったりするものだ。

それでも彼は、「286億円の重圧=チャンピオンズリーグで結果を出す」という使命は十分に理解していたから、入団以降、自分の武器であるプレーでそれを遂行できなかったことを、とても無念に思っていた。

そしてとうとうこのドルトムント戦で、その一歩を踏み出すことができた。試合後の涙は、そのことへの感慨だったように思う。

彼一人でビッグイヤーを手に入れられるほど甘くはないし、この試合だけで、サポーターが100%ネイマール礼賛に転換したわけではないだろうが、ピッチ上で違いを出せることを証明し、3年続いたPSGの「ラウンド16敗退の呪縛」を断ち切る原動力となったことは誰もが認めている。

パリジャン紙にあった「3年目にしてようやく、彼をリクルートした甲斐があったという活躍をしてみせた」という一文は、彼自身の胸にも、きっと沁みたことだろう。

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