流れるような連係から、決めるべき選手が決め、守っては確実に相手を封じる――。日本代表は5日、県立カシマサッカースタジアムでキリンチャレンジカップ2019・パラグアイ代表戦に臨み、大迫勇也、南野拓実の2得点で2-0の勝利を収めた。森保ジャパンが発足して1年。10日から始まるカタールW杯アジア2次予選を前にした今、チームはどこまで成長しているのか? スポーツライター飯尾篤史氏はこう見る。【写真=新井賢一】
■格好の“スパーリングパートナー”を前に
©Kenichi Araiほどよく激しく、ほどよく緩い――。
ワールドカップ予選に向けてリスタートを切る日本代表にとって今回のパラグアイ代表は、腕試しをするには格好の“スパーリングパートナー”だった。
ベスト8に進出したコパ・アメリカと比べれば、メンバーの実力もコンディションも劣っているが、それでも南米のチームらしく球際で激しく来てくれた。
それに応戦する形で、日本はスピーディなアタックを繰り出していく。
「今日はいい試合ができましたね。特に前半アグレッシブに戦って、距離感も良く、右も左も使いながら良いサッカーができたと思います」と振り返ったのは、長友佑都だ。
「相手も特に前半、高いインテンシティで来て、球際も強く来ていたので、良い親善試合になりました」
なかでも光ったのが前線のカルテット――大迫勇也、南野拓実、中島翔哉、堂安律の流れるように鮮やかなコンビネーションだ。
相手のアンカーはマンマーク気味でトップ下の南野に付いてきたが、それを逆手に取るように、アンカーの両脇のスペース、いわゆるハーフスペースに中島と堂安が潜り込んでボールを収め、コンビネーションを発動させた。堂安が明かす。
「拓実くんが受けるより、拓実くんには待ってもらって、僕と翔哉くんが受けたほうが効率はいいと思った。拓実くんとは試合中、そういう話をしました」
相手の右サイドバックも中島を追いかけて中央に絞るから、日本の左サイドの前にはスペースがぽっかりと空いていた。そこを長友が何度もオーバーラップして突いた。
日本の先制点も左サイドを攻略したもの。橋本拳人→中島→堂安→長友と繋いで左サイドを破り、長友のクロスから大迫勇也が左足でゲット。
2点目は、中央に進入した中島が右サイドに展開し、酒井宏樹のダイレクトクロスに南野が右足で合わせた。これまでの中島なら迷わず右足でミドルを狙うような場面。これには長友も「経験が付いてきて、貪欲にエゴを出す部分と、チームのためにやる部分と、うまくバランスが取れてきたんじゃないか」と称えた。
■守備でも効いていた中盤4人の距離感
©Goal興味深かったのは、攻撃における距離感が守備でも利いていたことだ。
絞り気味でプレーする中島と堂安の両サイドハーフが、ボールが相手にわたると、そのまま守備ブロックに加わるので、中盤4人の距離が近いのだ。
中盤のラインでしっかり防波堤を築けるかどうかは、4−4−2でブロックを築いて守る際のひとつのキモ。4人で張る中盤の網の目が緩く、何度も縦パスを通されて劣勢に回ったのが、アジアカップ決勝のカタール戦だった。
前半、柴崎岳と橋本の2ボランチが相手の縦パスを何度もインターセプトできたのは、中盤4人(中島、柴崎、橋本、堂安)がキュッと絞ってラインを形成していたことと無関係ではないだろう。
「一個前で引っ掛けてくれたり、潰してくれると、後ろとしては楽。そこはコミュニケーションを取りながらできた」とセンターバックの冨安健洋は語ったが、こうしたところにも、成長の跡は見えた。
後半に入ると、互いにメンバーを代えたこともあり、ミスの目立つオープンな展開になったが、それでも久保建英を右サイドハーフで、冨安を右サイドバックで起用するなど、いくつかのオプションを試した。全体的に、有意義なテストマッチになったのは間違いない。
■ミャンマーは引いて来る可能性も

ただし、あくまでも先を見据えたチーム作りにおいて有意義だっただけで、5日後のカタール・ワールドカップ・アジア2次予選初戦のミャンマー戦の勝利を保証するものでは、まったくない。
「ワールドカップ予選はまったく違いますからね。パラグアイは出てきてくれて、裏にスペースがあったので、そこを突けた。ミャンマーはそうはいかない。引いて守ってくるので、サッカーがまったく違う。今日うまくいったからと言って一喜一憂していたら、足下をすくわれかねない」
これが4度目のワールドカップ予選となる長友は、そう警鐘を鳴らした。実際、4年前もイラクとの親善試合に4−0と完勝したが、直後に行われたシンガポールとの予選初戦で0−0に終わる失態を演じている。
適度に食いついてくれて、そこまで日本の対策をしてきたわけではない――。つまり、パラグアイは日本が戦いやすい相手だった。逆に言えば、チーム発足から丸1年、ほぼ同じメンバーで戦ってきたのだから、これくらいやってもらわなければ困るのだ。
アウェイで戦うミャンマー戦は、パラグアイ戦のように美しく崩すのは難しいだろう。もしかしたら攻めあぐね、0−0が続く嫌な流れになるかもしれない。だが、焦れる必要はない。どんなに泥臭くても、どんなに不細工な形でも、勝点3をもぎ取ることが重要だ。試されるのは、過密日程のなか、過酷な環境のなかで、勝利を掴み取る握力だ。
取材・文=飯尾篤史
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