日本代表を率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督が25日、来月に行われるキリンチャレンジカップのシリア戦、ロシア・ワールドカップアジア最終予選のイラク戦に向けて、日本代表メンバーを発表した。記者会見でハリルホジッチ監督が最も時間を割いて語ったのがベテランのMF今野泰幸だ。
各ポジションからGK西川周作、DF森重真人、MF清武弘嗣、FW宇佐美貴史といった長期間メンバーに名を連ねてきた選手が招集外となった中、今野は今回もメンバー入りを果たした。3月のUAE戦で負傷して以降、欠場が続いているのにも関わらずだ。
今野は現在、ボールを使ったトレーニングを行い、復帰を目指している。ハリルホジッチ監督がベテランMFに期待しているのは、アウェーで行われるイラク戦に出場することだ。指揮官は「(イラク戦に間に合うか)どうなるかはまだ言えない」と話しつつも、その直後には「間に合ってほしい」と熱を帯びながら語った。
ハリルホジッチ監督が今野に求めているのはUAE戦で見せたようなパフォーマンスだ。勝利が必要不可欠な試合で、今野は守備でハードに戦いながら、得点までマークした。本人は試合後「出来過ぎですね」と話していたが、指揮官は「守備面、攻撃面、ヘディングも強い。今野のような選手はなかなかいない」と高く評価している。
さらに会見では、代表チーム全体で今野の状態を熱心に追っていると明かされた。
「我々のスタッフも向こうに送って、クラブの方々と密に連携を取ってもらっています。もしかしたら、5月28日辺りにフレンドリーマッチがあるかもしれない。45分間か、60分間ぐらいは出てほしい。それから6月4日の試合、それができればいいかなと思います。そこが良ければしっかり合流してもらって、シリア戦でどうにかなるかなという状態だと思います」
代表の常連があっさりとメンバー外になる中、今野は自身のパフォーマンスを持って指揮官の信頼を勝ち取った。
来月に行われる2試合で起用されるかどうかはわからない。しかし、監督が今野について話す時間の長さ、熱量を感じ取れば、最終予選での起用はもちろん、本大会でピッチに立つ姿すら見えてくる。まずは6月13日、テヘランで百戦錬磨のベテランがピッチに立てるかどうか、注目されるところだ。
