2018-04-12-nishino3-japan

豪記者、ハリル解任への見解は?日本が選んだのは「愛国心」【世界の記者の目】

いまだ、波紋が広がり続けるヴァイッド・ハリルホジッチ前日本代表監督の解任劇。『Goal』ではハリルホジッチ本人の言葉や、2002年の日韓ワールドカップで日本代表を率いたフィリップ・トルシエ氏の見解を独占取材で報じてきた。

また、各国の『Goal』編集部にも質問を送付して世界のサッカー界でどのように受け止められているのか、調査してきた。これまで、ハリルホジッチ氏が現役時代にプレーして指導者としてもキャリアを過ごしたフランス、現世界王者にしてロシアW杯優勝候補筆頭と目されるドイツなどから回答を得て、その率直な見解を報じてきた。さらに日本の“永遠のライバル”である韓国は、自国の経験を踏まえつつ、独自の見解を示してくれた。

そして今回、同じくアジアサッカー連盟所属であり、W杯アジア最終予選でもしのぎを削ったオーストラリアに回答を依頼。日本と同様に、予選突破後に監督が変わったオーストラリアの記者は、今回の電撃解任をどう見ているのだろうか。オーストラリア『Goal』編集部、キーラン・フランシス記者が答えてくれた。

■グループリーグ突破へのカギは?

最終予選で苦しみグループ3位で終えたオーストラリアは、プレーオフ経由でなんとか本大会出場を決めた。しかし、当時チームを率いていたアンジェ・ポステコグルー監督(現横浜F・マリノス指揮官)が電撃辞任。今年1月に、ファン・マルヴァイク氏を招へいするに至った。

日本と同様に、ワールドカップ予選終了後に監督が変わるという事態を直面したオーストラリア。フランシス記者は「(時期としては)理想的ではない」としながらも、監督との間に軋轢が生まれていたならば「正しい判断」ではないかという見解を示している。

「明らかに理想的ではない。しかし、選手とコーチの間に問題があったのならば、正しい判断になるのだろう。先日、私は日本の若手育成コーチであるトム・バイヤーと話す機会があった。彼は、『日本は外国人監督から離れ、日本化という愛国心を選んだ』と言っていた」

「オーストラリアも、数か月前に監督が変わったばかりだ。W杯への期待は、日本のほうが高いだろう」

そして、日本がW杯で成功するためには、「選手の経験」が重要としている。

「日本は、恐らくグループ突破が最低条件だろう。最近の親善試合の結果は良くないが、新しい指揮官が活性化させるはずだ」

「経験豊富な選手たちが、チームをリードすることが何よりも重要だ。新監督には時間がない。あまり多くを変えるべきではないと思う」

オーストラリア編集部の記者も、韓国編集部と同様に「選手の経験」がカギを握るとの見解を示してくれた。オーストラリアには、2004年の代表デビュー以来14年間に渡って母国を引っ張るFWティム・ケーヒルがいることもあり、ベテラン選手の存在の大きさを身にしみて感じているのかもしれない。

日本代表はこの後、5月30日に国内最後のテストマッチでガーナ代表と対戦。その後、ロシアの地で8日にスイス、12日にパラグアイと親善試合を行った後、いよいよW杯本大会に臨む。果たして日本代表はロシアの地で結果を残すことはできるのだろうか。

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