■主な獲得・放出まとめ
【IN】
DFマッツ・フンメルス(30歳、ドイツ)
←バイエルン、移籍金3800万ユーロ(約46億円)
DFニコ・シュルツ(26歳、ドイツ)
←ホッフェンハイム、移籍金2700万ユーロ(約33億円)
DFマテウ・モレイ(19歳、スペイン)
←バルセロナユース、フリー
MFユリアン・ブラント(23歳、ドイツ)
←レヴァークーゼン、移籍金2500万ユーロ(約31億2500万円)
MFトルガン・アザール(26歳、ベルギー)
←ボルシアMG、移籍金4000万ユーロ(約50億円)
FWパコ・アルカセル(25歳、スペイン)
←バルセロナ、移籍金2100万ユーロ(約25億円)
【OUT】
DFアブドゥ・ディアロ(23歳、フランス)
→パリ・サンジェルマン、移籍金3200万ユーロ(約39億円)
MFクリスチャン・プリシッチ(20歳、アメリカ)
→チェルシー、レンタル終了
MFセバスティアン・ローデ(28歳、ドイツ)
→フランクフルト、移籍金400万ユーロ(約4億8000万円)
FWアンドレ・シュールレ(28歳、ドイツ)
→スパルタク・モスクワ、レンタル
◆基本フォーメーション:【4-2-3-1】

【補強総合評価:90点】史上最大の補強でスカッドをグレードアップ
Getty/Goalクラブレコードを塗り替える1億2750万ユーロ(約151億6000万円)の移籍金を投じ、CBのマッツ・フンメルス、左SBのニコ・シュルツ、ウイング兼攻撃的MFのトルガン・アザール、ユリアン・ブラントを獲得。各ポジションにおけるブンデスリーガ屈指の実力者をかき集め、昨シーズン以上の強力な陣容を完成させた。他クラブとの競合の末に獲り逃したターゲットは皆無で、強化を主導したミヒャエル・ツォルクSDの仕事ぶりは称賛に値する。
過去の補強とニュアンスが大きく異なる点も【補強総合評価】が高い要因だ。退団した主軸の穴埋めに奔走したここ数年とは違い、メガクラブから引きのあるジェイドン・サンチョら中心選手を手元に留めた——チェルシーに移籍したクリスチャン・プリシッチはケガの影響もあり、昨季は確固たるレギュラーではなかった——うえで、複数の即戦力を迎え入れたのだ。実現したのはスカッドの純粋なグレードアップにほかならない。
これほどインパクトのある補強を敢行したのは、元セリエA得点王のマルシオ・アモローゾ、チェコの“巨人”ヤン・コラー、ブラジルの逸材エヴェルトンら強力アタッカーを獲得した01年夏以来か。フロントが慰留しているラファエル・ゲレイロの流出を回避できた場合は、満点評価でもいいかもしれない。質・量ともに十分な陣容に仕上がっている。
【GK・DF評価:A】最終ラインの中央に待望のリーダーが誕生 ※各評価はC~Sの4段階

頼れるスペシャリストが不在だった左SBにシュルツを補強。ドイツ代表でレギュラーの座を確保しつつあるこの26歳の後続には伸び盛りのアクラフ・ハキミが控えており、質の高いローテーションにも期待できる。パリ・サンジェルマンへの移籍でアブドゥ・ディアロが抜けたCBには百戦錬磨のフンメルスが加入。最終ラインの中央に待望のリーダーが誕生することになり、レギュラーのマヌエル・アカンジに加え、20歳のダン=アクセル・ザガドゥとレオナルド・バレルディは重圧を受けずに伸び伸びとプレーできるだろう。フンメルスの貴重な助言を受け、若手逸材が一皮剥けるようなプラス効果も発生しそうだ。
右SBとGKに関しては現状維持となりそうだ。バルセロナBから加わった19歳のマテウ・モレイは先行投資の意味合いが強く、戦力事情によってはセカンドチームで実戦経験を積ませるか。この新鋭を含め、有望株の数はバイエルン以上。層の厚さもその王者を凌駕するが、ワールドクラスがフンメルス一人しかいない事実がA評価止まりの理由だ。
【MF評価:S】2列目の充実度は王者バイエルンより
Bongarts/Getty Images人気銘柄のサンチョが残留見込みで、キャプテンのマルコ・ロイスも健在。その2列目にアザールとブラントが加わり、ルシアン・ファーヴル監督はスタメンの人選に頭を悩ませているはずだ。格下との対戦時やビハインドの状況では4人の絢爛豪華なアタッカーを1トップのすぐ後ろに並べる4-1-4-1を採用するかもしれない。この2列目の充実度はハメス・ロドリゲスの後釜を確保していないバイエルンを上回っているだろう。
2年目のアクセル・ヴィツェルが軸の守備的MFは補強なし。ただ、プレシーズンに復活の狼煙を上げたユリアン・ヴァイグルが上積みになりそうな気配を漂わせている。トーマス・ディレイニーとハイレベルな切磋琢磨で競争力を高められるか。また、今夏のU-21欧州選手権で自信をつけたマフムード・ダフードが嬉しい驚きとなる可能性もある。
【FW評価:A】P・アルカセルのバックアッパーを準備か
Gettyバイエルンとのドイツ・スーパーカップで見事なコントロールショットによる先制点を挙げたパコ・アルカセルが1番手。昨シーズンにゼロトップの役割を担ったMF登録のマリオ・ゲッツェ、テストマッチで最前線に配されたアザールが代役候補になっている。その2人同様に前線ならどこでもこなせるマキシミリアン・フィリップは余剰人員に。ヴォルフスブルク行きの噂が消え、ディナモ・モスクワが新天地候補に浮上している。
ハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOはさらなる補強を否定するが、現陣容に大型のセンターフォワードが見当たらないのは確か。移籍専門記者ジャンルカ・ディ・マルツィオ氏によれば、ここにきてチェコ代表のパトリック・シック(ローマ)がドルトムント移籍を熱望しているとも。シック級の実力者が加わるなら、おのずと評価はSになる。
【戦力総合評価:90点】8シーズンぶりのマイスターシャーレ奪還へ
Getty Images一連の大型補強はバイエルンへの「宣戦布告」に置いてほかならない。過去7シーズンに渡って、ブンデスリーガを支配しているライバルを玉座から引きずり下ろし、8シーズンぶりとなるリーグ制覇を成し遂げるのが最大目標だ。実際、ヴァツケ、ツォルク、ファーヴル、ロイスとピッチ内外のメインキャストがそれを公言している。
前述した通り、バイエルンにワールドクラスの絶対数では及ばない。ただ、ほぼ全てのポジションに2人のレギュラークラスを揃えるなど選手層の厚みでは上だろう。ロイスの欠場時に攻撃のクオリティーが低下した課題はアザールやブラントが、最終ラインの強度不足が目立った問題はフンメルスが解決への切り札になるはずだ。
最初の山場を挙げるなら、第11節のバイエルン戦か。昨シーズンに0-6という屈辱的な大敗を喫し、首位の座まで奪われることになった敵地のアリアンツ・アレーナでリベンジなるか。仮に直接対決を落としたとしても、長丁場のリーグ戦をハイレベルに戦い抜く地力、戦力は備わっている。打倒バイエルンの機は熟した。そう言えるだろう。
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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です



