2019_8_21_juventus3(C)Getty Images

【補強診断:70点】セリエ屈指の陣容も楽観視はできず…サッリ次第で苦戦も~ユヴェントス~

■主な獲得・放出

【IN】

GKジャンルイジ・ブッフォン(41歳、イタリア)
←PSG、フリー

DFクリスティアン・ロメロ(21歳、アルゼンチン)
←ジェノア、移籍金:2600万ユーロ(約32億円)※今季はレンタルでジェノア残留

DFルカ・ペッレグリーニ(20歳、イタリア)
←ローマ、移籍金:2200万ユーロ(約27億円)
※今季はレンタルでカリアリに移籍

DFメリフ・デミラル(21歳、トルコ)
←サッスオーロ、移籍金:1800万ユーロ(約22億円)

DFマタイス・デ・リフト(19歳、オランダ)
←アヤックス、移籍金:8550万ユーロ(約103億円)

DFダニーロ(28歳、ブラジル)
←マンチェスター・シティ(カンセロの取引の一部)

FWゴンサロ・イグアイン(31歳、アルゼンチン)
←チェルシー(レンタル移籍終了)

MFアーロン・ラムジー(28歳、ウェールズ)
←アーセナル、フリー

MFアドリアン・ラビオ(24歳、フランス)
←PSG、フリー

【OUT】

GKエミル・アウデロ(22歳、イタリア)
→サンプドリア、移籍金:2000万ユーロ(約24億円)

DFマルティン・カセレス(32歳、ウルグアイ)※レンタル終了
→フリー

DFアンドレア・バルザーリ(38歳、イタリア)
→引退

DFレオナルド・スピナッツォーラ(26歳、イタリア)
→ローマ、移籍金:2950万ユーロ(約36億円)

DFジョアン・カンセロ(25歳、ポルトガル)
→マンチェスター・シティ、移籍金:2800万ユーロ(33億円)+ダニーロ

FWモイゼ・ケーン(19歳、イタリア)
→エヴァートン、移籍金:3600万ユーロ(約42億円)

※移籍金は推定を含む

■基本フォーメーション:【4-3-3】

2019_8_21_juventus(C)Goal

【補強総合評価:70点】将来性十分のタレント確保も課題あり ※100点満点

世代交代が急務だった最終ラインにデ・リフト、デミラルという将来性十分のタレントを補強。中盤にはラビオ、ラムジーを移籍金ゼロで獲得と、元々セリエAでは傑出していた陣容がさらに厚みを増したことは確か。しかし、中盤の顔ぶれがピャニッチを除くと縦志向の強いフィジカルなMF揃いで、サッリ新監督のテクニカルなポゼッションサッカーに適したタイプが不足。また、C.ロナウドと連携して攻撃の中核を担うべきCFの獲得が進まず、余剰戦力の整理も停滞するなど(サッリ監督は「CL登録枠より6人も多い。整理が必要」と明言している)、強化プロジェクト全体の進捗状況は決して芳しいとは言えない。残り10日間の動き次第で90点にも50点にもなり得る流動的な状況だ。

【GK・DF評価:S】強力なCBを補強

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8550万ユーロという大金を投じ、熾烈な競合を制して獲得したアヤックスの超逸材デ・リフトはもちろんだが、サッスオーロから引き抜いたトルコ代表デミラルも、ボヌッチ、キエッリーニという偉大なペアの後継者となり得るパワフルなCB。当面はベテラン2人がレギュラーを務め、若手2人が新監督の戦術を消化しながら段階的に出場機会を増やしていくという起用法になるだろうが、いずれにしても喫緊の課題だった「世代交代問題」に解決のメドが立ったことは大きい。

右SBには、傑出した攻撃性能を備えながら守備に小さくない課題を抱えていたカンセロと交換で、より攻守のバランスがとれたダニーロが加わった。サッリ監督はプレシーズンマッチでクアドラードを右SBとして起用しており、より攻撃的なオプションとしてダニーロと使い分けることを考えているようだ。GKにはPSGを1年で去った41歳のブッフォンが「出戻り」、シュチェスニーの控えとして現役を続行することになる。

【MF評価:A】中盤の構成次第で

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サッリ新監督が掲げるポジショナルプレー志向の強いポゼッションサッカーを考えれば、中盤にはワンタッチ、ツータッチのシンプルなパスをリズム良くつないで安定したボール支配を保証できるテクニカルなMFがもうひとりほしかったところ。昨シーズン終盤に監督交代を決断する以前の段階ですでに獲得が決まっていたラムジーとラビオは、いずれもボールを持ったら周りに預けて前線に攻め上がる縦志向の強いタイプで、新監督のサッカーへの適性という点では疑問が残る。中盤の底でゲームを作る司令塔ピャニッチ、MFとしての総合的なクオリティではトップレベルのラビオは不動のレギュラーとなるだろうが、残る右インサイドハーフのポジションに誰を起用し、どのようなタスクを課すことで中盤を機能させるのか、指揮官の選択が注目されるところだ。ちなみにラムジーは、プレシーズンマッチでは中盤ではなく4-3-3の右ウイングとして起用されている。

【FW評価:A】十分なタレントをどう使うか

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移籍マーケットが残り10日を切った現時点で最も不確定要素が多いのがこの前線。攻撃の絶対的な中心であるC・ロナウドが、新監督の下でも4-3-3の左ウイングとして、サイドを起点としながら前線を自由に動いてプレーすることは確実だが、それを補完的にサポートする役割が要求されるセンターフォワードが誰になるのかは今なお不透明だ。マンジュキッチ、そしてチェルシーから出戻ったイグアインという現有戦力は、新監督の当初の構想からは外れて放出リストに挙がっている。さらにサッリが「偽9番として機能し得る」と語ったディバラも、ここまでの移籍交渉(ルカク、イカルディなど)で交換要員になるなど、CF獲得をめぐる「落としどころ」がどこになるのかは流動的だ。残るもうひとつのポジションである右ウイングは、ベルナルデスキ、ラムジー、ドグラス・コスタがポジションを争うことになるだろう。

【戦力総合評価:85点】楽観視はできず

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サッリを新監督に迎え、新たなプロジェクトを立ち上げての1年目。とはいえチームの補強自体は、監督の戦術的志向とは必ずしも一致しないところで独立して進んでいるという印象もある。ユヴェントスは元々、レアル・マドリーと同様「獲れる可能性のある一番いい選手を獲る。それを機能させるのは監督の仕事」というのが強化ポリシー。その観点から見てアッレグリは理想に近い監督だったが、首脳陣はよりスペクタクルでファンやサポーターへの訴求力が強い魅力的なサッカーを求めて監督交代に踏み切った。現在の陣容も、個々のプレーヤーの能力を単純に積み上げた戦力値ではセリエAでダントツの(ヨーロッパでもトップ10に入る)水準にある。

ただそれがチームとして組織的に機能して高いパフォーマンスを安定的に発揮するかどうかは、CFの補強が最終的にどうなるかも含めて、ここからの話だ。サッリ監督のサッカーは戦術的な約束事が多く、それがチームに浸透・定着するまでにはそれなりの時間を必要とする。それが順調に進めば今シーズンも独走優勝の可能性は十分だが、序盤戦で躓くことがあれば、思ったよりも山あり谷ありのシーズンになるかもしれない。

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

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