苦難を乗り越えて浦和レッズをアジア王者に導いたR・シルバ…12番目の選手とつかんだ劇的ゴール

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(C) Getty Images
AFCチャンピオンズリーグ決勝・第2戦で決勝ゴールを決めたラファエル・シルバ(浦和レッズ)が試合を振り返った。

「言葉にならない喜び」――。

浦和レッズをアジア王者に導いたブラジル人助っ人は、歓喜の瞬間をそう振り返る。

25日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦。リヤド(サウジアラビア)での第1戦を1-1で終えた浦和は、ホーム・埼玉スタジアムにアル・ヒラルを迎えた。勝てば2007年以来2度目のアジア制覇。スタジアムには歓喜の瞬間を見届けようと、5万7727人が詰めかけた。

しかし、浦和には一抹の不安があった。第1戦で貴重なアウェイゴールを挙げたR・シルバが、その試合で右の足首を負傷。第2戦の出場も危ぶまれていた。「(ケガは)非常にきつい痛みでした。本当に(第2戦に)出られるのかを心配していました」。

さらに第1戦終了後には、相手サポーターとみられる人物からSNSに人種差別的な投稿が相次いだ。クラブはAFC(アジアサッカー連盟)に抗議し、R・シルバ自身も「僕は自分の肌の色に誇りを持っている。そんなことで僕を傷つけることはできない」と差別に屈しない姿勢を示したが、心中は穏やかではなかったはずだ。

しかし、この状況下でR・シルバを支えてくれたのは、トレーナーを始めとするチームスタッフたち。「トレーナーさんとともに治療したおかげで、しっかりと試合に出ることができて本当に幸せだと思っています。みなさんに本当に感謝しています」と感謝の言葉を述べる。そしてもう一つ、R・シルバを後押ししてくれたのは、大声援で選手たちを迎えたサポーターの存在だった。

「(スタジアムの雰囲気は)素晴らしかったです。(入場の際に)階段を上がって、みなさんの作ってくれたモザイク(コレオグラフィ)を見た瞬間に心が暖かくなりました。本当に彼らはつねに僕らの12番目の選手だと思っています」

サポーターから背中を押されたR・シルバは、劣勢に立たされた状況でもチームのために最後まで戦った。そして、最後の最後に大仕事をやり遂げた。

0-0で迎えた88分。逃げ切ればアウェイゴール差で浦和が優勝を手にするものの、失点すれば一気に立場が逆転するという手に汗握る状況だった。相手DFが跳ね返したボールを拾った武藤雄樹が、最前線に入っていたR・シルバへ鋭いパス。巧みにDFと身体を入れ替えて最終ラインの裏へ抜け出すと、追ってきたDFのタックルをもろともせずに強烈な一撃を叩き込んだ。浦和レッズの、埼玉スタジアムの、日本中のサッカーファンが喜びを爆発させた瞬間だった。

「本当にゴールしたんですけれども、その実感がまだ湧いていません。(ゴールした直後は)無邪気に走りましたし、泣きましたし、仲間と喜びをともに分かち合いました」

第1戦に続く2試合連続ゴール。そして大会通算9得点は、チームトップタイであり、全体でもアル・ヒラルのエース、オマル・ハルビンに次ぐ2位タイという好成績で今大会を締めくくった。R・シルバの名は浦和の歴史に深く刻まれたことだろう。しかし、今シーズンはまだまだ終わらない。浦和はACLを制したことで、FIFAクラブワールドカップ2017への出場権を手にした。「自分たちのマックスの力を出しながら、日本を代表してしっかりと日本の国旗を担いで、世界に自分たちの持っているサッカーを見せていきたい」と大舞台への出場に息巻いている。

チームとともに、クラブとともに苦難を乗り越えたブラジル人MFが、再び世界の舞台で輝きを放とうとしている。

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