若き日本代表の予想を覆す快進撃。U-17W杯R16メキシコ戦のカギは?

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©Hiroyuki Sato

 ブラジルで開催中のU-17ワールドカップに参加しているU-17日本代表は2日(日本時間3日朝)、グループステージ第3戦でセネガルに1-0の勝利を収め、グループ首位で決勝トーナメント進出を決めた。大方の予想を覆す快進撃だが、決して偶然の産物ではない。来るラウンド16メキシコ戦でも大きなポイントになるその武器とは?【取材・文=川端暁彦/写真=佐藤博之】

■失点癖が弱点のチームが失点ゼロ

 欧州王者のオランダを筆頭に強国が揃い、U-17ワールドカップにおける「死のグループ」と評されたグループD。だが日本は、初戦でそのオランダを3-0と退けると、続くアメリカ戦も0-0で乗り切り、最後はセネガルに1-0と粘り勝ち。2勝1分けの好成績で1位通過を果たすこととなった。「誰も予想してなかったでしょ」。森山佳郎監督は最終戦の勝利後、そう言って会心の笑みを浮かべた。

 この突破について特筆すべきは何と言っても参加24カ国で唯一となった「失点ゼロ」という結果である。何しろ、むしろ失点癖が弱点と思われていたチームだったのだから、なおさらである。

 メンバー発表前の9月までに行った今年の国際試合で無失点だったのは9-0と大勝したアルゼンチンの2軍を相手にした試合と、実力的に落ちるボスニア・ヘルツェゴビナに3-0と圧勝した計2試合のみ。それ以外は失点し、気持ち良く勝ったような内容であっても少ないピンチで失点してしまう悪いクセがあった。「(失点)ゼロで終われていない」というのは守備の選手が決まって口にするチームの課題だった。逆に無得点に終わった試合は1度もなく、どんな相手にも点は取れるという強みは持っていた。

 ただ、個々の守備意識に関しては着実に改善の傾向があった。森山佳郎監督は昨年2月の就任当初、余りに淡白に失点を許す選手たちを見て「どこから手を付けていいのか」と愕然としたと言うが、日々の練習から粘り強く守備意識の改善を図ってきた。特にゴール前で最後に体を張るプレーにはこだわり、ミニゲームであっても厳しく指摘することを繰り返してきた。

 実際、このグループステージを振り返っても、危ないシーンがなかったわけではない。ただ、セネガル戦で顕著だったが、危険な場面でも必ず誰かがシュートブロックに入り、ゴールを許さないことは徹底されていた。「自分も守備が弱いと言われてきたけど、そうでないことを示せたと思う」とMF山内翔(ヴィッセル神戸U-18)が胸を張ったように、スキを見せず。この大会で初めてチームを観た人からすると、彼らにそんな弱点があったこと自体が驚きかもしれない。

「ちょっと前まで『体を張れない選手たち』と言われてきたけど、今ではそこがチームの一番の武器になっている」(MF成岡輝瑠=清水エスパルスユース)

 もちろん、守備陣に戦力的な上積みがあったことも見逃せない。大会直前の9月に合流となったGK鈴木彩艶(浦和レッズユース)は確かな技術に裏打ちされた無類の安定感を示してくれたし、指揮官が「ガブガブ噛みつける闘犬」と評する守備的MF田中聡(湘南ベルマーレU-18)の台頭も大きかった。

 こうしたベースアップに加え、本番となったU-17W杯では綿密なスカウティングに基づいた相手への戦術的な対応も機能。[4-4-2]のブロックディフェンスを基調にしながら、「猛烈な集中とハードワーク」と「相手の出方に応じて守る」ディフェンスが機能。「世界一速い切り替えを目指す」と指揮官が言ってきた攻から守への切り替えも、まだまだ世界一とは言いがたいが、多くの時間帯で機能していた。

■次なる相手・メキシコは大型化している

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 6日(日本時間7日午前4時30分)に始まるノックアウトステージでの戦いでも、この「一番の武器」をベースにする点は変わらない。迎える初戦の相手は北中米カリブ海の王者・メキシコだ。「今年7月の国際ユースサッカーin新潟でも対戦して敗れている」と森山監督が言うように、ホームの試合で苦杯を舐めた強敵である。

 この試合は西川潤(桐光学園高校)、若月大和(桐生第一高校)の2トップ、DF中野伸哉(サガン鳥栖U-18)、GK鈴木彩といった選手が不在で、新戦力も試したというエクスキューズはある。ただ、メキシコに言わせれば来日早々の試合でコンディションに難があったということになるだろうし、結果自体を過度に気にする必要はあるまい。

 ただ、「自分たちがボールを持っていたのになかなか点が奪えず、最後は相手が大きいFWを入れてきてやられてしまった」(成岡)という試合の流れ自体は、今回も“ありそう”なので要注意だろう。かつてメキシコと言えば小柄な選手が多く、その利を活かすサッカーは日本のお手本になるとも言われたが、現在はA代表のW杯16強の壁を突き破るために、年代別代表での大型化が著しい。今回も高さのある選手を要所に揃えており、防空戦は一つのカギになりそうだ。

 この試合をベンチから見ていた山内も「メキシコは戦い方を知っているチームで、いろいろなことができる」とゲームの流れの中で、あるいは相手の弱みを観て戦い方を変えられるスタイルに警戒を深める。ただ、「相手を見てサッカーをする」ことは森山監督も常々強調していたポイント。チームとして積み上げてきた成長を試すには格好の相手だろう。

 今回のチームは最初から16強を目標とはせず、4強以上を目指して調整してきた。「ラウンド16にチームとしてのピークを持っていく」というのが当初からの森山プラン。1位抜けを果たしたことで、中2日のメキシコに対して日本は中3日と、日程面でのアドバンテージも確保することができている。培ってきた武器を手に、日本の若きイレブンが「負ければ終わりのシビれる戦い」(森山監督)を開始する。

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

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