若き日に抱いた危機感と向上心…香川真司の飛躍を支えた強烈な意志とは

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日本サッカーの未来を担う若きプレーヤーたち。彼らの奮起を促すべく実施される「タグ・ホイヤー ヤングガン アワード」の記者会見に臨んだ香川真司は、自らの若き日をどう見ているのだろうか。

「今から考えると19歳は若いですけど、当時の自分には結果に対する強い危機感があった。若い選手に大切なのは、巡ってきたチャンスをつかめるかどうか。僕はそこで結果を出すために死に物狂いで毎日戦っていたし、結果を残さなければならないという強い意志を持っていたことを覚えています」

16歳でセレッソ大阪とプロ契約を結び、18歳でFIFA U-20ワールドカップ カナダに出場。19歳を迎えた2008年には日本代表デビューと北京オリンピック出場を果たし、21歳でドイツのボルシア・ドルトムント移籍を実現させた。一見すると極めて順風満帆に見える香川真司のサッカー人生だが、そのストーリーを支えていたのは、結果に対する強烈な危機感と圧倒的な向上心だった。

現在、日本代表で10番を背負う彼の国際Aマッチデビューは2008年5月。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いるコートジボワール代表戦が、19歳2カ月の若さで迎えた初キャップとなった。「チームの閉塞感を破るために新しい力が欲しいと思っていた」という岡田武史監督に見初められての抜てきだったが、香川自身は「19歳は世界的に見たら十分にやらなければいけない年齢。リオネル・メッシもアルゼンチン代表で活躍していたし、この年齢で(日本代表に)入っていかなければ」と強い危機感を覚えていたという。この試合では結果を出せなかったものの、同年10月に行われたキリンチャレンジカップ2008のアラブ首長国連邦戦で代表初ゴールをマーク。徐々に日本代表での存在感を強めていくことになる。

ここへ至るまでに、彼には一つの大きな分岐点があった。

それがプロ2年目の2007シーズン、所属のC大阪がJ2に戦いの舞台を移したことだ。当時の主力選手が数多く移籍し、監督交代もあって、18歳の香川は徐々に出場機会を増やしていった。しかし、プロデビューから5試合目、ボランチとして出場したサガン鳥栖とのアウェイゲームで試合終盤にバックパスを奪われて決勝点を許し、この敗戦をきっかけに都並敏史監督が解任されてしまう。結果を求めて必死に戦っていた中での痛恨のミス。だが、彼はこれを自分の力に変えていく。

「苦い思い出ですし、都並さんに申し訳ないという気持ちはあります。でも、僕には戦い続けることしかなかった。活躍しているところを都並さんに見せることが自分のやるべきことだと思ったんです」

かくして後任のレヴィー・クルピ監督から攻撃的な役割を与えられた香川はピッチで躍動。リズムに乗ったドリブル突破とテクニカルなパスを武器にJリーグを席巻し、日本代表定着から世界へと羽ばたいていった。

世界の舞台で戦う現在も、若い世代の力は強く感じている。ドルトムントでは20歳のフランス代表FWウスマン・デンベレ、19歳のドイツ代表MFユリアン・ヴァイグル、18歳のアメリカ代表MFクリスチャン・プリシッチ、さらには17歳のスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクらが台頭し、ポジション争いが激化している。香川はそんな有望株たちを「彼らの勢いや恐れを知らない精神は素晴らしい」と認める。それは彼自身にも結果を求めて必死に戦ってきた記憶があるからだ。

「日本代表も同じですけど、そういった若い選手がどんどん出てくることを願っています。でも、自分としては彼らに負けるつもりはない。これからもそういう争いの中で成長していきたい」

チャンスを得るための努力と、巡ってきた機会を手にした時の心構え――。勝負どころで結果を出すためには、日常から不断の努力と高い意識を持ち続ける必要がある。「常に上を目指してやってきた」と自分自身の若き日に思いを馳せた香川。当時の取り組みを振り返って「成長するために常に貪欲な姿勢で戦ってきたので、何の後悔もない」と言い切る。彼にとっては現在もまだまだ進化の過程。若い世代から受ける刺激を危機感に代え、日本代表の背番号10がさらなる進化を胸に誓う。

文=青山知雄

2017-06-29-tagheuer-Kagawa2

【Player Profile】
名前:香川真司
生年月日・出身地:1989年3月17日・兵庫県出身
身長・体重:175cm・63Kg
経歴:神戸NKサッカークラブ→FCみやぎバルセロナジュニアユース→FCみやぎバルセロナユース→セレッソ大阪→ボルシア・ドルトムント(GER)→マンチェスター・ユナイテッド(ENG)→ボルシア・ドルトムント

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