相手GKが明かす久保建英の最年少メモリアル弾秘話「クロスを上げるような振り足で……」

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FC東京U-23MF久保建英がJ3リーグ第5節のセレッソ大阪U-23戦で初ゴールを決め、Jリーグ最年少得点記録を「15歳10カ月11日」に更新した。メモリアル弾を決められた側であるC大阪U-23GK圍謙太朗が、ゴールの裏に隠された技術や駆け引きを明かしてくれた。

“天才”と言われる部類の選手――。

15歳10カ月11日でJリーグ史上最年少ゴールをマークしたFC東京U-23MF久保建英について、記念すべき一発を許してしまったセレッソ大阪U-23GK圍謙太朗は試合後、メモリアル弾を決めた15歳の俊英を最大級の賛辞でこう称えた。

昨シーズンまでFC東京に在籍していた圍は、練習や明治安田生命J3リーグの試合で久保とともにプレー。彼の実力と可能性をしっかり認めていた。そしてC大阪U-23のチームメイトに「(久保の)左足を切っていこう」と助言していたという。だが、チームとして警戒している中で、そして個人的には久保が持つ振り足の速さも知っている中で、豪快な一撃を許してしまう結果となってしまう。

38分、ペナルティエリア左でボールを持った久保は、MF内田宅哉へのパスを考えながらスペースを見つけてドリブル突破。3人に囲まれながら「内田くんが相手選手を引き連れてくれたので、スペースに迷わず切れ込んだ」とスピードアップして縦に仕掛ける。そして「思い切りの良さも自分の特徴なので、ニアサイドに思い切って振り抜いた」という強烈な左足シュートで圍が待ち構えるゴールを打ち破った。

圍が対戦相手の久保を冒頭のように称えた最大の理由が、この瞬間の駆け引きにあった。

「(久保が)縦に抜けた時のボールの持ち方だと、クロスを上げるかシュートを狙うか。もう一つ(ドリブルで)持ち込むこともできた。折り返すとしたら中で何が起こるか分からない速いボールを入れるか、ループ気味に逆サイドへ流すか。シュートもニアサイドとファーサイドの選択肢があると考えたんです」

久保が縦に仕掛けたところで、次のプレーを予測した圍。だが、次の瞬間、その読みを上回る強烈なシュートが彼を襲う。

「クロスを入れるような足の振りで、アウトサイドに掛けて(ボールを)ブレさせてニア上に打ってきた」

ギリギリで反応して伸ばした手は、ゴールを決めた久保の強烈なブレ球シュートに弾き飛ばされた。圍は「向こうがどう思っているかは分からないですけど」と前置きした上で、「駆け引きの部分で負けた。あそこで、あの年齢で、それをやるかって感じですね」と久保のサッカーセンスを素直に認める。

「小さい時からサッカーをやっていれば、誰にでも技術はつく。でも、(柿谷)曜一朗くんもそうだけど、天才ってマネできないんですよ。タイミングが他人と違う。曜一朗くんとはまた違ったセンスの持ち主だと思うんですけど、久保くんも天才と言われる部類の選手だと思います」

今回、久保が最年少得点記録を打ち立てた舞台はJ3。森本貴幸(東京ヴェルディ=当時)が2004年に決めた従来のリーグ戦最年少得点がJ1だったこともあって、比較対象として軽んじる向きもあるが、単にカテゴリの違いだけでは論じられない凄みが久保のゴールに込められていたのは事実。相手GK視点で見たメモリアル弾秘話が、十分にそれを物語っている。

取材・文=青山知雄

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