この夏の移籍市場締め切り直前に、堂安律はオランダの中堅クラブ、フローニンゲンからPSVへステップアップを果たした。質量ともに豊富なアタッカー陣を抱えるPSVだけに「PSVは本当に堂安を獲得する必要があるのか?」という声がオランダの中であったのは確か。オランダの有名スカウトの一人、ロブ・ヤンセンが「堂安はPSVにとって3番目の獲得候補だったと私は聞いている」という発言が物議を醸したこともあった。
さらにフローニンゲンが提示した移籍金と、PSVの希望額にかなりの開きがあったことから、一度は堂安の移籍は暗礁に乗り上げた。だが、堂安サイドの働きかけによってフローニンゲンが譲歩し、移籍がまとまったという経緯もあった。
しかし実際は、PSVはかなり堂安のことを高く評価した上で獲得している。その後、デ・テレフラーフ紙の検証記事により「PSVにとって、あくまで堂安が第一のターゲットだった」ということがハッキリしている。また、攻撃力が売りのチームだけあって、前線4枠のポジション争いはかなり激しいが、10月に入ってから堂安は公式戦全試合(オランダリーグ3試合、ヨーロッパリーグ2試合)で先発出場を果たしている。
■理想的なバランスを司る選手
(C)PROSHOTS10月4日のELで、PSVはローゼンボリ(ノルウェー)とのアウェーゲームを4-1で快勝した。堂安はドンイェル・マーレンのゴールをお膳立てするアシストを2つ記録。この試合後、全国紙『アルヘメーン・ダッハブラット』のPSV番、マールテン・ワイフェルス記者はこう筆を振るっている。
「8月終わり、PSVが堂安を補強したとき、『これだけ攻撃陣がいるのに、まだアタッカーを補強する必要があるのか?』『堂安はチームにいったい何をもたらすことができるのか?』といった批判があった。しかし、ズウォレ戦で途中出場すると活躍し(堂安は1ゴール)、その直後のローゼンボリ戦で『なぜ、PSVは堂安を獲得したいと願ったのか』という理由がわかるプレーをした。彼の素晴らしいパスは攻撃のテンポを上げるばかりか、チームのプレーを遅らせる必要がある場合は、しっかりボールをキープしてくれる。このインテリジェントな日本人は、とても爆発力があって縦にいくのに特徴を持つ他のFW陣との理想的なバランスを司る選手だ。また、彼のボールキープ力が高いおかげで、右サイドバックのデンゼル・ドゥムフリースのオーバーラップの回数が増えている」
■結果が出なければ…
(C)Getty Images第9節のVVV戦を、PSVは4-1で勝った。勝ち点は首位アヤックスと同じ23で、得失点差によってPSVは2位だった。9試合で奪ったゴールは26だから、1試合平均3点となる。スティーブン・ベルフワイン、マーレン、モハメド・イハターレン、コディ・ガクポといった強烈な個と、クレバーにプレーを進める堂安の関係性が良かった時期だった。
しかし、インターナショナルマッチウィークが明けて、オランダリーグが再開すると、PSVは第10節のユトレヒト戦を0-3、第11節のAZ戦を0-4で落とし、一気にアヤックスとの差を勝ち点6まで広げられてしまった。オランダでは、「これでPSVは、AZとの2位争いに重点を置かないといけなくなった」と見られている。
PSV自慢の攻撃陣は今、湿っている。週半ばに行われたELのLASKリンツ戦(0-0)も含めると、現在、PSVは3試合連続ノーゴールだ。PSVはユトレヒト戦で2人、AZ戦で1人の退場者を出す不運があった。また、AZ戦はベルフワイン、マレン、イハターレンが3人揃って欠場し、一気に前線の駒が薄くなってしまったという背景もあった。
PSVのやり方が相手に研究されているのは間違いない。LASKリンツはPSVのGK、4バック、中盤の底のボールハンドリングが遅いのを知ってか、激しいプレスをかけてビルドアップを潰してロングボールを蹴らしていた。それでもベルフワインがしっかり前線でボールを捌いてカウンターで仕掛けるところはさすがだが、長い距離を走らされたせいかフィニッシュの精度を欠いたばかりか、ハムストリングを痛めてしまった。この試合を終えて、堂安は「相手に分かられているような感じがする」と口にした。
AZは両サイドに人数をかけて攻め込み、PSVのサイドハーフとサイドバックの連携の悪さを突いた。PSVは後半開始からサイドハーフの2人を変え、その中に堂安が含まれていた。この試合のPSVは、前半半ばに退場者を出していたが、11人対11人の時点でAZにサイドを狙われていた。「堂安×ドゥムフリース」の右サイドのコンビは、ボールを持ったときの連携こそ良いが、守備ではマークの受け渡しなどがワンテンポほど遅れることがある。
堂安はこの3連敗中、いずれも最初の交代選手としてピッチを去っている。最近、私はベルギーで奮闘する日本代表の選手たちから「結果が出なければ、真っ先に変えられるのは日本人選手」という話を聞いたが、その現象が今、堂安に降り掛かっている。
すでにPSVは年内の上位対決を終えており、今年は6位以下のチームとの試合が続く。ここでなんとかチームとして調子を取り戻し、その勢いに堂安も乗っていきたいところだ。
▶【Goal.com×鹿島アントラーズ】誰でもDAZN(ダゾーン)が2ヶ月無料に!詳細はコチラ|11月30日まで
【関連記事】
● DAZNを使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
● DAZNが「テレビで見れない」は嘘!6つの視聴方法とは?
● DAZNの2019年用・最新取扱説明書→こちらへ ┃料金体系→こちらへ ※
● 【簡単!】DAZNの解約・退会・再加入(一時停止)の方法を解説 ※
● 【最新】Jリーグの試合日程・放送予定一覧/2019シーズン
● Jリーグの無料視聴方法|知っておくと得する4つのこと
「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です



