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【独占】メッシの“最初”を知る男が語る「プロになる前から世界最高だった」/インタビュー

FIFAが発表する男子年間最優秀選手賞を手にしたバルセロナのFWリオネル・メッシ。サッカー界を代表するスターが、『The Best』で栄冠に輝くのは意外にもこれが初めてのことだ。

今回、『Goal』ではレオ・メッシの新たな伝説を祝し、彼の“最初”を知る人物のインタビューをお届けする。その相手こそロジャー・ギリベット(リェイダ出身、1987年生まれ)だ。今から19年前、2人は同日にラ・マシアへと入寮し、インファンティルBのレギュラー選手となった。ともにシャイな性格だが、バルセロナの育成チーム史上最も優れたチームのひとつを形成した。メッシとの誇れる友情を築いたギリベットが、“史上最高の選手”と称されるこのアルゼンチン人の最初の数日についての物語を『Goal』に語ってくれた。

■“最初”の思い出

Messi AlbaceteGetty

――メッシに出会った最初の日のことを覚えていますか?

初日に出会ったよ。僕はセレクションを控えていたんだけど、メッシはもう受けた後だったね。僕が行くと他の誰よりも小柄な選手がいたのさ。こいつはどこから来たのかと思ったよ。「あそこで何をしていたんだ?」ってね。

――メッシが子供の頃、成長ホルモンの異常により「低身長症」だったのは有名な話です。

とにかく子供のようだった。僕は完全に成長していてフベニールの選手みたいな体格だったけど、メッシはその逆だったよ。その後、同い年ということにも驚いたけど、ピッチ上でボールのファーストコンタクトを見たときに衝撃を受けた。そのときに世界最高の選手になると思ったね。

――あなたにとってもバルセロナの初日でした。ラ・マシアの育成チームに入団する少年はどんなことを考えているのでしょうか?

カンプ・ノウでプレーして全員からスタンディングオベーションを浴びる。僕ら全員が考えるのはそんなことさ。現実から飛び出して自分がいたいと望むところの場面を思い浮かべる。実際、大半はそうはならない。僕はラ・マシアの高校で研究した分野の仕事をしているし、プロリーグやましてバルセロナのトップチームにまで到達できる選手となると本当に少なくなる。

――ただ、あなたの年代はタレントの宝庫で、多くの選手がトップリーグの舞台へ挑戦する機会を得ましたね。

メッシ、セスク・ファブレガス、ジェラール・ピケ、ビクトル・バスケスがトップチームに到達するのは誰の目からも明らかだったよ。その次にマルク・バリエンテがいて、それ以外の選手はプリメーラ・ディビシオンかセグンダ・ディビシオンでのプレーを目指していた。たとえばジュリオ・デ・ディオス、パウ・トーレス、ラモン・マソ、シト・リエイラ、トニ・カルボとかね。多くの選手はそのとおりになったよ。

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――ただ、メッシはその中でもトップ・オブ・トップの地位にたどり着きました。彼が現在のレベルにまで到達することに疑問を抱いたことはありますか?

それを語るのにちょうどいいエピソードがあるよ。ある日、当時よく通っていた有名な“フランクフルト・ペドラルベス(編集部注:バルセロナのホットドッグ屋)”で、ラ・マシアのディレクターのカルレス・フォルゲラとロナウジーニョについて話をしていたんだ。それで、今の世界最高の選手と史上最高の選手は誰かという議論になった。フォルゲラに「ロナウジーニョは史上最高の選手になれるかな」と聞かれたんだけど、僕は「レオが史上最高の選手になると思う」と答えたのを覚えているよ。

ついこの間ラ・マシアでフォルゲラに会う機会があったんだけど、フォルゲラも当時の会話を覚えていたよ。チームメイトはレオの進化するレベルが誰よりも優れているのがわかっていたし、実際にフベニールBからトップチームまで1年もしないうちに駆け上がっていった。メッシはすぐにプレーに適応してしまうんだ。今も時間の経過に合わせて役割を変えていっているし、だからこそ世界最高でい続けられるのさ。

■メッシを変えた出来事

Lionel Messi Barcelona GranadaGetty

――メッシはとてもシャイでしたが、ヴェネチアでの出来事からすべてが変わりました。

あれは僕らが一緒に行く初めての遠征で、あそこでメッシは殻を破ったね。僕もとてもシャイだったから、人に何かを頼むのがずっと苦手だった。僕がヴェネチアの空港で失くし物をしてしまって、代わりにチームメイトに貸してもらうように頼むのが恥ずかしかったんだ。するとメッシが僕を見て、「ギリ、落ち着いて、僕が見つけるのを手伝うよ」と言ってくれたんだ。それに驚いて、「ワオ、なんて変わりようだ」と思ったね。ずっと同じ時間を過ごしていれば親愛の感情が湧いてくるもので、メッシはプレー以外の点でもリーダーシップを発揮し始めた。

――その遠征から皆がメッシのことを“エナーノ”(小人、ちび)と呼び始めました。

はっきり覚えているよ。ラ・マシアで一緒に初めて試合に出たときから全員がそう思っていたね。段々と面と向かって口にし始めたんだけど、しっかりと呼び始めたのがその遠征のときだった。僕もメッシについて最初に頭に浮かぶ単語はそれだよ。もしすれ違ったら「エナーノ、調子はどうだい」と声を掛けてしまうかもしれない。実際は礼儀をわきまえてそうは言わないかもしれないけどね。僕らはエナーノって呼んでいたけど、親しみを込めてそう呼ばれているのをメッシはわかっていたし、気にしていなかったんじゃないかな。

――16歳の頃からあっという間にステージを駆け上がっていくメッシを間近で見ていたと思います。最後に、改めて彼への思いを教えてください。

あのときと同じことを今でも考え続けている。僕は唯一無二のフットボール選手とプレーする幸運に恵まれ、メッシのような選手を目にすることはもう二度とない、とね。ペレやディエゴ・マラドーナとの話ではいつもワールドカップを手にしていないことが引き合いに出されるけど、僕の考えは変わらない。クリスティアーノ・ロナウドには許可をもらわないといけないけど、12年間も世界最高の選手でい続けるなんて誰も成し遂げていないことさ。それに、プロ選手になる前からすでに僕が見た中で世界最高の少年だったよ。そんな選手を見ることはもう決してないさ。

インタビュー・文=イグナシ・オリバ/Ignasi Oliva Gispert

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「※」は提携サイト『 Sporting News』の提供記事です

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