60分からピッチへ現れるとキョロキョロと周りをしきりに見渡し、ボールを触ってはさばき、停滞気味だった日本代表にリズムをもたらした。そう、小林祐希の働きぶりについてだ。
小林は6日に行われたキリンチャレンジカップ・ニュージーランド戦で同点に追いつかれた直後の60分に途中出場。中盤でダブルボランチの一角としてピッチへ入ると、パスを受けてははたきを繰り返した。
手応えとしては「相手も疲れていたし、どうこう言えないですけど、最低限のことはやったんじゃないですかね」と控えめ。それでも、周囲が上手くプレーできるような環境作りに徹していたと明かす。
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「ボールを受けたがる選手が少ないと思っていたので、たくさんボール触って、リズム作って、周りが気持ち良くフリーになってくれればいいなと思ってボール触りました」
また、小林には決定的なチャンスも訪れている。85分、左サイドから乾貴士のマイナスのクロスに左足を振り抜く。惜しくもシュートはキーパーの好守に阻まれた。しかし、小林からはポジティブな言葉がこぼれる。
「でも、あそこに入っていくことが大事なので。ペナ(ルティエリア)の中にいたということはプラスに捉えたいなと思っています」
試合前のビッグマウスぶりが話題になっていた小林だが、ピッチに入れば黒子のようにチームプレーに徹した。直接的に得点に絡むことはなかったが、途中出場から状況を好転させたことには疑いない。無論、本人が語るとおり「最低限の結果」にすぎないのかもしれないが、中盤のポジション争いに名乗りを挙げたことは事実だ。