欧州王者に最も近いのはユヴェントスか…怪物メッシでさえ破れない守備陣の凄み

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CL8強の試合で、ユヴェントスとのアウェー戦を0-3で落としたバルセロナ。迎えた第2戦で、メッシは3点のビハインドから大逆転に導くため最善を尽くしたが、ユヴェントスの巨大な守備の壁を破ることはできなかった。そのユーヴェ守備陣の凄さとは?

■バルセロナを完璧に封じた守備陣

イタリアの大手メディア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、チャンピオンズリーグのラウンド8、バルセロナvsユヴェントスの一戦を、「巨人の夜になる」との見出しで報じた。この予想通り、白と黒のユニフォームをまとったユヴェントスの選手たちは、チャンピオンズリーグ準決勝に駒を進めるべく、敵地でバルセロナを相手に堂々としたパフォーマンスを見せた。

チャンピオンズリーグのラウンド16、バルセロナはホームでの第2戦で、パリ・サンジェルマン(PSG)相手に歴史的大逆転(0-4、6-1)を飾り、準々決勝への切符をつかみ取った。

しかし、彼らの驚くべき偉業は意志薄弱な相手あっての勝利でもあった。PSGに勝利した奇跡の夜、バルサの「大逆転」は人々の願いを現実にしたが、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール(MSN)の3人を擁するバルセロナでさえもユヴェントスとのラウンド8での対戦は悪夢となった。

ユヴェントスは、4月11日にホームで行われたファーストレグで容赦ない攻撃を見せ、3-0とバルセロナの守備の欠陥を露呈させた。同チームのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は「次の試合も勝ちに行く」とセカンドレグ試合前の会見でコメントし、第1戦同様に攻める構えを見せていたが、実際はバルセロナを封じ込めるための守備的戦術を用いた。そして、その選択はスコアレスで勝ち上がりを決めるという、完璧な結果となって実現した。

バルセロナはサッカー史上最も素晴らしい3トップ「MSN」を誇っているかもしれないが、ユヴェントスはこの5年間、現代では消えつつある守備の意匠を示し続けてきた。そして、この試合は間違いなくその最高傑作だったと言えるだろう。バルセロナがチャンピオンズリーグのホーム戦でスコアを奪うことができなかったのは、2013年5月のバイエルン戦以来。ユヴェントス戦まで20戦にわたってノーゴールがなかったという事実が、ユヴェントスの守備の堅実さを物語っている。

Juventus BBC Barcelona

■完成度を支える重鎮とは

特にジョルジョ・キエッリーニとレオナルド・ボヌッチは、守備陣の中心で的確な動きを見せ、バルセロナには枠内シュートを1本しか許さなかった。脅威となるはずだったバルセロナの攻撃陣はユーヴェにいとも簡単に阻まれてしまったのだ。

キエッリーニは第1戦と同様、スアレスの猛威を完全に封じ込めた。かつて、ウルグアイ代表のスアレスはブラジル・ワールドカップでイタリア代表キエッリーニのハードマークにストレスを爆発させ、試合中に噛み付くという暴挙に出たこともあったが、この試合では正々堂々挑み続けた。ただ、スアレスは一度だけキエッリーニを個人技でかわすことに成功したものの、キエッリーニはそれを予期していたかのような反応でスアレスをエリア外で倒し、難を逃れた。

ボヌッチは地味ながらも完璧なパフォーマンスを見せたと言っていいだろう。一度もミスをすることなく相手のクロスに次々と対応し、マリオ・マンジュキッチやフアン・クアドラードがアレックス・サンドロやダニエウ・アウベスをサポートするために自陣深くまで戻ったことで、時に6バックにもなったディフェンスラインを的確にコントロールした。

バルサは、ユーヴェの断固とした姿勢と統率の取れた守備を前に為す術なく、今大会で初めて前半を無得点で折り返した。イタリア王者のユヴェントスは、ファーストレグを0-3で落としたバルサの逆転への希望を完全に打ち砕いたのだ。

Luis Suarez Barcelona Juventus UCL 19042017

■いまだ最高のパフォーマンスを見せる39歳ブッフォン

前半19分にメッシの放った低弾道のシュートが枠外に飛んだ場面はバルセロナにとってネットを揺らす最大のチャンスだった。しかし、ユヴェントスの守護神GKジャンルイジ・ブッフォンは常に危なげなくゴール前に立ちはだかり、危険なシーンはほとんどなかった。

ファーストレグでは、1点をリードした状況でアンドレス・イニエスタのシュートを止め、相手に同点弾を許す状況から救ったブッフォン。第2戦カンプ・ノウでブッフォンの優れたスキルが試されることはなかった。

後半で唯一の決定機と言っていい、ブッフォンがハイボールの対応でペナルティーエリア内にボールを落とした場面でも、メッシの蹴ったボレーシュートはクロスバーを高く越えた。

ユヴェントスは今シーズンのチャンピオンズリーグ10試合でたったの2失点。この結果が優れた守備力を改めて証明しており、531分間無失点という脅威的な記録を残している。

ユヴェントスのキャプテン、ブッフォンはかつて「メッシは人間とともにサッカーをする怪物だ」と称したことがある。だが、世界トップクラスの技術を兼ね備えたメッシにとっても、ユヴェントスを、ブッフォンを破ることはできなかった。

メッシは、ブッフォンがゴールを守る試合でネットを揺らしたことはまだ一度もない。そしてこの大事な一戦でもゴールを決めることはなかった。ブッフォンと彼を囲む高い守備の壁の前では、怪物メッシでさえもただの人間なのかもしれない。

チャンピオンズリーグのラウンド8で敗れたバルセロナは、リーグ戦のクラシコでレアル・マドリーをアウェーで撃破することに成功した。この試合でメッシは2ゴールを決めて、3-2の勝利に貢献している。レアル・マドリーとユヴェントスの守備網とは一概に比較できるものではないが、今シーズンのユヴェントスの守備は、ビッグイヤーに最も近いと思わせるに十分な説得力を持っているのである。

Buffon Iniesta Juventus Barcelona Champions League 11 04 2017

文=Mark Doyle/マーク・ドイル

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