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EAFF E-1フットボールチャンピオンシップ

森保ジャパンの本質を捉えた香港戦。5発大勝の裏で大島僚太が感じた不具合

11:50 JST 2019/12/15
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 日本代表は14日、EAFF・E-1サッカー選手権2019第2節で香港代表と対戦し、5-0の大勝を収めた。中国との初戦に続いて連勝を飾った森保ジャパンだが、どこか選手たちの表情は浮かない。結果と内容で圧倒しながらも、不完全燃焼と考える理由はどこにあるのか。試合後、この疑問に応えてくれた選手がいた。【取材・文=西川結城】

■モヤモヤ感が残った第2戦

 5-0という大勝劇の裏側にある、本質。

 爽快な勝利でライバル韓国との第3戦に臨めることになったのは好材料。ハットトリックを成し遂げた小川航基や田川亨介といったFW勢が結果を出したこともちろん良かった。ただ、香港戦が手放しで喜べる試合ではなかったことは、どこか試合後に残った不完全燃焼の感覚が表している。そして取材エリアでも、選手たちの表情は皆が明るかったわけではなかった。

 このモヤモヤ感を言語化できる選手は誰か。真っ先に彼のもとに行き、話を聞いた。大島僚太。言わずと知れた、Jリーグ屈指のコンダクター。すると、彼もやはり浮かない表情で試合を振り返っていった。

 「結果的には点差がついた試合。でも相手のリズムになりかけたところもあった。理由はシステムよりも、まずは自分たちにある。前半途中でもセンターバックとボランチでしっかり声掛けできていれば防げるシーンもあった。本当、個人個人の問題。特に試合の入りはしっかりしていかないといけない」

 優しげな顔でおなじみだが、出てくる言葉は厳しく、そして的確。大島はチーム全体にも自身にも、満足はしていなかった。

 試合数日前にも、この3-4-2-1の布陣をどう使いこなすかについて、深く考えていることを伺わせた。もちろんサッカーには相手がつきもの。相対的な視点はどの試合も欠かせないが、そこと噛み合わせながらも大島はこのシステムを活用するためにどうすべきか、自分たちにしっかりフォーカスしている。

 「3-4-2-1は中央に人数が多くなる。だから僕はなるべくペナルティエリアの角のあたりをどれだけ使えるかが大事だと思っている。今日はタイミングよく展開できなかったというか、回数がそれほど多くなかった。もちろん相手が前に出てきたらその背後を使える。だけど香港も縦にマークをつくところでは圧をかけて真面目にやっていた」

 1トップを頂点に、その下には二人のシャドーストライカー。そしてさらにその後ろにはダブルボランチが構える。一方サイドに目を移すと、そこにはウイングバックが左右それぞれ一人ずついるだけ。中央寄りに5人の選手たちが立つ布陣。だからこそ、相手の脇を突くことや、動き出しでマークを外すといった、細かい動きの工夫が不可欠。それなしでは、味方を連結するパスコースは生まれない。

■「連係連動の向上」が3-4-2-1をさらに良くする

 大島はさらに続ける。ペナルティエリアの角を使う有効さ。その意図をさらに突き詰めていく。

 「システム上、やっぱり斜めのコースをどう攻めていくか。足元にしても、裏を狙うにしても。例えば、ボランチ同士でパスを繋いだ後の、シャドーの使い方。今日はもちろん背後に抜ける特長の選手だったことはあるけど、もう少しボランチからシャドーとか斜めにボールを入れて、そこからサイドに振ることができればチャンスを増やせたと思う」

 右ウイングバックに入った相馬勇紀の仕掛けは確かに際立った。あらためて彼の可能性を示した試合でもあった。一方で、それは単騎突破なことも多かった。練習時間の少ない代表チームでは、森保一監督も「選手の個を伸ばすことを試合でもチャレンジしてほしい」とつねに述べている。

 当然長い目で見れば、組織の練度も上げなければならない。「連係連動の向上」もまた、森保監督の常套句。大島の視線もよりチーム全体の出来に向く。

 「個でやれるところはもちろんいいと思います。でもこの布陣をもっと機能させるために、もう少し誰がどこのポジションに立つのか。そのバリエーションが必要だと思います。前半は相手もこちらに振り回されることもあったけど、徐々に『相手もこっちの攻めに慣れてきたな』と感じながらやっていた。

 今日の香港のようなベタ引きする相手だとまだいいけど、これがガチガチに各ポジションがマークされて前に出てこられるとどうなるか。激しくプレスを受けて、こちらは相手の背後にも蹴れずに足元に出そうとすると、そこを狙われる。韓国戦なんかはそんな展開になるかもしれない。シャドーの役割もよりMFらしくなるのか、アタッカーらしくなるのかで、チーム全体のプレーも狙いも変わってくる。そこも含めて、もう少し話していかないといけない」

 大島が感じたこの試合の不具合の一つに、仲川輝人をうまく生かせなかったことを挙げた。そして彼の生かし方を見つめ直すことが、この日ほとんど見られなかったボランチとシャドーの好連係を促進することにつながる。

 「テル(仲川)は僕と同サイドのシャドーに立っていた。もう少し、足元につけることができたと反省している。右サイドは相馬も縦のスペースを狙うタイプで、テルもそこを使いたいところもある。でもテルは中よりで受けるプレーもできるし、それをしようとしていた。テルが受けて僕に落としてくれて、そこから相馬を使う攻めもあった。でも相馬から僕にパスが入って、テルが縦に抜ける、そんなシーンも僕は作ってあげたかった」

 横浜F・マリノスでは右サイドのワイドな位置からスピードに乗った縦突破が魅力の仲川。ただ本人も「チームでのやり方は忘れて、シャドーにトライしている」と話すように、代表では突破力だけではなく連係面の引き出しも披露しようと努力する。

 そんな仲川の行動を大島も練習から感じ取っている。裏に抜ける得意なプレーと、足元で受けて連動していくプレーの両立を試みる仲川のチャレンジこそ、大島が言う「どのポジションに立つか、そのバリエーションが必要」という考えとも合致する。

 最後まで大島は「いいテンポで斜め方向にパスを入れて攻められるか」と、ボランチとシャドーの連係向上が、3-4-2-1を機能させる肝であることを強調した。

 やるべきことは見えている。もちろん、時間との戦いにもなる。18日に迎える韓国戦。そこで披露されるのは、改善された姿か否か。森保監督の采配はもちろん、選手たち同士の建設的な組み立ても、カギを握る。

取材・文=西川結城

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