今年1月にJ1リーグの清水エスパルスからシント=トロイデンVV(ベルギー)への移籍を決断し、先月28日に新天地デビューを果たした松原后。昨シーズンの明治安田生命J1リーグ全試合に出場するなど、清水で左サイドバックとして不動の地位を確立してきた23歳が、デビューを控えていた2月中旬に『Goal』の独占インタビューに応じた。海外移籍のタイミングとして、「ラストチャンスだと思った」と話す松原のキャリアプラン、サイドバックとしてのビジョンとは――。
■欧州挑戦
(C)STVV――ベルギーに来てチームに合流してから数週間が経ちましたが、印象はいかがですか?
まず思ったのが、ピッチ外での雰囲気の違いですね。性格面で日本人とかなり異なると感じたのは、陽気な人が多いです。クラブハウスでもちょっかいを出してふざけあったりする選手が多いですね。Jリーグのクラブだと陽気な人が浮くことが多いと思いますが、こっちではそれがありません。むしろ、静かな人ほど目立ってしまう。でも、僕もエスパルスの時は他の選手にちょっかいを出したり、ふざけたりするタイプだったので、雰囲気には溶け込めそうです。
――改めて欧州挑戦を決めた理由を。いつぐらいから意識し始めましたか? 父親の真也さんは元選手ですし、叔父の良香さんは海外でもプレーしましたよね。
特に他の人の影響を受けたわけではないですね。海外でプレーすることは常に意識していました。そのうえで、試合にしっかり出場して良いプレーができなければダメだと考えてきました。最初に意識したのは中学生ぐらいですね。Jリーグに入って、そこから海外のクラブで活躍することを考えていました。Jリーグ、国内のクラブにいればいいと考えているタイプの選手は、今は少ないと思いますね。
――その中でも松原選手は積極的に海外へチャレンジする意思が強かったように見えますが、常に模索していたのでしょうか。
模索はしていましたね。2年前にもシント=トロイデンからオファーをいただいていました。ただ、当時はエスパルスで試合に出場できるようになり、手ごたえを感じていた時期でした。二回くらい機会がありましたが、踏みとどまっていたんです。今回はもう23歳ということもあり、ラストチャンスと思っていたところでオファーをいただいたので移籍を決断しました。
――まずはJリーグで結果を出すことが重要だと。
Jリーグでしっかりと試合に出て、十分な活躍ができるところまではやりたかったです。そうじゃなければ、海外に挑戦できないと思っていました。
――そんな中、昨シーズンは全試合に出場するなどチームに貢献しましたね。ひとつのキッカケだったのでしょうか。
エスパルスで試合に出続けていく中で、海外でプレーするイメージは出来ていました。エスパルスで定位置を確保でき、試合に出られていたので、試合に出場し始めたときの刺激や、自が成長するための環境といった面では、一からもう一度自分を厳しい環境に身を置かなきゃいけないと感じていました。
――そのエスパルス時代、2年目から定位置を掴み、その後に重要な選手となりました。成長した部分を含め、ここまでのキャリアを振り返ってください。
サイドバックを本格的にやり始めたのがプロに入ってからでした。DFに転向した高校3年生の時には、センターバックとしてプレーしていましたから。サイドバックはエスパルスに入ってからですね。右も左もわからないまま、先輩にも厳しい指導をしてもらって、がむしゃらにやっていました。
僕は知識も豊富ではないし、技術が高い選手でもなかったですが、1年目からチャンスをいただくことができて、身体能力や運動量の部分など自分のストロングを出すことができるようになっていきました。そこからサイドバックとしての動き方、守備時のポジショニングなども徐々に向上しました。まだまだ学ぶべきことは多いですが、常に「吸収しなければ」と考えながら取り組んできたことが、成長できてきた要因だと考えています。
――サイドバックとして学んでいくうえで、参考としているスタイルはありますか?
もともとはFWだったので、サイドバックで高い位置を取った時の一対一の仕掛けは武器になっています。DF一筋の選手がいきなりサイドバックでプレーして、ドリブルで仕掛けきるのはなかなか難しいと思いますから。僕は攻撃的なポジションでプレーして、ずっとドリブルが好きでしたし、一対一を仕掛けるのも好きでした。運動量も多いほうだったので、攻撃的サイドバックは自分に合ったポジションだと思います。でも逆に、守備の経験がまったくなかったので、それは今でもウィークポイントです。現状の課題はその部分だと考えています。
――守備の課題を克服しつつ、試合では攻撃面でのストロングポイントでアピールすることになると思いますが、場所が変わってまた新たな挑戦になりますね。
ここは日本よりも間違いなくフィジカルが強いし、単純にスピードが速い選手も多い印象です。日本で通用していた部分が通用しなくなる可能性も考えられますよね。ただ、それはそれでわかれば、また自分の中で異なるプレーが生まれる可能性もあると思いますし、楽しみです。攻撃面で良さを見せていかないと自分らしくないですしね。
――合流後にリーグ戦も観戦していますが、逆に日本人やJリーグのほうが優れていると感じた部分も見えていますか?
試合を観て思ったのは、規律の面では日本のほうがかなり優れていると思います。組織的な守備であったり、コンビネーションであったり、コミュニケーションの部分ですね。それは、「活躍して上に行きたい」という思いが強い選手がこのリーグに多いからというのも影響しているかもしれません。だから、試合の中でも一対一の局面が生まれる回数が多い。みんな熱くて、練習中から結構本気でやり合ったりしていますね。日本では、練習中にここまで熱くやり合うことはないですから、興味深い部分ですね。
――国民性の違いもあるのでしょうか。
日本の分化や日本人の性格との違いもあると思います。ここの選手たちは、「自分が試合に出なきゃダメだ」という思いが本当に強い。日本であれば、若手が少し控えめなプレーになったりします。
練習中の強度はすごく違うと思いました。もちろん、日本は日本で素晴らしい面もたくさんありますけどね。その中で、自分は結構ガツガツいくタイプなので、このスタイルに向いていると思います。
■CL、日本代表への思い
(C)STVV――合流してから色々なことを吸収していると思いますが、ベルギーとコンゴ民主共和国の国籍を持つロッキー・ブシリ選手が同タイミングで加入しましたね。187cmの大柄なDFですが、同じ新加入選手として交流はありますか?
彼はとてもいいヤツですよ。20歳ですよね。食事にも行きましたし。しかも、「后、行くぞ!」みたいな感じで(笑)。日本ではあり得ないですよ。クラブハウスでも凄くふざけたりして。文化の違いでしょうね。試合に出場するための高い意識が練習中にもひしひしと伝わってきますしね。
――シント=トロイデンには現在、鈴木優磨選手と伊藤達哉選手、シュミット・ダニエル選手が在籍していますね。どのように交流していますか?
たくさん情報交換していますね。こっちに来たばかりでわからないことが多いので、食事に行ったりして、いろいろ聞いたりしています。他愛ない話やJリーグの話などですね。
――Jリーグも開幕ですね。改めて清水サポーターへの思いを。
やっぱり気になりますよね。エスパルスのサポーターって一体感があって、独特なんです。Jリーグの中でも少し違う。「サッカー熱」が高くて、本当にすごく応援してくれる。僕のことを応援してくれているサポーターもたくさんいるので、そういう方たちに、自分がここで活躍する姿を絶対に見せなければいけないという強い思いがあります。
――冨安健洋選手や鎌田大地選手などはシント=トロイデンでの活躍からステップアップしたり、保有元に戻って重要な選手になったりしています。松原選手も中長期的にはより大きなクラブ、リーグでのプレーを見据えていますか。
このクラブを選んだのは、ステップアップする意欲があるからということもあります。もちろん、まずはこのクラブで活躍することが先です。ただ意欲として、「一年以内、あるいは半年でステップアップする」という意気込みで臨みます。自分自身にプレッシャーをかける意味でも、その考えをもっています。このプレッシャーは日本では感じることはないと思いますが、今はそれをすごく楽しんでいます。
――シント=トロイデンは日本人選手が多くて、スタッフにも日本人がいます。環境面という観点からはいかがでしょうか?
「シント=トロイデンは海外クラブのようで違う」みたいな想像をされている方がいるとしたら、それは間違いだと思います。日本人同士で言葉が通じることや、気の合う仲間がいるのといないのでは、ピッチ外でのストレスという面では確かに負担が減ります。ただ、ピッチに入れば通訳なんてもちろんいないし、環境面でも日本とはまったく異なります。シント=トロイデンは甘いクラブではないです。
――憧れのリーグはありますか?
「ここ」というのはないですね。リーグで言えば、セリエAやプレミアリーグ、ブンデスリーガに興味があります。育ってきた時代に見てきたこともありますが、セリエAへの憧れはありますね。
――チャンピオンズリーグも佳境を迎えますが、シント=トロイデンでプレーしていれば、大会に出場するチャンスもあります。この大会への思いや注目しているビッグクラブはありますか?
チャンピオンズリーグは本当に夢の舞台ですよ。「夢」といっても「自分からかけ離れている場所」という考えをしているわけではなく、選手ならば誰もが憧れる世界という意味です。この大会はよく見ているので、欧州でプレーするうえでは出場してみたいという思いがあります。
よく見ているのはリヴァプールです。サイドバック(トレント・アレクサンダー=アーノルドとアンドリュー・ロバートソン)が本当にすごい。サイドバックの動き方などを見るうえでも、リヴァプールの試合はよく見ますね。
――シント=トロイデンでポジションを掴み、活躍すれば日本代表も視野に入ってきますね。
日本代表には、絶対に選出されていかなければならないという思いです。そこで活躍できるという思いもあります。早くシント=トロイデンで試合に出て活躍する姿をお見せしたいと意気込んでいます。
――最後に、後半戦からになりますが今シーズンの目標とファンへのメッセージをお願いします。
まずはしっかりとコンディションを上げて試合に出場すること。そこからは、試合に出場し続けることが目標です。チームとしては、リーグ戦で少しでも上位に行くことです。
僕自身、欧州挑戦で失敗して日本に帰ることはできないと思っています。まずはここの環境にしっかりと適応して、くじけずに活躍する姿を必ず日本の皆さんにもお届けしたい。応援、よろしくお願いします。
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