◆清水英斗の予想順位
1位:浦和レッズ
2位:鹿島アントラーズ
3位:横浜F・マリノス
◆どのチームに勝っても同じ勝ち点3
4節が終わって考えたいのは、次のポイント。
1:勝ち方に再現性、持続性があるか?
2:取りこぼしが少なそうか?
3:選手層のリスクは?
長いリーグ戦。どのチームに勝っても同じ勝ち点3。近年はJ1の優勝勝ち点が上昇傾向にあるので、取りこぼしを減らすことが重要になる。
例えば、今シーズン、ユルゲン・クロップが率いるプレミアリーグのリヴァプールは、上位陣との対決が6勝5分け無敗と、めっぽう強い。これだけを見ると優勝レベルなのに、下位チームに黒星を喫したり、引き分けが多かったりと、結局、順位は4位と伸び悩む。
同じことはJリーグでも言えるはずだ。下位チームに守備を固められても、相手を動かして点を取れるか? ボールを持たされず、持って、バランスよく試合をコントロールできるか? 簡単に言えば、ポゼッション攻撃のレベルだ。昨年の浦和と川崎フロンターレはこれをクリアしていた。
浦和はやや低調なスタートダッシュだったが、リーグ序盤にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)組が出遅れるのは想定済み。逆に、ACL組の選手層の強みが出るのは、夏場以降だろう。現状「1」「2」「3」全てに太鼓判を押せるのは、浦和以外にない。
鹿島もいいが、やはり「2」に不安がある。バルセロニスタの石井正忠監督が、真の姿を出し始めたら面白いが、今はACLとの両立のため練習日を確保しづらい。また、補強は豪華だったが、伝統の「4-4-2」系に合う選手ばかり。ウイングドリブラーを1、2人取っておけば、攻撃の幅が広がったと思うが、現状は「2」が不透明。2位予想で。
ヴィッセル神戸、FC東京、ベガルタ仙台は好調だが、今後を考えると、鹿島以上に「2」が不安。コンディションは波を描くので、いつかは下降する。前半戦で良い順位に行けば、後半戦では対策され、スペースを消されるだろう。そうなったら、勝ち点を取りこぼす。4~6位に食い込む雰囲気はあるが、トップ3に予想はしない。
上方修正したのは、横浜FM。ダビド・バブンスキー、ウーゴ・ヴィエイラは強力な助っ人。両ウイングの齋藤学、マルティノスの打開力を含め、「2」は問題なさそうだ。天野純など中盤のクオリティーもいい。不安があるのは「3」。ディフェンスラインの質と、選手層がいまひとつ。齋藤学が夏に欧州移籍する可能性を含め、上方修正しつつも3位予想に抑えた。
逆に、川崎Fは少し下方修正。守備の改善は予想した通りで、今季はリードした後、逃げ切れる勝ち試合が増えそうだ。最後は割り切ってペナルティエリアを固める意識が強く、これだけで守備は全然違う。「1」の勝ちの再現性はある。
逆に気になるのは攻撃の方。「2」に不安が出た。縦に速いが、狭いところに突っ込みすぎる。スプリントを繰り返せる阿部浩之はサイドに置いて裏に走らせた方がいいし、サイドから仕掛けるドリブラーも欲しい。三好康児の成長か、エウシーニョの復帰か。サイドの改善がなければ、下位チームからの取りこぼしが増えそう。
次の仙台戦が試金石だが、守備の固い相手から点を取って、勝ち切れるか。阿部や家長昭博の起用も、試行錯誤の最中。「3」の不安が増したので、川崎Fは下方修正した。
以上。わりと普通の予想で申し訳ない。
ちなみに、シーズン前に答えた順位予想では、1位・川崎F、2位・浦和、3位・鹿島、4位・神戸、5位・FC東京、6位・ガンバ大阪と、この辺りを上位陣に予想した。変更したのは、横浜FMを上げ、川崎Fを下げたくらい。4節が終わっても、印象はそんなに変わっていない。
文=清水英斗
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