Yoshito Okubo (R) of FC Tokyo.jpg(C)Getty Images

【本気のJ1予想】強力な新戦力を擁するFC東京、策士率いる神戸も注目…北條聡編/コラム

◆北條聡の予想順位

本命:浦和レッズ
対抗:鹿島アントラーズ
穴:FC東京

◆今季のJ1も「東高西低」

結論から先に言うと、本命が浦和、対抗が鹿島、穴がFC東京という見立てだ。

ジンクスを信じれば、浦和と鹿島は優勝候補に推しにくい。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に参戦しているからだ。過去5年間におけるACL組の優勝は2013年のサンフレッチェ広島だけ。あとは全てACL不参加組が覇権を握っている。

もっとも、今季の浦和と鹿島にはジンクスを破る力が備わっているのではないか。何より、戦力面の充実ぶりが大きい。J1とACLという2つのコンペティションを乗り切るだけの駒が豊富にそろっている。

元来、浦和の選手層はJ1随一。そこへFWのラファエル・シルバが加わった。開幕戦からゴールを量産し、4節を終えて得点ランクの首位に立つ。年間20ゴールを見込める大駒を手にした効果は計り知れない。

また、興味深いのはベンチの采配だ。4節のG大阪戦で「3-4-1-2」システムを採用。トップ下に柏木陽介を据えてアンカーの遠藤保仁を封じに掛かる策に出た。結果は1-1の引き分けながら、内容では圧倒。勝ちに徹する変わり身も、プラス要素に数えたい。

ACLへの参加は今季で3年連続。各選手に蓄積された「二兎追い」の経験値は頼もしい。その点、2年ぶりにアジアの戦いに挑む鹿島と比べて優位な立場にある。また1シーズン制の復活も追い風か。短期決戦の瞬発力より長丁場の持久力なら、浦和を一番手としたい。

鹿島も新戦力が額面通りに働けば、連覇の可能性が大きくふくらむだろう。金崎夢生、小笠原満男、曽ヶ端準らを控えに置いても戦える豪華な陣容は浦和と双璧。昇り竜のFW鈴木優磨に大暴れの予感が漂うなど、総合力の高さは昨季以上と言っていい。

まだ連係面で改善の余地があるMFレオ・シルバとFWペドロ・ジュニオールが試合を重ねるごとにフィットしてくれば、エンジン全開か。この希望的観測が外れ、ベンチが豊富な駒を持て余せば事態は暗転するが、そのリスクは小さいとみる。

浦和と鹿島を出し抜くならば、ピカイチの潜在能力を秘めるFC東京か。開幕戦で鹿島を破り、4節では川崎フロンターレに快勝。目下、3勝1敗とすべり出しは上々だ。

先発組のタレント力は浦和や鹿島に迫るもの。大久保嘉人とピーター・ウタカの「超獣コンビ」に、韋駄天の永井謙佑、司令塔の髙萩洋次郎、左の刺客・太田宏介と新戦力に多士済々の顔ぶれが並ぶ。スタメンの約半数が入れ代わり、現時点では個の力ばかりが際立つが、それゆえに組織力の面で伸びしろがたっぷりあるわけだ。

トップ3の予想は、いずれも東のクラブ。そこで西の伏兵を挙げれば、策士ネルシーニョ率いるヴィッセル神戸だ。開幕4連勝は相手に恵まれた感もあるが、4試合中3試合が無失点という堅守はスランプ知らずのシロモノ。ドイツの巨砲ポドルスキが参戦するまで上位をキープできれば面白い。今週末の浦和戦は1つの試金石だろう。

ネルシーニョ体制3年目。チームの完成度が高い強みはあるが、果たしてタイトルまで手が届くかどうか。やはり、今季のJ1も「東高西低」が続くと見る。

文=北條聡

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