シーズン開幕前の2月、Goalでは優勝予想を行った。サッカーライター河治良幸氏が「本命」「有力」「対抗」「サプライズ」「大穴」を大胆予想。果たしてその結果やいかに?
■優勝予想と結果
「本命」浦和レッズ…………14位(ACL準優勝)
「有力」川崎フロンターレ…4位(ルヴァン杯優勝)
「対抗」鹿島アントラーズ…3位(天皇杯を残す)
「サプライズ」ヴィッセル神戸…8位(天皇杯を残す)
「大穴1」FC東京……………2位(優勝争いに絡む)
「大穴2」北海道コンサドーレ札幌…10位(ルヴァン杯準優勝)
今季の明治安田生命J1リーグは横浜F・マリノスが15年ぶりの優勝を果たした。上記のとおり、予想したどのチームも何かしらのタイトルに絡んでいるという部分は救いだが、リーグ戦の予想としては“惨敗”に等しい。
■本命:浦和~誤算は序盤の低迷と監督交代

オズワルド・オリヴェイラ監督がACLとの過密日程を見越してスロースタートするのは想定内だったが、この時期にもう少し勝ち点が拾えると期待していた。キャンプで準備していた興梠慎三と新加入・杉本健勇の2トップが機能せずズルズル引っ張られる中、5月29日にオリヴェイラ監督を5勝2分6敗の11位という成績で解任したクラブの決断も意外だった。
解任に際し立花洋一社長は、新戦力やサポート体制を生かし切れていないという理由を説明しているが、新戦力の杉本や山中亮輔がなかなかフィットしなかったとはいえ、結果を急ぎ過ぎた部分もあるのではないか。
もちろん、オリヴェイラ監督にも問題がなかったわけではない。勝利を義務付けられる環境は鹿島時代にも慣れている中で、早期の結果にこだわる部分も示しておくべきだった。戦術面では良くも悪くもバランス型であり、例えば相手のブロックを崩していく明確な攻撃のビジョンに欠ける部分もあった。
後任の大槻毅監督も、ディテールの調整は評価できたが、戦術設計と主導権を奪う攻撃の構築で見るべきものは少なかった。ACLでは豊富な運動量とデュエルでアジアの猛者に対抗してファイナルまで行き着いたものの、個人のタレント力ではるかに上回るアル・ヒラルに完敗。ただし、大槻監督はシーズン途中から“火中の栗”を拾った形。来季に向けては、土田尚史スポーツディレクター、西野努テクニカルアドバイザーのもとで、結果と内容がシビアに問われるだろう。
■有力:川崎F~ACLによる国内の取りこぼし

2月16日のゼロックス・スーパーカップで浦和に完勝し、多くの人が3連覇の可能性を口にしていたが、甘くはなかった。理由の一つはACLのつまずきを取り戻そうともがいた分、国内での“取りこぼし”が目立った。国内に専念できた後半戦ではチーム状態を上げていくが、上位3チームを上回るほどのパフォーマンスは出せなかった。
戦術面では、前からボールを取りに行く守備をベースとしながら、状況に応じて引いて構える守備を取り入れ、崩せないときはシンプルなクロスから新外国籍FWレアンドロ・ダミアンの高さに頼るなど、戦術的な引き出しは増えた。しかし、“止める・蹴る・外す”技術を押し出す攻撃力が落ちてしまい、ダミアンのようなアタッカーを生かす戦い方も中途半端になってしまった。
勝つためにいろいろな戦い方ができることは大事だが、手を広げた結果として本来の強みが失われた。対戦相手も川崎Fを研究し、セレッソ大阪や横浜FMなど立ち位置で優位性を取ってくるチームも増えてきた。来季も指揮を執る鬼木達監督は、戦術設計の見直しを迫られるかもしれない。
■対抗:鹿島~ケガ人の多さ

敗因の8割はケガ人の多さにあるだろう。加えて、節目節目で伝統的な鹿島の勝負強さを発揮できなかった。J1内では数的優位より立ち位置でゲームをコントロールするチームが複数出てきており、メンタル的な“勝負強さ”だけでは太刀打ちできなくなっているのも事実。とはいえ、今季経験を積んだ若手選手が主軸を担うようになれば、来季も引き続き優勝候補の一角にはなりそうだ。
鹿島はACLを含めたすべてのコンペティションで勝ち進んでおり、ケガ人も多発した中でのリーグ3位はむしろ良い成績と言える。残る天皇杯でクラブ21冠目を勝ち獲り、ACLにストレートインできるかどうかも来季のパフォーマンスに影響するかもしれない。
■サプライズ:神戸~監督交代のタイムラグ

神戸は4月半ばにファン・マヌエル・リージョ前監督が辞任し、吉田孝行監督が就任、6月頭にトルステン・フィンク新監督が引き継ぐまでの“タイムラグ”に負けが込んでいなければ、ACL圏を争うぐらいまでは行けた可能性がある。
とはいえ大前提として、潤沢な資金を投じて大型補強を敢行しても、1~2年ですべてうまくいくはずがない。今後、スタッフも強化し、より継続路線で的確な補強がなされていけば、そう遠くない将来Jリーグの覇権を握っていてもおかしくない。
■大穴1:FC東京~堅守速攻以外の術

FC東京は前半戦から大失速せず終盤まで首位を守ったことは見事だった。ラグビーW杯がホーム・味の素スタジアムで開催されたことにより、アウェイ8連戦を強いられたが、大きく成績を落とさずしのいだこともチームをタフにした。ただ、長谷川健太監督も前々から課題に挙げていたように、2トップを生かす堅守速攻がハマらない場合、ボールを持って崩すこともできず、勝ち切れない要因になったのも事実だ。
序盤戦の攻撃を引っ張った久保建英のようなスペシャルなタレントはなかなかいない。では、長谷川監督が優勝の目安とする55得点(今季は46得点)までいかに持っていくのか。現行のスタイルを大きく変えないのであれば、個によって攻撃に迫力を出すための大型補強も必要だろう。
■大穴2:札幌~選手パフォーマンスの波

札幌はリーグ戦の順位こそ昨季(4位)より落としたものの、JリーグYBCルヴァンカップで準優勝するなど、見せ場が多かった。パスワークを生かした攻撃に縦の速さを加えて、3バックを基調としながら対戦相手によって4バックを使い分けるなど、柔軟性も上がった。
ただ、やはり選手が全体的に若くパフォーマンスに波があるのは課題だ。うまくハマらないと途中修正ができずにズルズル失点を重ねてしまう試合もあった。タイトルを狙うポテンシャルは間違いなくある。そのためにもパフォーマンスの安定が重要で、選手の成長に加えて勝者のメンタリティをアップさせる補強も効果的かもしれない。
■優勝:横浜FM~選手の調整力と補強
(C)J.LEAGUE開幕前、すべてが理想的にいけばACL出場は十分可能と予想していた。言い換えれば「優勝までは行かない」という予想をしていた。予想が良い意味で覆された理由は二つある。
まずは、選手たちが就任2年目のアンジェ・ポステコグルー監督のスタイルを高いレベルで習得しながら、試合の中での調整能力を身に付けていったことにある。実際、シーズン前半戦では流れに乗れず相手のペースに引き込まれて勝ち点を失う試合が頻繁に見られた。だが後半戦は、悪いリズムで入っても、攻守のバランスではなく、選手の立ち位置や距離感を変えることで選手たちが改善していたのは注目に値する。
そうした試合中の調整が可能なのは、確固とした戦い方のベースがあるからに他ならない。実は基本的な戦い方は90分でほとんど変わっていないというのが横浜FMの強みでもある。
もう一つは三好康児や天野純の移籍、前半戦で11得点を記録したエジガル・ジュニオの長期離脱など、主力級の選手を欠く状況になっても、スカウティングに裏打ちされた的確な補強で遜色ない戦力を維持できたことだ。後半戦にリーグ全体の強度が落ちていく中で、横浜FMはほとんど落ちないどころか上がった感すらあった。
ポステコグルー監督に関しては、エリク・モンバエルツ前監督のベースを継承する形で、就任4、5年目の優勝はあるかもしれないとは思っていた。就任1年目の昨季は、攻撃面で大きな変革を起こして世間から注目されたが、残留争いに巻き込まれている。しかし、今季は基本スタイルを変えない中でも戦い方が柔軟になり、前体制に勝るとも劣らないカウンターまで繰り出せるようになっている。来季ACLというタフな戦いが加わり、周りからのマークも厳しくなる中で、どういう戦いを続けていくか、引き続き注目したい。
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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です

