FW岡崎慎司はスペインで、自らのストライカーとしての理想像を追い求める日々を過ごしている。
今夏の移籍市場で、プレミアリーグ優勝にも貢献したレスター・シティを離れて、憧れだったスペインでの挑戦を選んだ岡崎。最初に加入したマラガはクラブの財政面の問題によってプレーができず、たどり着いたのはリーガ2部降格組のウエスカだった。
4-3-3のシステムで、ポゼッションフットボールを実践するウエスカにおいて、岡崎は1トップのレギュラーを任されている。レスターのように2トップの一角として汗をかくだけではなく、点取り屋としての責務も果たすことで評価される状況に身を置いているのだ。
岡崎はウエスカで、そうしたステレオタイプとも称せるストライカー像を体現することに大きな意欲を燃やす。リーガ・エスパニョーラ2部第16節、敵地フェルナンド・トーレスでのフエンラブラーダ戦(2-3敗戦)後には、現在の挑戦に大きな刺激を受けているとコメントした。
「もともとこれがやりたくて、フォワードとしてやってきた部分もあるので。もちろんレスターのときも自分が前に張ってるときもよくあったんですけど、基本的にはトップ下みたいな感じで後ろから飛び出していくことが多かったし、あとは2トップもやっていたので」
今年4月で33歳、来年には34歳となる岡崎だが、成長を止めようとはしない。フエンラブラーダは4-4-2システムで堅守速攻を実践するチームだが、ウエスカは得意とするポゼッションサッカーによってその堅守を崩し切ることができず。岡崎はそうした難局の中で、自分がしなければならないことを見据えている。
「例えば、自分がワンチャンスをものにするとか、そういう部分がこの90分間を通してはチームを助けられるものだったのかなっていう。足元受けるとか受けないとか、ボールをもらいに行くとか行かないとかじゃなくて、自分のほしいとこではボールをもらえているので、そこで受けた時のクオリティーをもうちょっと上げるっていうことが今の自分の課題かなっていうとこで。特にアウェーになると、けっこう密集しているところにボールが来るので。そういった時に一人でも打開するっていうところが必要かなっていう感じです」
「今は落ち着かない部分がありながらも、そこで待ちながらも、フラフラしながらもどこか狙っておくとか、誰かが蹴る寸前に裏を取るとか、そういう部分はまだ考え切れていない部分もあるというか。例えば、すごい良いフォワードは待ちながら、『あ、こいつクリアここに蹴りそうやな』ってときにめっちゃスピード上げたりとか、その反応や読みとかという部分で勝てるとも思うんで」
岡崎はまた、ウエスカのチームメートをはじめ、スペインの選手たちのクオリティーの高さに驚きを感じている様子。ただしウエスカに関しては、そうした技術の高さによっ、不必要なところでボールをこねくり回し過ぎしている、との見解も口にした。
「かなりセットされた状態の試合展開では難しいですけど、まあチームメート見てても、そこで受けてドリブルできるんだというやつが多いんで、どうしてもこう……持ち過ぎる傾向もあるのかなというところで良いも悪いもあるなという感じですね。(チームメートを)すげー見ながら、「こいつらうめーなー」って思いながら、『2部でこんだけできんの』って感じて見ちゃうというか。まあ相手より中盤の選手がボールを運べるし、能力高いというのはありましたけど、相手の方がチームとしてシンプルだったというのはあります」
「なんか割り切ってサッカーをしてもいいのかなと思いますね。ホームみたいな感じでサッカーをしてしまうので、今日みたいな相手だと、回していても全然こわくない感じだったので。そういうサッカーをやっているので仕方ないですけど、こだわりもあるのかなと思います」
いずれにしても、岡崎は強調する。自分がすべきはゴールを決めることであり、そこで勝負をしていかなければならないことを。ここまでウエスカでは、13試合連続で先発出場(その内フル出場10試合、途中交代1試合)するなど不動のレギュラーに君臨しているが、その立場を守るためにも自らに求められているのはゴールネットを揺らすことであると説いた。
「やっぱり危機感は常にありますよ。今日みたいな試合で90分間何もできない感があったまま終わっちゃうと、『いや、そこでフォワードだったら、取れれば勝ち』みたいな、そこで勝負したいから個人的には後悔ないですけど、いつ代えられるかも分からないですし。今までレスターだったら、すぐに出られなくなるような立場だったけど、今は幸運にも信頼してもらって使ってもらっている。それを今までいろんなところで味わってきているので、やっぱり結果が出なかったら試合に出られなくなるし。自分も今はそこまで目立った得点を取れていないし、絶対的ではない。ただ監督が戦術の一つとして、自分を置いてくれているので、やりやすいけれど、それに浸ってはいられない」
「もし、これでダメだとしても自分の責任で終われるので。これで俺は、ああだこうだと言い訳ばかりしてしまうようだと、人のせいにしてしまいそうになる。今だったら、何回か縦パスもらったりとか、何回か自分がこうしていればというのがあったりするので、次に生かせるんで。今までは次に生かすことがなかった。今まではゴール前でシュートも打てていなかったな、というところからのスタートだったので」
「今はゴール前でボールをもらってちょっとトラップが大きくなったとか、あれをダイレクトで打っていればとか、あそこに入っていればとか、次に生かせる材料があるので楽しいですね。フォワードとして次の段階を踏めると思ってます。レスターでの経験とか、今までやってきた経験が自分の中に入っていると思うし、新たに自分が評価されるにはここでしかないと確信してますね。このポジションで、このリーグで、チームとともに上がっていけたらいいなと思っています」
岡崎が今季ここまでに決めた得点数は3。最前線の汗かき役ではなく、点取り屋としての強い自覚を持つようになった日本人FWは、ここからどれだけ数字を伸ばしていけるのだろうか。そして、その数字が増えれば増えるほど、現在リーガ2部で4位に位置するウエスカが、1年での1部復帰を果たす確率は高くなる。
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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です





