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昨季以上に勢力図が変貌したJ1。「戦術進化」と「マネジメント力」に長けた横浜FMが頂点に【J1総括2019】

 2019シーズンの明治安田生命J1リーグは熾烈な優勝争いの末に、横浜F・マリノスが15年ぶりに頂点に上り詰めた。一方で残留争いも終盤戦まで半数のクラブが絡む大混戦に。昨年以上にトピックの多いシーズンとなった。昨年以上に勢力図が目まぐるしく変わった今シーズンのJ1を総括する。【文=原山裕平】

■トリコロールが昨年の失敗を糧に頂点へ

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 終わってみれば、横浜F・マリノスの強さが際立つシーズンとなった。

 優勝争いは最終節の直接対決にまでもつれ込んだとはいえ、その大一番でFC東京を圧倒。勝点70を積み上げ、2位に6ポイント差をつけた文句なしの戴冠である。

以下に続く

 2年目を迎えたアンジェ・ポステコグルー監督のもと、今季の横浜FMは開幕2連勝と好スタートを切った。しかしその後は勝ち負けを繰り返す不安定な時期を過ごし、21節からは3連敗も喫している。しかし24節からの残り11試合を無敗で乗り切り、最後は7連勝フィニッシュで頂点へと駆け上がった。

 ハイプレス・ハイラインよる革新的な攻撃スタイルは、ポゼッションを高め、つねに相手陣内で試合を運ぶことを目的とする。当然ボールを失えばカウンターの餌食となり、昨季は同じような形から失点を重ねて、残留争いを強いられた。

 ところが今季はポゼッションの精度が高まり不用意なボール逸が減少したことに加え、リスク管理の意識も向上。大きかったのはチアゴ・マルチンスの存在だ。大柄ながらスピードに優れるこのブラジル人CBが背後のスペースをカバーし、カウンターの芽をことごとくつぶした。新守護神の朴一圭も広大なスペースをケアする守備範囲の広さが際立ち、失点減に大きく貢献している。

 またチームとして即時奪回の意識も高く、失った瞬間に怒涛の如くプレスを仕掛けてボールを奪い返し、逆にカウンターへとつなげていく。あるいは攻守の切り替えの速さも今季の横浜FMの特長であり、前線の選手が相手よりも素早く気陣して、スペースを埋める動きも光った。

 MVPに輝いた仲川輝人とマルコス・ジュニオールが軸を担った前線カルテットが奏でる攻撃力が横浜FMの最大の売りではあるものの、むしろ優勝の要因は昨季の56から38へと失点の大幅減を実現した守備力にあったのだ。

 そのサッカーを実現できたのは「走力」というベースがあったからに他ならない。今季の横浜FMは1試合当たりの走行距離とスプリント回数でともにリーグトップを記録。ハードワークの意識がもたらした15年ぶりの戴冠だった。

■久保移籍が痛手となったFC東京

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 2位に終わったFC東京は、開幕から12試合負けなしと序盤戦は圧倒的な強さを示していたが、夏場以降に勢いを失い、悲願の初優勝には届かなかった。永井謙佑とディエゴ・オリヴェイラの2トップを生かす堅守速攻スタイルを確立し前半戦の快進撃を実現したが、相手の警戒が強まると、一気に停滞感が漂った。

 大ブレイクを遂げた久保建英のスペイン移籍も大きな痛手となり、攻撃のバリエーションの少なさを露呈。システム変更などで巻き返しを実現した時期もあり、最後まで優勝の可能性を残したが、得点力不足の課題を解消できなかったことがV逸の最大の原因となった。

 鹿島アントラーズは、一時は首位に立つなど優勝を射程に捉えながら、終盤に失速し3位でフィニッシュ。シーズン終了後に大岩剛監督の退任も発表されている。川崎フロンターレは、レアンドロ・ダミアンなど目玉補強を行ったものの、序盤の躓きが響き、一度も首位に立つことなく3連覇を逃している。

 一方で今季よりロティーナ監督を迎えたセレッソ大阪は、強固な守備組織を手にし、リーグ最少失点を実現。ポゼッションスタイルに舵を切り若手の台頭を促したサンフレッチェ広島、昇格1年目にして上位争いを演じた大分トリニータにとっても、ポジティブなシーズンとなったはずだ。

■遅きに失した磐田、得点力不足に悩み続けた松本

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 残留争いに目を向けると、度重なる監督交代を敢行したジュビロ磐田は終盤に粘りを見せたものの最下位に沈み、二度目のJ2降格の憂き目にあっている。前年は16位に終わり、プレーオフに回ったものの、シーズン前の補強も上手くいかず、チーム力を上積みできなかったことが降格の原因のひとつだろう。

 前半戦の17試合でわずか3勝と結果を出せず、名波浩監督から鈴木秀人監督に代わっても悪い流れを断ち切れかった。3人目の指揮官となったフェルナンド・フベロ監督の戦術が徐々に浸透したシーズン終盤に復調の気配を漂わせたが遅きに失した感は否めず、結果的に最下位のままシーズンを終えた。

 昇格1年目の松本山雅FCは17位に終わり、1年でJ2に戻ることになった。粘り強い守備を実現したものの、シーズンを通して得点力不足の課題を解消できなかった。34試合で21得点しか奪えず、複数得点を記録したのは3試合のみだった。

 16位でプレーオフに回った湘南ベルマーレは、お家騒動が響いた。曹貴裁監督がパワハラ問題によって指揮を執れなくなると、以降の12試合でわずか1勝のみ。ハードワークをベースとした“湘南スタイル”で、昨年はルヴァンカップを制したが、カリスマ指揮官を失ったことで一気にチームは瓦解。徳島ヴォルティスとのプレーオフに、生き残りをかけることとなった。

■横浜FMに見るクラブのマネジメント力

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 横浜FMの復権で幕を閉じた今季のJ1だったが、来季もこの王者を中心に優勝争いは展開されていくはずだ。リベンジを狙うFC東京、鹿島、川崎Fの上位陣に加え、今季終盤に一つの形を見出したヴィッセル神戸やガンバ大阪も虎視眈々と優勝を目指し、準備を進めていくだろう。

 来季は東京五輪が開催されるため、五輪代表に選手を送り出すチームは、その影響が避けられない。あるいは、大会後に海外に飛び立つ選手も出てくるはずだ。すでに今季も、シーズン途中での海外移籍が相次いだ。欧州市場における若き日本人タレントに対する注目度が高まるなか、その流れはますます加速していくだろう。

 そのなかで求められるのは、クラブの対応力となる。主力流出の事態を予測し、ダメージを最小限に食い止めることが、結果を出すチームに不可欠な要素となる。

 そういった意味で、今季の横浜FMはマネジメント力も秀でていたと言える。得点源のエジガル・ジュニオが負傷離脱すれば、すぐさまエリキを期限付き移籍で補強し、天野純、三好康児が海外移籍しても、マテウスや渡辺皓太らを補って、チーム力を保ち続けた。その迅速なクラブの対応力も、今季の横浜FMの戴冠の大きな要因だった。

文=原山裕平

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