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日本代表“3バック・アレルギー”払拭か?ミシャ式を知る原口が感じたエルサルバドル戦の変化

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柴崎岳とコパ・アメリカに出場する代表選手2

永井謙佑の令和初ゴール、久保建英の鮮烈な18歳デビュー。日本代表は9日、キリンチャレンジカップ2019でエルサルバドル代表と対戦し、2-0で勝利を収めた。話題にことかかなかったこの一戦に森保ジャパンは2戦目となる3バックで臨んだが、戦術面での改善も顕著だった。その具体的な変化をスポーツライター・飯尾篤史氏にひも解いてもらった。

■ザック式[3-4-3]は浸透しなかった

 どうやら、そこまで心配する必要は、なさそうだ。日本代表における“3バック・アレルギー”のことである。

以下に続く

 6月5日のトリニダード・トバゴ戦で、長友佑都がこんなことを言っていた。

「正直、良いイメージがなかったんでね、3バックに対して。代表でうまく機能したことがあまりないじゃないですか。(アルベルト・)ザッケローニさんのときもやりましたけど、全然ハマらなくて、自分自身も混乱していたし……」

 ザッケローニ監督時代、[3-4-3]にトライしたものの、長友が言うように機能せず、ワールドカップ1年前のコンフェデレーションズカップを最後に封印し、オプションにできなかった。

 もっとも、ザック式[3-4-3]は、ボールの位置によって横ズレ、縦ズレをしながら3バック、4バックへの移行を繰り返すため、バランスを崩すことと常に背中合わせの繊細なシステムだった。

 それに対して森保式(≒ミシャ式)は、シンプルに言えば、ウイングバックのポジショニングひとつで守備時には5バック、攻撃時には5トップに変わるため、チームとして大きくバランスを崩すことはない。

 そして、まさにトリニダード・トバゴ戦から改善されたひとつが、ウイングバックの立ち位置だった。攻撃時にはウイングのように高い位置を取り、守備時にはディフェンスラインに入ってスペースを埋める。そのメリハリが利いていたのだ。

■カギはウイングバックの位置取り

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▲あとはシャドーの役割が整理できれば…(C)新井賢一       

「戻れる自信があったので、取られたら戻ればいいと思っていた」と明かしたのは、所属するハノーファーでもウイングバックを務め、浦和レッズ時代には、森保式の原型であるミシャ式、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもとでプレーしていた原口元気だ。

 左ウイングバックに入った原口が、さらに続ける。

「ハノーファーではあそこまで高い位置は取らないけど、代表はボールを持てるからこそ、あの位置が取れたっていうこともある」

 右ウイングバックに入った伊東純也は「森保さんから『サイドにずっと張っていろ』と言われていた」と説明する。

「(右シャドーの堂安)律や(1トップの永井)謙佑くんのところが空いてくればいいなって思っていました」

 ボールが来なくても、サイドの高い位置を取ることで相手のサイドバックを引きつければ、相手のディフェンスラインを広げられるというわけだ。

 もっとも、攻撃時における最大の特徴である前線5枚のコンビネーションは、まだまだ形になっていない。とりわけ整理すべきは、シャドーの役割と立ち位置だろう。

 このシステムのメカニズムをよく知る原口は、こんなふうに指摘する。

「(シャドーが)引いちゃダメなんですよね。僕も『引くな、引くな』って言ったんですけど、彼(南野拓実)も(ボールに)触ってリズムを作りたいと思うし。1戦目に関しても翔哉がすごく引いていたけど、もうちょっと我慢して、本当に崩すっていうとき、あそこ(前線)に人数を掛けたほうがいいと思うので」

 浦和時代、左シャドーでプレーしていたため、その立ち位置を心得ている一方で、ボールに触りたいという南野や中島の気持ちもよく分かるのだろう。原口が続ける。

「ただ、これから監督がいろいろトレーニングしていくと思うし、もしかしたら、ミシャのようにやらないかもしれないし。それにミシャだって最初はうまくいかなかった。その中でパッとやって、ここまで表現できたのは良かった。これからですよ」

 もっとも、南野も自身に託された役割を理解していた。

「リズムを作るために下がってボールに触ることもありましたけど、チームとしてはおそらく、シャドーの選手は前に顔を出したほうがいいと思うので、そこは(リズムを作るのは)ボランチに任せて、(ボールを)引き出せれば良いかな、と思います」

 90分全体を振り返れば、永井が奪った2点とも、センターバックのフィードが攻撃の起点となったおり、「ディフェンスラインからしっかりビルドアップして前線の攻撃に繋げる」という指揮官の狙いが形になったものだった。

 59分には[4-2-3-1]へと変更してチームの柔軟性を試し、67分からは久保建英も投入してテストした。

 3バックに関しては、まだまだ共通理解を高める必要があるが、9月から始まるワールドカップ予選前最後の試合となった、このエルサルバドル戦がさまざまな示唆に富んでいたのは間違いない。

取材・文=飯尾篤史

【日本代表戦日程】
キリンチャレンジカップ:6月5日(水)日本 0-0 トリニダード・トバゴ
キリンチャレンジカップ:6月9日(日)日本 2-0 エルサルバドル

【コパ・アメリカ 日本代表戦の日程(日本時間)】※DAZN独占配信
グループC第1節:6月18日(火)8:00~ vsチリ
グループC第2節:6月21日(金)8:00~ vsウルグアイ
グループC第3節:6月25日(火)8:00~ vsエクアドル

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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です

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