ロシア・ワールドカップ本大会への切符を手にした中で行われた喜びの会見の“はず”だった。
しかし、日本代表を率いたヴァイッド・ハリルホジッチ監督の口から飛び出したのは衝撃的とも意味深とも取れる言葉の数々だった。
「みなさん。温かい歓迎をありがとうございます。昨日も言いましたが、この試合は日本国民全員に重要な試合でした。そして彼ら全員の勝利だと思います。日本国民のことを考えますと、私は熊本の方々のことを思い出します。彼らにW杯出場を決めると約束しました」
そう語った後、その言葉は飛び出した。
「ジャーナリストの皆さん、もしかしたら全員に対してではないかもしれません。中には私に早く出て行ってほしいと思っている人がいるかもしれません。私は残るかもしれませんし、残らないかもしれません」
ハリル監督が報道陣を“口撃”するのは今回が初めてではない。自身の考えと違う主張を展開する記者とは徹底抗戦の構えを見せていた。よって、この発言だけでは「衝撃的」とはならない。
しかし、今回はさらに続きがあった。「実は私は、プライベートで大きな問題がありました。みなさん、ご存じないかもしれませんが、私はその問題があることで、この試合を前に、帰ろうかなと思ったくらい、大きな問題です」と、詳細は明かさなかったものの、私生活のことで日本代表を離れることを考えたという。
それでも「それはサッカーと関係ないことです。私はこのチームを応援している方々に責任もあります。批判が始まったときも、私はより力強くやってきました。それが私の性格です」と、チームに残る決断を下したが、今後に関して“含み”をもたせた。
「皆さん、たくさんのことをお聞きになりたいと思いますが、先ほど言ったプライベートの問題があるので、今現在、この時点で皆さんの質問に答えきれないことを申し訳なく思います」
そう語ると、質疑応答に応じず、そのまま会見場を後にした。まさに、異例の事態……。不穏な空気、未来が不透明であることだけを残し、指揮官は去っていた。
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