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EAFF E-1フットボールチャンピオンシップ

日本が韓国に後れを取った「2つのポイント」。感じられなかった熱量、手放した戦術的な生命線

12:10 JST 2019/12/19
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 EAFF E-1サッカー選手権2019で開催国・韓国代表に0-1で敗れ、森保一監督体制初のタイトルを逃した日本代表。現地で取材を続ける西川結城氏は、チームに不足していた点が大きく分けて2つあると分析している。

■日本は「腰の引けた」状態に


 これは、日韓戦である。

 この言葉にどんな強い意味合いが込められているか、サッカーを理解している人なら容易にわかるだろう。

 試合会場の釜山アジアード主競技場は、ピッチとスタンドの間に広大な陸上トラックがある。記者席とプレーする選手たちの距離はかなり遠い。ところが、韓国代表の選手たちからは、熱量が伝わってきた。観客動員に苦しんだ今大会。この試合も約3万人が集まったという公式発表があったが、巨大なスタジアムなので空席が目立った。

 ただそんなことに左右されることなく、韓国は持ち前のスピードとプレー強度で、日本に襲いかかってきた。さらにパウロ・ベント監督の攻守の押し引きに柔軟な戦術スタイルもマッチ。決して勢いだけではない戦い方が、そこにあった。

 日本は完全に面食らった。「韓国は激しく来るのは間違いない」と多くの選手があれだけ口にしていたにも関わらず。森保一監督も試合後の会見で、「試合の準備として、技術、戦術の前に球際の戦いがあることは選手たちに伝えていました」と語っている。

 日本の弱点を、韓国はよく理解していた。4-3-3の3トップがアグレッシブにプレスをかけ、マイボールになってもサイドのスペースに人とパスを流し込んだ。日本の3-4-2-1は完全に5バックに。もちろん5枚で守ることも想定している布陣ではあるが、それは自らしかけた策略的な展開ではなく、敵の圧に屈した結果の「腰の引けた」状態だった。

 加えて、球際の勝負である。赤いユニフォームを着た選手たちは、まさに戦う戦士。次々とボールに執着心を持って絡んでくる。日本の選手たちも「覚悟して臨んでいた」(森保監督)ところはあっただろう。でも、現実は軟弱に後手に回るばかりだった。

■戦術、戦略でも劣っていた


 個々のパワーやフィジカルで韓国に上回られたことは、必要以上に嘆くことはない。そこで勝てなかったことだけが、日本の熱量が感じ取れなかった理由でもない。

 過去の韓国戦。相手に力で押されても、組織的な連結やプレーの工夫で、日本が制した試合はある。戦術的柔軟性。チームパッケージで対抗して上回ることは、韓国相手だけにとどまらず、いつの時代の日本代表も目指してきたベクトルだ。今回残念だったのは、その柔軟性や工夫が見られなかったことである。頭脳的に振る舞えなかったとき、それは日本サッカーが世界の舞台で劣勢に立たされることを意味する。

 5バックになってもいい。そこから鋭いカウンターをしかける“したたかさ”を忍ばせておけば、それは有効な戦略になる。この試合はどうだったか。マイボールでは2シャドーをうまく生かしながら、鈴木武蔵や森島司がゴールに向かうシーンは数度存在した。ただ多くの時間帯で、スペースブレイクを意識しながら攻撃することはできなかった。

 韓国の守りにも付け入る空間は存在した。一方、ベンチには仲川輝人や田川亨介が控えていた。縦への速さが欲しかった展開。それを想定できていたのか。ましてやライバルの敵地で戦う日韓戦。守から攻のスムーズな推移をしっかり狙う戦術的プランを携えていれば、的確な人選もできただろう。

 森保監督は会見で「チームのコンセプトをどうやって連係連動してつなげていくか、最善の準備をしてきました」と話した。サンフレッチェ広島で3-4-2-1でプレーする佐々木翔は「もっと僕のサイドで(パス回しを)やり直しながら、相手を揺さぶりたかった。押し込まれた中で、相手ゴールにどう向っていくかは足りなかったところです」と自戒する。

 もちろん彼らはこの布陣、戦術の良さをよく知る立場であり、成功体験もある。一方で、森保監督が語るコンセプトとは、具体的には何なのか。佐々木は主にマイボール時の動かし方を深く語るが、試合に勝つために不可欠な戦術的柔軟性を意識すれば、有効な戦い方も選手の配置も選択肢は一つではない。

 ファン・インボムに決められた決勝点は、確かにシュートも素晴らしかったが、押し込まれた5バックの眼前に生じた広大なスペースを使われたもの。意識的に相手は何度もそこを突いてきた。直線的な攻めだけで完結しようとしていない。その先に生まれる事象もしっかりと認識して、パウロ・ベント監督率いる韓国はサッカーをしていた。

 これは、日韓戦である。そしてタイトルマッチである。デュエルや敵に打ち勝とうとする熱量だけではなく、戦術、戦略でも日本は劣っていた。過去の韓国戦では、生命線だったのに。

 そこに、釜山の地で言葉に出来ない苦々しき悔しさを感じた。

取材・文=西川結城

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