Jean-Philippe Gbamin RC Lens 24092014Getty Images

「新しい1章が始まる」ビッグクラブが狙うタレント、グバミンが見ている未来図/独占インタビュー

プレミアリーグのビッグクラブも注目するタレント、ジャン=フィリップ・グバミンは今、どのような心境でシーズンを戦っているのだろうか。

コートジボワール出身のグバミンは2016年夏、フランス2部のランスからブンデスリーガのマインツへ移籍。それから3年が経過し、堂々たる中心選手へと成長を遂げた。『トランスファー・マルクト』によると、現在の市場価値は3000万ユーロ(約37億8000万円)。そして今夏にはイングランドから巨額のオファーがあったものの、移籍が実現するには至らなかった。

そんなグバミンは『Goal』のインタビューに応え、プロフットボーラーへの道を切り開いた風変わりなきっかけや0-7の惨敗に終わったデビュー戦、ブンデスリーガで喰らった3度の退場処分、そしてシーズン終了後の移籍の可能性について語った。

■「小さな一歩がたくさん積み重なった」

Jean-Philippe Gbamin MainzGetty

――グバミンさん、あなたはコートジボワールで生まれて、そこで8歳まで過ごしましたね。その頃のことについてどんなことを覚えていますか?

アフリカではどこでもそうだけど、何もかもとても家庭的だったよ。学校が終わると、たいていは母や祖父母やおばたちと過ごすことが多かった。僕らは固く結ばれた家族だったんだ。あの頃の僕はフットボールのことなんて考えたこともなかったよ。スポーツは全然やってなかったし、ただ他の子供たちと一緒に遊んでいるだけだった。わりと短い間だったけど、この頃のことを思い出すととても楽しい気持ちになるよ。

――その後あなたはフランスに渡りましたが、カルチャーショックはありましたか?

僕はまだ本当に幼かったけど、別の世界に来たみたいだったよ。いろいろな経験を積んだ今になっても、外国へ行くといつも勝手が違うと感じる。とにかく、それに馴染むしかないんだけどね。ドイツへ移って来てからも同じだったよ。僕たち一家がフランスへ渡った時は、まずパリの近くで1年過ごしたんだ。それから義理の父と一緒にさらに北の方のランスへ移って、そこで初めて僕はフットボールを始めたんだ。

――そして、そのランスでちょっと変わった経緯で “発見” されたそうですね。その話を聞かせてください。

僕の義理の父の甥がある女の子とつき合っていたんだけど、その女の子の父親がRCランスのスカウトだったんだ。その頃の僕はランスからそんなに遠くない所のOSエール・シュル・ラ・リスという名前の小さなクラブでプレーしてたんだけど、彼と話し合って、そのうち僕の試合を見に来るという手はずになった。今にして思えば、あれがキャリアの出発点になったんだ。その後もランスは僕を見守っていて、興味を持ち、やがて具体的なオファーを持ちかけてきたんだよ。

Jean-Philippe Gbamin RC Lens 24092014Getty Images

――2007年に12歳でRCランスの育成センターへ移ったわけですが、育成センターでの生活は新鮮な経験でしたか?

すごく新鮮だったし、初めのうちはかなり大変な面もあったね。何が待っているのか頭ではわかっていたけど、それを自分の体で感じるとなると、初めのうちは簡単なんてものじゃなかった。朝からフルスロットルで練習して、その後学校でもちゃんと集中してというのが毎日続くんだからね。だけど、結局すぐに慣れたよ。実際、途中からは楽しくなったんだ(笑)。

――その頃のあなたはどんな野心を持っていましたか?

あの頃の僕は、プロのフットボーラーになろうなんてことは考えてなかったよ。小さな一歩がたくさん積み重なって、だんだんそういうことになったんだ。ある時、自分はまだまだ伸びていくし、ある程度のレベルでやっていけるってことに気づくんだ。もちろん、それでまだ何かが保証されたわけじゃない。だけど、プロのフットボールの世界に通じる扉へだんだん近づいていくにつれて、当然のように僕はその扉の中へ入っていきたいと思うようになったんだ。

――あなたは16歳の時に4部リーグで戦うBチームのメンバーに昇格して、その1年後の2013年5月、ギャンガン戦に途中投入されてプロデビューを果たしました。が、その試合は0-7の惨敗に終わりましたね。

そうなんだ。僕のデビュー戦は惨憺たる有様だったよ(笑)。 僕たちは試合が始まって12分後にはもう2点をリードされて、その時突然監督から指名されたんだ。本当に驚いたよ。そんなに早く選手交代して、それも新人を投入するなんて普通じゃないからね。僕にとってこの上なく難しいスタートだったのは間違いないね。チームはどん底気分だったし、そんな若さで初めてプロの試合に出た僕はもちろん何の助けにもなれなかったんだから。そんなふうに冷たい水の中に投げこまれて、あの時はつらかったよ。

■フランスではなくコートジボワールを選んだ理由

Jean-Philippe Gbamin Frankreich U21 Paraguay 16062015

――あなたは2012年からフランスのユース代表にも招集されて、U-18からU-21まで合わせて24試合に出場しました。そして、2014年には当時コートジボワール代表監督だったエルヴェ・ルナールからの招集を断りましたが、2017年になってようやく祖国の代表選手として戦うことに決めました。それはなぜですか?

ルナールから声がかかったのは僕が最初のプロ契約を結んだばかりの時で、僕は心を決めるために意識的に時間を取りたいと思ったんだ。とにかく僕にとってはまだ早すぎたんだよ。まずは、選手としての自分をもっと成長させたかった。だから、3年後に招集に応えたことは僕の中では全然矛盾してなかったんだ。「もしかしてフランス代表から声がかかるかも」なんてことはまったく考えてもいなかったよ。僕の家族はみんなコートジボワール人だ。だから、代表チームのメンバーになることは僕にとってハートに関わる大切な問題だったんだ。

――あなたが要請に応えた時はマルク・ヴィルモッツがエレファンツ(コートジボワール代表の愛称)の監督でしたね。あなたが心を決める上で彼はどんな役割を果たしたんでしょうか?

頭の中では、もうほとんどエレファンツに参加しようと決めていた。けれど監督と話をして、僕を信頼してくれていると聞いたおかげで、さらに決心を固めることができたんだ。

――ですが、ヴィルモッツが代表監督を務めたのはわずか8カ月にすぎませんでしたね。コートジボワールがモロッコとの重要なホーム戦を落として、2018年のロシアW杯への出場権を逃したからです。この試合が終わってからはどんな気持ちでしたか?

これまでのキャリアの中で一番大きな失望を味わったね。あともう1勝するだけでロシアへ行けたんだからなおさらだよ。選手は皆がっかりしていたし、僕らだけじゃなく国中がつらい気持ちだった。これから僕たちはもっと良いチームになれるよう努力しなければならない。またW杯出場を逃したくはないからね。

■1シーズンで3度の退場も「今は笑い話」

Jean-Philippe Gbamin of Mainz

――コートジボワール代表としてピッチに立つことを決意する1年前に、あなたはランスからマインツへ移籍しました。なぜマインツだったんですか?

初めて電話で話してマインツがどんな構想を描いているのか聞いた時、僕はすっかり惚れこんでしまったんだ。呆れるような話に思えるだろうけど、そうだったんだよ。僕自身びっくりしたよ。一発で興味をそそられてしまったんだ。コンスタントに試合に出られると確信できたし、ブンデスリーガがヨーロッパ全体にアピールするための足場になると思ったからなんだ。ブンデスリーガでは、僕は何よりもまずハードなプレーに慣れなければならなかった。僕は自分の中に新しく流れこんでくるものすべてを成長のための水路に流しこもうと努力したんだ。マインツに来た最初から、僕は前よりずっと成熟して、ずっと強くプロとしての自覚を持っていたと思う。あれはパーフェクトな選択だったよ。

――移籍以前には、マインツという町についてどんな知識がありましたか?

まったく何も知らなかったね。マインツがブンデスリーガのクラブだってことと、エレベーターみたいに一気にトップを目指せるチームじゃないことは知っていたけど、エレベーターじゃないという点は実際そうだった。だけど、そんなことはどうでもよかったんだ。僕はずっとマインツにいようと思っていたわけじゃなかったから。マインツで暮らすのはフランス北部の町の暮らしとたいして違いがなかったから、すぐに馴染めたよ。普通に快適に過ごせたね。

――あなたは本当に素早くトップリーグのハードさに適応しましたよね。ブンデスリーガで22試合に出ただけで、3度目も退場処分になったんですから。

おかげで、残念ながらブンデスリーガで記録を作ってしまったよ(笑)。 今は笑って済ませることができるけどね。あれは僕が若くて呑気だったせいだったと思うよ。ブンデスリーガのプレーはものすごく激しくて、だから最初のうちはちょっとスピードについて行けなかったんだよ。今は3度も退場処分を受けた失敗から学んで、もうそんなことにならないように、もっと賢いプレーをするように心がけてるんだ。実際、今のところはうまくいってるよ。

――その後あなたは急速な成長を遂げて、今では様々な国のトップクラブから注目されるようになっています。その原因はどういうところにあるんでしょうか?

僕は自分が望んだ通りに成長してきたんだ。最初のシーズンは、未知のリーグで学習する1年だった。2年目には学んだことがずっとうまくやれるようになって、自分の本当の力を示すことができた。結局、いろんなクラブが僕に注目するようになったのはその結果だと思う。だからこそ僕はドイツへやって来たんだからね。だけど、まだこれで終わりじゃないってことは約束できる。僕は自分の力を信じているし、もっともっと成長するよ!

■移籍希望を持ちつつマインツへの感謝も

JEAN-PHILIPPE GBAMINGetty Images

――あなたはまだドイツへやって来てからいくらも経たないとも言えます。ですが、もうアーセナルのような数々のビッグクラブが獲得に乗り出していると噂されています。それを思うと、じっと我慢しているのは難しいことでしょうね?

家族がそばにいてくれることは、僕にとっていろいろな点で大きな助けになっている。他のことはどれも自分の力で簡単にどうこうできるわけじゃない。僕はマインツでプレーしながら、努力を続けていれば報われるってことに気づいたから、いろいろなクラブが関心を持ってくれることはうれしく思っているよ。これからも今のように努力を続けていくとしたら、将来を考えて不安になることはないね。

――今年の夏、マインツはあなたを獲得するためにイングランドから提出された3500万ユーロ(約45億円)のオファーを断りました。これはクラブ史上最高額のオファーだったと思われます。マインツが話を断ったことについてあなたはどう思いましたか?

もちろん最初はがっかりしたよ。がっかりしないはずはないと言いたいね。僕は移籍できるだろうと思っていたから、記者会見でもそう口に出していた。結局ダメになったけど。それでも、僕にとっては何の問題もなかったよ。フットボールの世界はそういうものなんだから。ドアが閉まっているとわかると、すぐにまた普段の生活に戻ったんだ。その後もいつものように練習を続けているし、移籍できなかったせいで僕のパフォーマンに影響が出たりはしていないって言っていいんじゃないかな。そもそも、気持ちの上で何も問題になっていないんだからね。

――ピエール=エメリク・オーバメヤンやウスマン・デンベレのような振る舞いに出て、ストライキに入ることもできたでしょうけれど。

いや、それはないね(笑)。 絶対ストライキはやらないよ。そういうのは僕の性格にも、僕が受けた躾にも合わないんだ。マインツにはとても感謝しているよ。僕をブンデスリーガへ連れてきて、成長の機会を与えてくれたんだから。そんなわけで、いつか去ることになったとしても、マインツのことはいつまでも良い思い出として心の中に残り続けるだろうね。それは間違いないよ。

――来年の夏の移籍の可能性についてはどう思いますか?

次の一歩を踏み出す準備はできていると思うし、新しい1章が始まろうとしているのが感じられるんだ。僕のパフォーマンスがいろいろなクラブの興味を引いているけれど、そういったほかのクラブでプレーするのは、フットボーラーとしても人間としてもさらに成長するいいチャンスだと思っている。今のところはマインツのために全力を尽くしているし、僕たちがすごく良くなってきていることにとても満足しているよ。シーズン後どうなるかは、その時にならないとわからないね。

――2013年のU-19ヨーロッパ選手権ではあなたはまだフランス代表として参加して、アントニー・マルシャル、アイメリック・ラポルテ、アドリアン・ラビオといった選手たちと一緒にプレーしていましたね。この3人は現在ヨーロッパのビッグクラブで活躍しています。あなたも彼らのような道を進みたいですか?

もちろん彼らがどんな道をたどっているか注意して見てはいるけど、彼らを羨ましいとは思ってないよ。誰でも自分なりの道を進んでいくものだ。僕にとって一番重要なのは、トップにたどり着く時期じゃなくて、そもそもうまくそこまでたどり着くことと、たどり着いた後もずっとトップレベルに留まり続けることなんだ。それは本当に難しいことだからね。そうなれるように、昼も夜も僕は頑張ってるんだ。

――その場合、ドイツではなくどこか他の国じゃないとダメですか? どこか憧れの場所はありますか?

いや、どこか特定のリーグに憧れてるわけじゃないよ。僕はただキャリアを終えるまでに、ずっとみんなの記憶に残るような有名な選手になりたいと思ってるんだ。

インタビュー・文=ヨヘン・ティットマール/Jochen Tittmar

構成=Goal編集部

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