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後半戦からイブラ参戦! 冨安も大奮闘…セリエA前半戦を徹底総括。サプライズ、失望チームは?

19-20シーズンのセリエA前半戦は、過去数年とは構図が異なる展開になった。変わらないのは、戦力で一頭地を抜く存在であるユヴェントスが絶対的な主役を演じているところだけ。2位以下の顔ぶれと動向には明らかな変化が生じている。

■ナポリ低迷、インテルが前評判通りに健闘

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それを象徴するのが、これまで対抗勢力の一番手を演じてきたナポリ(勝ち点24、8位)の低迷だ。11月初め、成績不振を理由とする会長の合宿命令をチームが拒否するという前代未聞の内紛が勃発、1カ月以上続いた混迷の末に2年目のアンチェロッティ監督が解任されるという非常事態に至った。後任のガットゥーゾも、このまま来シーズンも指揮を執るかどうかは今後の成績次第という不安定な立場に置かれている。

順位的にも、CLどころかEL圏からも遠く離れた中位で迷走を続けており、このレベルのクラブにとってはノルマとも言えるCL出場権確保すら難しい状況。冬の移籍ウィンドウではメルテンス、カジェホン、アランといった主力クラス放出の可能性も取り沙汰されている。はっきりとスクデット獲得を目標に掲げて臨んだ今シーズンが、ひとつのサイクルの終わりを記すと同時に次のサイクルを準備する過渡的な1年になるというのは皮肉な話である。

そのナポリに取って代わる形で、ユーヴェと真っ向勝負の首位争いを展開しているのが、コンテを新監督に迎えたインテル(勝ち点42)。クラブが的確な補強によって指揮官が望む陣容を整えたこともあり、チームは開幕時点ですでに明確なアイデンティティと高い完成度を備えていた。

リーグ最少失点を誇る3バックの堅固な最終ラインが、攻撃時にはビルドアップの起点として機能、テクニックと運動量を兼備した中盤が手数をかけずにボールを運ぶと、ルカク、ラウタロ・マルティネスという2トップが息の合った連携でフィニッシュする――。ユヴェントス、イタリア代表、そしてチェルシーという監督キャリアを通して磨き上げてきた明確な「コンテ・スタイル」は、このインテルにもはっきりと脈づいている。故障者の多さにもかかわらずサッカーの内容、そして結果にブレが出ない理由もまたそこにある。その故障者の穴を埋めるべく、クラブは冬の移籍ウィンドウでさらなる戦力強化を構想しており、最後までユヴェントスとの首位争いを演じる条件は整っている。

■ユーヴェ本命は揺るがず

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前人未到のスクデット9連覇を目指す王者ユヴェントスは、圧倒的な個人能力の高さを武器に最後にはしっかり結果をもぎ取るメンタリティの強さを見せ、インテルとぴったり同じ13勝3分1敗(勝ち点42)で首位に立ってウィンターブレイクを迎えた。

新監督サッリは当初、アッレグリが率いた昨シーズンと同じ4-3-3で開幕に臨んだが、攻守のバランスに問題を抱えただけでなく、このシステムに不可欠な右ウイングのドグラス・コスタが故障離脱したこともあり、1カ月足らずでシステムをトップ下を置く4-3-1-2に変更。それに伴ってクリスティアーノ・ロナウドは長年慣れ親しんだ左ウイングから2トップの一角へとポジションを移すことになった。

緻密なラインコントロールによって高い位置まで押し上げられた最終ライン、中央ゾーンの密度を活かしたコンビネーションによる崩し、ボールロスト直後のカウンタープレスといったサッリの特徴的な戦術は、まだ完全に浸透したとは言えない。しかしチームの完成度は少しずつだが着実に高まっており、12月に入ったあたりから安定感が目に見えて増してきている。誰もが期待するロナウド、イグアイン、ディバラという3人のアタッカーを同時起用するための土台は固まりつつあると言えそうだ。スクデット争いの本命という地位は揺るがないだろう。

■第2グループにローマ勢

ユーヴェとインテルのマッチレースを少し離れた位置から追う第2グループを形成するのは、S・インザーギ体制4シーズン目を迎えてチームが完成形に到達した観があるラツィオ(勝ち点36、3位)、パウロ・フォンセカを新監督に迎えて新規まき直しを図ったローマ(勝ち点35、4位)という首都の2クラブ。

ラツィオは、重心を低めに設定してのアグレッシブなミドルプレスによるボール奪取、サイドを効果的に使い手数をかけず敵陣にボールを運び、そこからルイス・アルベルト、コレアの質の高い個人技による崩しを今季絶好調のCFインモービレがゴールに押し込むという、シンプルかつ効率的なスタイルが完全に定着、ソリッドな強さを発揮している。

ローマを率いるフォンセカ監督は、戦術的ピリオダーゼーションやポジショナルプレーといった、これまでイタリアでは一般的ではなかったメソッドを持ち込んだ。それをチームが吸収・消化するのに時間を要した上、主力に故障者が相次いだこともあり、序盤戦はややもたついたが、マンチーニ、ヴェレトゥといった新戦力がレギュラーに定着し土台が固まるにつれて調子が上向き、直近8試合は1試合平均2.8得点という攻撃力を発揮してラツィオと3位を争うところまで順位を上げてきた。クラブ生え抜きの攻撃的MFペッレグリーニの成長も目覚ましい。

■攻撃的スタイルで目を引くアタランタ、イブラ復帰のミランは…

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不振に苦しむナポリ、そしてここ数年の低迷から抜け出せないミランを尻目に、ローマ勢に続く位置でEL出場権争いを展開しているのが、アタランタ(勝ち点31、5位)、カリアリ(勝ち点29、6位)、パルマ(勝ち点25、7位)というプロヴィンチャーレ(地方都市の中小クラブ)勢。

ガスペリーニ監督のアグレッシブな攻撃サッカーでリーグ首位の43得点を叩き出し5位につけているアタランタは、今や安定的にCL出場権争いに絡む強豪という地位を確立した観がある。そのCLでも開幕から3連敗しながら逆転でベスト16進出を果たし、今シーズン一番のサプライズとなった。ホームタウンのベルガモにしっかりと軸足を置いた育成重視・地域密着型の経営も含めて、セリエAの最も良質な部分を代表するクラブと言えるだろう。

セリエAではもはやサプライズを「卒業」したアタランタに代わる今シーズンのビッグサプライズと言えるのが、堅守速攻型のソリッドなサッカーで予想以上の健闘を見せているカリアリとパルマ。ここにガットゥーゾ体制となって巻き返しを期するナポリ、ミハイロヴィッチ監督が急性白血病の療養から復帰して一気に調子が上向いたボローニャ(勝ち点22、9位)あたりが絡む形で、EL出場権をめぐる5~7位争いが展開されることになりそうだ。

逆に最も大きく期待を裏切ったのがミラン(勝ち点21、11位)。UEFAのFFP規程に適合するためリストラを強いられるという難しい状況の中、若手中心のチームを数年かけて成長させるという新たなプロジェクトを委ねられたジャンパオロ監督が、チームを軌道に乗せることすらできないまま2カ月足らずで解任となり、後任のピオリもチームに明確なアイデンティティを与えることができないまま一進一退の歩みを続けている。復帰が決まった38歳のイブラヒモヴィッチに希望を託すことになる現状が、事態の深刻さを物語る。

■得点王争い&冨安にも引き続き注目

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このセリエA前半戦を彩ったプレーヤーとして挙げておきたいのは、第17節終了時点で17得点と、4年前にイグアインがナポリで作ったリーグ最多得点記録(36)を上回るペースでゴールを量産するインモービレ(ラツィオ)、パワフルな突進を武器に12ゴールを決めてインテルの躍進を引っ張ったルカク、本来のCBとしてのみならずセントラルMFとしても攻守両局面の活躍でローマが不振から脱却するきっかけを作ったマンチーニ、アタランタの絶対的なリーダーとしてチャンスメークからフィニッシュまで攻撃のあらゆる局面で違いを作り出すゴメス、そしてこれがセリエA1年目とは思えない大胆さと豪快さでゴールとアシストを量産、一気にヨーロッパ中のメガクラブから注目を集める新星クルセフスキ(パルマ)といった名前。

最後に、CBとSBのハイブリッドとも言うべき難易度の高い戦術タスクをこなし、攻守両局面でチームに大きな貢献を果たしている冨安健洋(ボローニャ)の活躍も特筆しておきたい。日本代表招集時の故障で欠場した5試合のチーム成績は1勝4敗、すべてスタメン出場した残り12試合は5勝4分3敗という数字を見れば、ボローニャにとってどれだけ重要な存在になっているかは一目瞭然。セリエAの環境に慣れた後半戦はますますの活躍を期待したいところだ。

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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です

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