岡崎慎司は好調維持も準レギュラー扱い…後半戦で風向きを変える2つのポイントとは【海外日本人前半戦総括】

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(C) Getty Images
海外で戦うサムライたちは2017-18シーズンの前半戦をどのように過ごしたのか? 歓喜の瞬間を迎えた者、充実の日々を送った者、葛藤してもがき苦しんだ者……。彼らが過ごした半年を、改めて振り返る。

岡崎慎司(レスター・シティ)

前半戦結果: 19節まで9試合に先発。限られた出番の中でプレミア自己最多の6点をマーク
チーム内序列: 準レギュラー
前半戦採点: 65点
後半戦の目標: 先発の座を再奪取+岡崎が目標に掲げるプレミアでの二桁ゴール

文=田嶋コウスケ

■新指揮官の変革で立ち位置に変化

逆風に見舞われたシーズン前半戦だった。

昨シーズン途中にコーチから昇格したクレイグ・シェイクスピア監督が、成績不振を理由に第8節のWBA戦後に解任。昨シーズンまでサウサンプトンの指揮を務めたクロード・ピュエル監督を後任に迎え、新たなサイクルをスタートさせた。

この指揮官交代により、岡崎の立ち位置に変化が生じた。

ピュエル監督は、これまでプレッシングサッカー一辺倒だったチーム戦術に幅を持たせようと改革に乗り出した。ポイントは、対戦相手に応じてプレースタイルを変える柔軟性だ。強豪相手には自陣深くで守備ブロックを構築し、攻撃は単発的なロングカウンターを重視する。一方、守備重視の相手では、サイドバック(SB)が高い位置までせり出してポゼッションに重きを置くようになった。

目に見える変化はこれだけではない。対戦相手のアプローチにかかわらず、プレッシングの重要度は低下した。極端に前がかりになることを嫌い、失点しないことに優先順位を置くようになったのだ。

すると、プレッシングサッカーの中心的存在だった岡崎の序列は低下した。若手を積極的に登用するピュエル監督の哲学も響き、31歳の岡崎の代わりに、21歳のイングランド人アタッカー、デマライ・グレイの出番が増えるようになったのだ。

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こうした変化は、選手の先発数からも確認できる。

ピュエル監督の就任から19節までの10試合で、岡崎の先発は3試合にとどまった。フランス人指揮官は「ローテーション」であると強調しているが、ポジションの重なるグレイの先発数が8試合、リヤド・マフレズが10試合の全試合に先発している事実からも、起用基準は必ずしもローテーションだけではないだろう。その意味では、岡崎にとって変革の荒波に揉まれたシーズン前半戦だったと言える。

ただ腑に落ちないのは、プレミア3季目の岡崎が好調を維持していること。開幕から2戦連続で得点を挙げると、その後も順調にネットを揺らし、プレミア自己最多となる6ゴールまで得点数を伸ばした。2ゴールを挙げた17節・サウサンプトン戦で、ジェイミー・ヴァーディーのクロスを阿吽の呼吸で合わせてネットを揺らしたように、周囲とのコンビネーションも向上中。しかも、岡崎が先発出場したサウサンプトン戦(4-1で勝利)と、14節・トッテナム戦(2-1で勝利)は「今季レスターのベストゲーム」と呼ばれ、これまで以上にチームに貢献してもいる。ゴールを重ねた上に、チームへの貢献度も高いのだから、岡崎としてはもどかしさを感じているのではないか。

では、シーズン後半戦のポイントはどこか。

本人が「夢」と語るプレミア二桁ゴールに迫る勢いでゴールを重ねていけば、ピュエル監督もさすがに序列を再考せざるをえないだろう。

ハードワークや周囲を助ける献身的な動き、チームに活力を入れるスイッチ役など、岡崎には実に様々なタスクが求められている。その中で、二桁ゴールを叩き出すのは容易なことではない。しかし、二桁に到達すれば、守備的FWとしての評価に加え、ストライカーとしての評価も高まる。得点数を伸ばすことが、最大のアピールポイントになるだろう。

そして、もうひとつのポイントはピュエル監督である。改革を重視するあまり成績やパフォーマンスを軽視するようでは本末転倒だ。活躍している選手を優先して起用する。あるいは、チームのストロングポイントを生かした上で改革を進めていく。柔軟な対応が求められる。

厳しさが増している定位置争いについて、岡崎本人は、「スターティングイレブンに選ばれている選手が一歩、二歩リードしている。彼ら主体のチームなので」と語る。だが、「個人的には前向き」だと考えを明かす。その理由は「出場時間」だという。

「(自身の扱いは)これまではもうちょっと酷かった。自分の中では、『いいように使われている』感じだった。1失点したら、『絶対45分で交代させられるやん』って思ってしまっていたので。でも、(ピュエル監督になって)流れがこの2年間と変わってきているかなと。フル出場することもあまりなかったので。(ピュエル監督には)監督なりの考えがある。そこに割って入る余地がある分、モチベーションは高いです」

岡崎としては、好パフォーマンスを維持してゴール数を伸ばす。そして、結果を出し続けるのなら、ピュエル監督も活躍に応える形で岡崎の序列を引き上げる。

現状、岡崎の出場した試合の方がチームパフォーマンスは良い。岡崎の言う通り、「監督の考えに割って入る」ことができれば、シーズン後半戦の様相は大きく変わってくるだろう。

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