いよいよ現地時間4日、イタリア・セリエAでは伝統の「ミラノ・ダービー」が開催される。
ミランとインテルによる両者のプライドをかけた戦いは、100年以上の伝統がある。ミラノの街をニ分する戦いでは、これまで数々のドラマが生まれてきた。
今回は、『Goal』イタリア版のシモーネ・ガンビーノ記者に展望を語ってもらった。
■国内は「ミラノ・ダービー」一色
常にイタリアの覇権を争ってきたミランとインテル。これまで、互いにセリエAを18回ずつ制している。押しも押されぬイタリアを代表する名門クラブだ。
しかし、ここ数年間に限ればミラノの両雄はともに苦しい時期を過ごしている。今季も現時点でミランが7位(勝ち点44)、インテルは4位(同51)。以前のように優勝を争うダービーではなくなってきている。
もっとも、だからといって注目度が低いわけではない。ガンビーノ記者は「今季のチャンピオンズリーグ出場権争いに重要な意味を持つ」と語る。
実際、今なおこのライバル対決は特別だと見なされている。開催地のサン・シーロは約8万人を収容するが、チケットは完売になる見込み。イタリア国内のメディアを見てもミラノ・ダービー一色だという。
なお、現地では2018年に入ってから公式戦無傷の6連勝中と勢いに乗るミランが優勢であるという見方が強いようだ。イタリアのブックメーカーのオッズを見ても、倍率が低い(=勝つ可能性が高いと考えられている)のはミランである。
「ジェンナーロ・ガットゥーゾが指揮するミランは、2018年に入ってから明らかに好調を維持している。反対に、インテルは前節ベネヴェントに勝利したものの、直近公式戦11試合でわずか2勝。難しい時期を過ごしている」(同氏)
■「シーズンを占う一戦」
そんなイタリア中の目が集まるダービーマッチだが、両チームにとってどんな意味のある試合になるのだろうか。ガンビーノ記者は「お互いにとってシーズンを占う一戦になる」と予想している。
「インテルは、熱意と自信を取り戻すためのチャンスを探している。一方のミランは、逆転で来季のCL出場を叶えるために、ビッグゲームでの勝利が欲しいところだろう」
では試合のキーマンとなるのは誰になるのか?
「ミランのカギを握るのはスソ。彼はネラッズーリとの対戦で3ゴールを奪っていて、相性の良い相手だ。そして、インテルには直近4試合を欠場していたマウロ・イカルディが戻ってくる。両エースの活躍が、結果に直結していると言っても過言ではない」
■対照的な両チームだが……
Getty Imagesデータサイト『Opta』を参照すると、直近公式戦5試合のミラノ・ダービーはミランから見て2勝2分1敗。リーグ戦過去3試合では、両チームともに2ゴール以上を奪っていることから、今回も多くのゴールが決まると期待される。
ミランは昨年11月末までヴィンチェンツォ・モンテッラが率いていたが、一試合に獲得した平均勝ち点は「1.43」に過ぎなかった。それがジェンナーロ・ガットゥーゾ体制となり、同数値は「2」に。クラブのレジェンド就任が良い効果をもたらしていることが分かる。
一方のインテルはここ12試合での平均勝ち点がわずか「1.25」。第16節までは「2.5」だったが、大きく調子を落としている。
対照的な状態の両チーム。今季3度目のミラノ・ダービーで、勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか。
「お互いにとってシーズンを占う一戦」(ガンビーノ記者)は、日本時間5日の4時45分にキックオフを迎える。




